あたふたお相撲
「お前らなんか、最近仲良いよな……」
頬杖をついたジト目のはやとが、こっちを見てつぶやくようにいった。
いつものように空き時間に三人でテラスにいた。
お気に入りの席で、ならび順も相変わらず一緒だ。
僕は課題のレポートをどうしようか悩みながら、ノートに思い付くままメモをしていた。
ソファーは広いので、パソコンでレポートを書き始めているはやととの距離は、ゆったりと人一人分くらい離れている。一方でだいきは、僕の肩に腕をまわし僕のノートに一緒に書き込んでいる。一緒にレポートを書くわけではない。僕のメモに鋭い突っ込みをいれたり(だいきは成績がとてもいいわけではないが、地頭のよさを感じるときがちょくちょくある)、ただの落書きだったり(悔しいことに絵もちょっと上手い)。
はやとがつぶやいたのは、だいきの描いた絵がおかしくて二人で笑い合ったあとだった。
完全にだいきの方に向いていた体を正面に戻し、おそるおそるはやとの方を見ると、暗い顔をしたはやとと目があった。なんとなくいたたまれなくなって、だいきの腕を自分の肩から外し、両手でつっぱってだいきとの距離を確保した。
だいきはため息をつくとテーブルにつっぷした。耳としっぽが垂れた。口角も上がって犬歯が見えたような気もするけど、とりあえず放置する。
「そ、そうでもないよ」
僕はいそいではやとの呟きに答えた。
内心では焦っていた。自分でも気づかないうちに、だいきとくっついているのがすっかり癖になってしまっていた。今後は距離感に気をつけようと心の中で決心する。
少し頭が冷えて、冷静になってはやとを見ると、いつもの優等生オーラが消えている気がする。堕天したのかなってくらいに負のオーラがすごい。何かあったのだろうか、どう声をかけようか迷っていると、珍しくだいきがはやとに声をかけた。
「どうかしたのか?」




