第3話:イケメンとカラオケ。波乱の予感?ー①
天界の一角。ルカはある部屋の前に立っていた。
扉を開けた先には、壁一面のモニターとデスクには十数台のモニターが並ぶ。その画面には、人間界の様子が映し出されていた。
ここは、人間界モニターシステム室。天界から人間界を観測できる場所だ。
ルカはデスクに向かい、モニターを操作する。すると――灯里の姿が映った。
元々は神々や天使たちが仕事のために使うものだが、ルカはつい灯里の様子を確認したくなり、足を運んでいた。
(覗き見してるみたいで、ちょっと後ろめたいけど……
でも灯里、妙に行動力あるから、ほっといたら何するかわらなくて心配だしな……)
灯里は制服のまま、友達と並んで歩き、楽しそうに笑っている。
その笑顔に、ルカの胸が温かくなる。
(やっぱり灯里に会いたいな……)
その後、珍しく学校帰りに寄り道をした灯里は、友達とカラオケ店に入っていく。
その部屋を見て、ルカは思わず眉をひそめた。
(......ん?)
なんと、友達のほかに男子グループの姿がある。
(は? 何やってんだよ……)
ルカはイライラとした気持ちを抱えつつも、気になってそのままモニターから目が離せないでいた。
ふと男子グループに目をやると、その中に1人、明らかなイケメンが混ざってる。
友達に押しやられる形で、灯里はその隣に座らされ、思わず赤くなって手で口元を押さえている。
(僕がこんなに悩んでるのに、あんなに平気で楽しそうに……灯里、イケメンに弱すぎだろ!)
焦りと苛立ちが胸にじわじわと広がり、思わず手がわずかに震える。
ルカはふと気づく。
(あれ……? この人、どこかで見たような……)
ルカの頭にピンと閃く。灯里が最近推しているというK-popアイドル、ジヌにそっくりだ。
(は? これ……僕の時と同じじゃないか。絶対下心あるだろ……!)
怒りと焦りが頂点に達し、ルカは思わずモニタールームを飛び出し、セラの元へ駆け寄った。
「すみません。今日、今から休みにしてください……」
「え? な、なんだ急に……」
ルカの表情を見て、上司は目を丸くする。
いつもの穏やかな笑みはなく、怒りで顔が歪んでいる。
「例の彼女のことか?」
「はい、そうです」
「そうか……まぁ、行ってこい」
上司に軽く送り出され、ルカはそのまま人間界へ飛び立った。




