第2章(7-1)
「はい、もしもし」
翌日、学校から帰ってきて家で一休みしていると、電話がかかってきた。
『あ、もしもしー。オレオレ』
かけてきたのは、オレオレさん、もとい中島だった。
「ちゃんと名前くらい名乗れよ、これ携帯じゃなくて固定電話なんだからな……」
『別にいいじゃんかよー。そっちの家族の人だって、俺の声ぐらい覚えてるだろ?』
「いや、まあそうなんだけど……てか、なんで電話なんてかけてきたんだよ?話すことあったなら直接言えばいいのに」
当然今日も学校では中島にあったし、話す機会も多くあった。
帰りは例によってバラバラに帰ったのだが。
そこでふと、中島が電話をかけてきた理由が一つ思い当たった。
ん、待てよ?まさか今日、俺がちゃんといつものルートで帰ったのか確認するために電話してきたんじゃあ!?
だとしたらやばい、一人なのをいいことに昨日と同じ道で帰ってきてしまった。
なんて言い訳していいのかわからない。俺も本が欲しかった、なんて理由はまず通用しないだろう……
『ああ、夏祭りのことでちょっと連絡。ついさっき役場の人から作業の日程を教えてもらったんだ』
どうやら俺の悩みは気鬱に終わったらしい。
言い訳まで考えていたのがバカみたいだったと、胸をなでおろす。
『で、さっそくで悪いんだけど、明日ちょいと集まりがあるから、学校終わったらそのまま役場に集合な』
「あ、明日!?いや、まあいいけど……」
あまりにも急なスケジュールに少し面食らう。
だが、夏祭りの開催日まであと一カ月もないことに気づき、急いだ方がいいだろうと思いなおす。
『じゃあ、明日頼むなー』
「ああ、もちろんちゃんと行くよ」
その後、お互いに「それじゃあ」と手短に別れの挨拶を交わし、通話を終わらせた。
夏祭りが近づいてきている。そんなことをこの電話を受けて、初めて実感した。
夏祭りは毎年、家族や中島、そんなメンバーで回っていたが、今年は佐々原がいる。それが少しだけ嬉しくて、今年の夏祭りの準備は頑張ろうと思った。




