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天使の彼氏は嫉妬深い? (挿絵あり)  作者: 菟田野すもも


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3/8

第1話:天使の彼氏の恋愛遍歴ー②

 翌日、学校。

 昨日のルカとの会話を引きずっていて、灯里の気持ちは晴れなかった。

 

(なんかルカと私って最近噛み合わないこと多いな……

 毎日会ってる時はこんな気持ちにならなかったのに……)


 どんよりした様子の灯里を見て、友達が声をかけてきた。


「灯里、どうした〜? 元気ないじゃん」

 奈々(なな)が心配そうに覗き込みつつ、明るく尋ねる。

 灯里は小さく息をつき、困った顔で目をそらす。


「なんか彼氏とうまくいってないらしいよ」

 彩花(あやか)は少し落ち着いた調子で、からかうように付け加える。


「……そっか! 灯里、そういう時こそイケメンだ!イケメンは全てを解決する!

 ほら、流星(りゅうせい)くん見て癒してもらうんだ!」

 奈々がスマホ画面を見せてくる。


「……いや〜、実は私、推し変したんだよね……!」

 灯里は少し気まずそうにしながらも、友達に心配かけまいと、わざと明るくおどけた調子で答える。


 元々大好きな推し俳優だった月城流星(つきしろりゅうせい)

 ルカはその流星にそっくりで、それが契約のきっかけだった。


 でも今は、逆に流星を見ると、ルカの顔しか浮かばくなってしまった。

 ラブシーンなんか始まったら……ルカが他の女の子とイチャイチャしてるみたいで直視できない。


 だから泣く泣く“推し変”するしかなかったのだ。


「えー!? 推し変!?」

 奈々と彩花が思わず声を揃えて驚く。


「そうそう!で、今はこっち!」 

 灯里はわざと大げさにスマホを掲げ、K-popアイドルのジヌの写真を見せる。

 

「おぉー!さすが灯里!もうジヌまでチェックしてたんだ!ほんとイケメン情報に抜け目ないよね〜」

 奈々がテンション高く返す。


「いやいや、それほどでも……あるけどね〜」

 奈々の言葉に灯里も笑顔になり、得意げに続ける。


「流星の次はジヌか〜。

 ただイケメンってだけじゃなくて、ダンスも歌も上手いし!いいとこ突くね!」 

 彩花もうんうんうなずきながら続け、ふと思い出したようにいう。


「あ、ジヌといえば……

 今度、他の学校の友達とカラオケに行くんだけど、ジヌ似のイケメンも来るらしいよ!灯里も来なよ!」


 彩花はノリノリで誘うが、灯里の笑顔は引きつり、固まってしまう。

 頭にはルカの顔が浮かび、とてもそんな気分にはなれなかった。

  

「え……いや、さすがにそれは……彼氏に悪いし……」


 友達2人は顔を見合わせてため息をついた。


「えー、灯里硬すぎ! 二人っきりで出かけるわけじゃないんだよ!

 イケメンの顔拝みに行くだけ。癒されてパワーもらおうよ!」

 奈々が軽く煽る。


「うーん……私はいいかなぁ」

 

 前なら絶対、イケメンって聞いただけで飛びついてた。

 でも今は――頭に浮かぶのはルカの顔ばかり。


 全然会えないし、ルカとは気持ちの重さが違うように感じて、不安になるけど……

(それでも、他の人には全然興味がわかないんだよね……)


 奈々と彩花は、灯里の曇った表情を見て、またため息をつくしかなかった。


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