十五夜の月
あれから何年か立ち僕は高校を卒業して、大学に通っている。
大学で勉強しながらコンビニでのアルバイトをしている。
「え!?良樹バイトやめるの?」
耳にピアスを開けた、金髪の青年。何年も一緒に働いてきた良樹がアルバイトをやめると言い出したのだ。
「あぁ。俺もそろそろこの町でようかなぁって」
「そっか・・・・・・」
僕が寂しそうにすると良樹が笑って肩を叩いた。
「そんな寂しそうな顔するなよ。別に会えなくなる訳じゃないしさ。連絡してくれれば遊びにくるし、遊びに行くさ」
「・・・・・・うん。そうだね」
「それよりも・・・・・・彼女とはどうなんだよ?」
良樹がニヤニヤして聞いてくるのを見て僕は顔を赤ながら答えた。
「いや、まぁ・・・なんていうか。同棲してるっていうか・・・」
「ひゅ〜やるねぇ」
「河川敷の近くにあるアパートを借りて一緒に住んでる」
「へぇ〜一緒に寝てるんだ」
「茜がその方が安心するっていうからさ」
「ほーん」
良樹がニヤニヤして話を聞いているのを見て、僕は良樹に情報を引きだれたことに気がついた。
「ほらこの話は終わり!!」
「えぇもっと聞きたいなぁ〜甘い恋の話」
「うるさい!!」
良樹は笑って見せると真剣な顔つきになり、手を差し出してきた。
「じゃあな、親友。また会おうぜ」
僕は良樹の手を握り握手すると、笑顔で良樹の顔を見た。
「うん、元気でね。親友」
良樹と別れた後日は沈み、あっという間に夜になった。辺りは暗闇に包まれ、月明かりと街灯の灯りだけが周りを照らす。
僕は自転車に乗り、白い息を吐きながら帰り道を走り抜ける。冷えた風が肌に突き刺さる。
橋を渡り道を曲がり、河川敷が続く道に入ると道の先に一人の女性が座っていた。
冷たい夜風に髪をたなびかせ、三日月の髪飾りと白い肌が月明かりに照らされて美しく輝いていた。
僕は自転車から降りると、ゆっくりと自転車を押しながら彼女に近寄る。
「こんなところで何してるの?警察に補導されちゃうよ」
「補導されるほど幼くないし、ただ月を見ていたの。一緒に見てくれる人を待ってるんだけど・・・彼ったら遅くて身体冷えちゃった」
「ごめんじゃあお詫びに一緒に月見に付き合っていいですか?」
「いいわよ。隣にどうぞ」
彼女は自身の隣の地面をポンポンと叩き、隣に座れとジェスチャーしてくる。
僕は隣に座ると彼女は寄りかかるように頭を僕の肩に当てて来た。
「・・・・・・遅かったね」
「うん・・・ごめん。良樹がバイトやめるからちょっと話し込んでた」
「そうなんだ」
夜空を見上げると星空と丸い形をした月が黄色く輝いていた。河川敷の間に流れる川に反射して、川にも月が写っていた。
「良樹くんと離れて寂しい?」
「うん・・・寂しい・・・・・・でも」
僕は茜の顔を見ると、彼女はキョトンとした表情をしていた。そんな茜を見て僕は笑みを見せる。
「君と過ごせれば毎日は寂しくないよ」
僕の一言を聞いて、茜も笑みを見せると再び夜空に浮かぶ月に顔を向けた。
「そうだね・・・・・・夜は寂しいからね。私が側にいるよ」
僕たちは冷たい夜風が気にならないほどお互いの体温を感じながら、夜空に浮かぶ満月を見ていた。
いつまでも、何年も僕たちは一人の夜が来ないようにお互いの存在を感じるように一緒に暮らし続けた。
太陽と月のようにお互いの光を感じながら、助け合ってこれからも生きていく月の満ち欠けのように変化していく日々を・・・・・・
おわり




