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絶対なる強者

「待たせたな。ここからは俺に、任せておけ。」

その言葉にミスリルゴーレムが怒りをあらわに咆哮する。

そのうちの一体が拳を振るう。

「危ない!」

マーリンが叫ぶ。

それに対しザスタは大丈夫だという意を手をヒラヒラと振る事で示す。

最大の力を込めた拳がザスタに直撃する。

するとミスリルゴーレムの腕がまるでより硬いものに当たった石のように砕け散った。

「なっ!?」

マーリン達が驚愕の声を上げる。戦士隊の人間が構えた盾ごと葬っていたゴーレムの拳が当たっただけで砕け散ったのだ。

砕けて散っていくミスリルを見てザスタはとある事を閃いた。手を掲げると魔力を使い落ちていくミスリルを手元に集めていく。

「『我が手の中で形を成せ!』、『トランスミューテーション』!」

放たれた魔法によってミスリルが剣へと形を変えていく。

「頑強の魔法がかかっているがこの程度なら簡単に変化させられる。」

大きなゴーレムを形作っていただけあって量があったそれは大剣とも言う程の大きな剣になった。

「(魔王の剣以外の持ち合わせが無かったが丁度いい。)」

その剣を手に取り片手で軽く振る。重さに納得したザスタは魔力をミスリルに流し込み今の一幕を驚愕した様子で見ていたゴーレム達に対して構える。

「受けよ、我が剣技を!」

一瞬にして片腕を失ったゴーレムの足元に踏み込む。

「『ライジングスター』!」

まるで流星の様に空へと飛び上がりゴーレムを真っ二つに切り裂く。飛び上がったザスタは空中を蹴り2体目のゴーレムへと向かう。

「『メテオブレイカー』!」

剣を横にしまるで鈍器の様に構え隕石の様に落ちていく。それをぶつけられたゴーレムは頭から砕けていった。

少しヒビの入った剣を砕いたゴーレムによって補強する。

興が乗ってきたザスタは手加減していたのを辞めて少しだけ力を出す。剣を天高く掲げ魔力を纏わせる。その波動は天高い雲すらも突き破る。

「受けよ、『カラミティスライサー』!」

その()()()()の斬撃はゴーレムの体を消滅させた。だがその代わり耐えきれなくなった剣が溶けていった。

「ふん、やはり魔王の剣以外ではこれは耐えられんか……さて。」

ゴーレム達が先程までいた後ろの空間に視線を向け、魔法を放つ。

「『我が前のその姿を表せ』、『ブレイクステルス』。」

その魔法によって隠れていた魔物達が現れる。魔王軍に加わらなかった魔物の代表的存在であるゴブリンだ。

「ゴブリンか。」

視線を向けられたゴブリン達が後ろに下がっていく。

「『我からは逃げられぬ』、『シールエスケープ』!」

順調に下がっていっていた魔物の足が止まる。ゴブリン達の表情に困惑が走る。

「敵に挑む以外は出来なくする魔法だ。貴様らごときでは知らんだろうがな。」

そう言いながらゴブリン達に背を向けマーリン達の方に歩いていく。

「さて、ここからは君に任せる。頼むよ()()()。」

「ええ、任せて。」

空から箒に仁王立ちしたカレンが上から両者の間に降りてくる。

「さあ、かかってきなさい。お仕置きの時間よ。」

ゴブリン達は先程までの男よりも勝ち目のありそうな女に襲いかかる。

「『消し飛びなさい』、『エクスプロージョン』!」

オリジナルの詠唱共に放たれたそれは最高位の攻撃魔法。爆発魔法の最上級魔法。その圧倒的な威力は先程放たれたカラミティスライサーにすら劣らない。

「冥土の土産に覚えていきなさい。魔女の里最強の魔法使いの名、カレン・ラクルの名を。」

自身のツインテールを払いながら背を向け、ザスタの所へ歩いていく。爆発の煙が晴れた先には何も無かった。


こうして魔女の里防衛戦は終わった。


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