第3話:イケメンとカラオケ。波乱の予感?ー②
カラオケ店にて。
灯里はイケメンをじっと見つめる。
(確かにジヌに似てる……でも、全くときめかないな……)
彼は見た目だけでなく、人当たりも良く、感じのいい人だった。
でもルカといる時のような安心感や胸の高鳴りもなく、ただ静かに違和感だけが残る。
(やっぱり、ルカじゃないとだめなんだ……)
改めて思い知らされ、胸がぎゅっと苦しくなる。
イケメンの隣にいても、心はルカのことでいっぱいで、灯里はぼーっと物思いに耽っていた。
「そんな見つめられると照れるな」
イケメンに急に声をかけられ、灯里はふっと我に返る。
「ご、ごめん……!」
灯里は慌ててイケメンから距離を取ろうとするが、彼は灯里の視線を好意だと勘違いし、そっと手に触れる。
「わ!」
急に触れられ、焦った灯里は思わず後退りし、”ゴン!”と壁に頭をぶつける。
「いった〜……」
(わー! こういう時ってどうすればいいの〜!?)
灯里は痛さと恥ずかしさで、手で頭を覆い、顔を俯ける。
「はは、純情すぎてかわいいなぁ」
イケメンは嬉しそうに笑い、さらに指を絡める。
灯里は真っ赤になり、必死で顔を逸らして身をすくめるしかできなかった。
ーーとその時、
バン!、と乱暴にドアを開ける音がする。
驚いて顔を上げると目の前にルカが立っていた。
いつもの柔らかな表情はなく、目は鋭く、怒りに満ちている。
手はぎゅっと握られ、体の力が緊張でみなぎっていた。
「灯里、帰るよ」
「え? なんで……?」
ルカは迷わず灯里をイケメンから引き剥がす。
「悪いけど、連れて帰るね」
他の人たちに軽く挨拶しつつ、灯里の手を引き店を出た。




