表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

2話  1日目の2

『始まりの街 アインズ』


視界の真ん中、上のほうに小さなウィンドウが開かれ、そう浮かんだ。

広がる風景はまるで中世ヨーロッパの様な街並み。

目の前には大きな教会があり、その前の広場に立っている。

広場を中心に円形に街は広がっており、巨大な石造りの外壁に覆われている。

後ろには噴水があり、その周りには露店が並ぶ。


『始まりの街アインズへようこそ。ゲームを始めた貴方に、初期装備を送ります。メッセージ欄の『プレゼント』の項目より、受け取ってください』


視界の上のほうに横長のウィンドウが広がる。

別の大きなウィンドウを開き、メッセージの項目を選択、さらにプレゼントの項目を開き、プレゼントボックスを手に入れる。


『次に、ステータス欄の『装備』の項目より、プレゼントボックス内の武具を装備してください』


『装備』の項目からプレゼントボックス内の武具を見る。


ドス:レア度1

Atk18:会心率3%

耐久力80/80

説明:ヤクザ等が持っているイメージの強い短刀。初期武器の中では高めな攻撃力と、一番高い会心率を誇るが、耐久力が低く、短いのが欠点。慣れれば初期武器の中では強い方に入る。


革の鉢金:レア度1

Def3

耐久力80/80

説明:でこを守るように厚い皮を付けた鉢巻。前衛職用頭部防具としては数少ない、重量によるAgi低下の起こらない頭部防具。しかし防御力は低く、耐久力も低い。


革の腹当:レア度1

Def5

耐久力100/100

説明:非常に簡易な鎧。剣道の胴と垂を合わせた様な物で、防御力は低いが軽く、動きやすいのが利点。


革の篭手:レア度1

Def3

耐久力80/80

説明:丈夫な布に革を縫い付けて作った篭手。軽く動きを邪魔しないが、防御力には余り期待できない。


革の臑当:レア度1

Def3

耐久80/80

説明:丈夫な布に革を縫い付けて作った臑当。軽く移動の妨げにはならないが、防御力はそこまで高くない。


それらを全て装備していくと、まぁ確かに足軽等の戦国時代の歩兵らしい見た目にはなったと思う。

武器もそれなりに良い方らしい。刀身は25~30センチ程だろうか?


『装備の他にも、序盤では役立つアイテムを幾つか送りましたので、そちらも受け取ってください。以上で冒険の準備を終了します。それでは、貴方だけのゲームライフをお楽しみください!』


チュートリアルはこれで終了したのだろう。

一息ついたところで、自分の名前を呼ぶ声がした。


「フミちゃーん!居た居た!」


緋色の髪を腰辺りまで伸ばした、とんがり帽子の女性。

瞳は金色、肌はフミの様に白い。

とても見覚えのある顔だった。


「桜はサクラにしたんだね。似合っているよ」

「そうかねぇ?どうも若い頃の体と実際の体での体力差が大きくてね、慣れないねぇ」

「もうちょっとその姿だったら若々しく喋っても良いんじゃないか?」

「…わかった、そうする。でも、フミちゃんもそうしないと駄目だからね」

「…わかったよ、俺もそうするよ。思ったよりもスムーズに若々しく喋られるもんだ。そういえば、職業は何になったんだ?」

主職業メインジョブは『魔法使い』で、副職業サブジョブは『薬剤師』『料理人』だったわ」


副職業は3つとは限らないようだ。

薬剤師はおそらく、回復薬や毒薬などを作れる職業。

料理人は、このゲームに存在する『空腹度』を満たす為に料理が出来るのだろう。

…料理人の副職業は、料理をすれば俺も覚えられそうだ。


ここで説明を一つ。

主職業は変えられないが、副職業とスキルは変えられる、というのは説明されている。

スキルはいつでも一回覚えれば使えるが、副職業はセットできる10個の中に入れておかないとその職業特有の効果や職業技ジョブアーツと呼ばれる専用技は使えない。

そして、副職業は関連する行動をすれば覚えられるのだ。

料理人はおそらく、料理をすれば良いと思う。

薬剤師も、回復薬をつくれば取れるかも…


「で、フミちゃん、どうする?街の外に行ってみない?」

「外か…魔物との戦闘もやってみたいし、せっかくのゲーム世界だ。街を見ながらゆっくり行こう」

「そうね!ヨーロッパに旅行で着たみたい!」


桜の18歳位だった頃の容姿を殆ど引き継いだキャラクター、サクラ。

最近の人気アイドル位には可愛いと思う。

因みに章雄の若い頃を大体引き継いだフミも、結構なイケメンである。


「あんまり走るなよ。転ぶしぶつかるぞ」

「そんなドジな事しないってば!ほら、あっち側、いっぱい露店が並んでるよー!」

「やれやれ…若い体になったらすぐこれだ…まぁ、はしゃぎたくなるのは分かるけどな」


キョロキョロと左右を見ながら子供のように走るサクラ。

彼女を見失わない様に、駆け足で彼女を追いかけることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ