最終章 「君の幸せ。」
なにが起きたのだろう…
今まさに何が起きてしまったのだろう。
私の手は血に染まり、目の前には愛する人が倒れている。
天音は…。
それは数時間前のこと。
私と哲は天音の玄関へと向かった。
チャイムと鳴らすと、誰も出てはこなかった。
私たちは顔を傾げながら不思議と思うが誰も出てこなければ入るしかないと考え、
私たちは天音の家へと入っていく。
「あのぉ…誰かいますかぁ?あまねぇー…?」
哲は周りを警戒し、どんどん中へ中へと入っていく。
天音の部屋は戸が閉まっていていた。
コンコンっとノックをすると、
「誰?」と言う声が聞こえた。
私たちは、ほっとし天音と会話をする。
「雪…です」
「ゆき…帰ってきたの?」
「いぇ、お話があって…」
「ダメ、今は無理。」
何か様子がおかしいと言う哲だったが私は何も気にならなかった。
ドアを開けようと言う哲の考えとダメと言っているんだから入ったらダメだと言う考えの私。
天音に何かあるかもしれないと言う哲…何かあるのは心配なので入ることにした。
がちゃっと哲がドアを開ける…すると、目の前には信じられない光景があった。
「開けるなって…言ったのに。なんで開けちゃうかな…」
目の前には血だらけの天音がいた。天音の手首に何回もの切り傷が。
リストカットというやつなのだろうか。
「はぁ…君もいたんだ。僕の…敵」
天音は哲を睨む。哲は構え、私を守る体勢になる。
「ふっ、僕は別に雪を傷つけるつもりはないょ。
もちろんお前も…哲と…いったっけ」
「あ、あぁ。」
天音は窓からまた空を見上げた。
天音の手首からは血が流れている。
「天音…刃物…置こう?」
「雪…僕はね、もぅ終わりだから」
私には天音の言ってる事が分からなかった。
でも哲は、何かを知ったかのよう、天音に近づく。
「おい!お前…刃物をよこせ!!」
哲は天音の持っている刃物を取り上げようと手首を掴む。
「さ、触るな!!」
天音は抵抗をする…すると。
グサッ…
今一瞬何が起きたのかわからなかった。
目の前には…哲が倒れていた。
「…哲!!」
私はとっさに哲に近づく。
すると腹部に刃物が刺さっていることがわかる。
私はどうすればいいかわからず哲、哲と名前を呼んであげることしかできなかった。
「哲!!」
「うっ…雪。俺は、平気だから…天音を。」
天音の方を見ると、自分の手を見て絶句していた。
頭を抱え込み、呼吸がみだらになる。
「きゅ、救急車!まってて哲、今呼ぶから」
「あっ…っ!」
哲は動こうとしたが痛いせいか、また床に倒れる。
「哲!!動いちゃダメだょ!」
「天音を…救急車なんていらないから…天音のとこに。」
「哲はどうするのさ!!こんなに出血してるのに!」
哲は自分は平気だと言い続ける。
天音は、過呼吸になる。
苦しそうに、もだえていた。
「あ、天音。しっかりして…大丈夫だから」
「ぼ、僕は…ゴホッゴホッ…人を…」
私は天音の背中を優しく叩き、おちつかせる。
ふと哲を見ると…私を見て笑顔を見せ、
目をゆっくりと閉じた。
「いやあぁぁー。」
私は哲に飛びつくような勢いで傍にかけよる。
「哲…哲…さとし…」
私は涙を流し身体を震わせる。
どうしてこんなことに…やっぱり私のせいだ。
私のせいで哲はこんなことに。
私が…。
「雪。どいて」
私の横から哲を抱きかかえる天音。
私は一瞬唖然として、天音を直視する。
「こいつを助けたいんだろう?そもそも僕が悪いんだ。
すまなかった…。ゴホッ…大丈夫。僕がなんとか…」
と天音はある人を呼んだ。
「春!いるんだろう!!早く来い。」
「はっ」
部屋に入ってきたのは天音の執事…だろうか。
そんな感じだった。
「早く車を出せ。病院に向かうぞ」
「はっ!」
私は、はっとすると何時の間にか病室にいた。
私は椅子に座っていて、目の前に哲と天音が寝ていた。
数時間前、車で病院に向かうと天音は倒れ、哲と一緒に運ばれていった。
2人とも出血が多くて危険な状態だったけれど、無事落ち着いたみたいだ。
2人に輸血を打ち、今は安静状態だった。
「ごめんなさぃ…全部私が悪いの…ごめんなさ…」
私は涙が止まらなかった。こんな危険なことになるなんて思ってもみなかった…。
皆の気持ちをもてあそんで…皆を傷つけた。
私は…。
私は毎日毎日病院へ通い続けた。
毎日毎日…。
時がたって、いつぐらいたっただろう。
いまだに彼たちは目を覚まさない。
意識不明で…おきてくれない。
私はもう社会人になり、仕事をしていた。
ということは…2年程かな…。
2年も目を覚まさない日々。
目を覚ましてくれない彼ら。
私は2人のベッドの間の椅子に座り、
2人を見た。
「お願い。もう一度…もう一度、2人の笑顔を見せて…。
2人の…幸せな顔を…お願い!」
私は願った。とても…ずっと願った。
涙を流しながら、今度こそ…。
「お、おねが…」
「おはよう。」
「おはよぅ、雪」
私を上を見上げる。
私はまた涙があふれる。
これは夢なの?それとも…
「「現実だから」」
と2人は笑顔を見せたのだった。
私と哲は、結婚した。
とても幸せな家庭を築く事ができ。
今も…これからも、幸せだ。
天音はと言うと、なんと哲のボディーガードをしている。
天音と哲はなんととても仲が良い友人になった。
2人ともそれぞれ良い日々を過ごしている。
もちろん私も。
「俺は、雪を一生愛し続ける事を誓います。いゃ、愛せます!!」
「僕は、2人を守りることを誓おう。ボディーガードとして。」
「私は、みんなが幸せになることを願います!いぇ、幸せにしてみせます!!」
それぞれ、幸せな日々が続くだろう。
永遠に…。
…Fin♪
お疲れ様でしたぁぁぁ
投稿が遅れてしまい申し訳ないです。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。
文章や構成はまだまだ未熟ですがこれからも頑張ります!
本当にありがとうございましたぁぁ!!