第25話 レッドドラゴン討伐《とうばつ》とフェアリーの竜使いロロ
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面白い事しか書かないつもりで書いた、妖精たちを活躍させる設定もりだくさん!
妖精たちの可愛さを愛でるほのぼの展開!
妖精たちの可愛い性格からくるコメディ!
フェアリーピクシーインプ主力みんな美少女!
異世界転生したばかりの赤ちゃんと妖精たちが大活躍!
オタク趣味の魔法を使う男主人公赤ちゃん!
凄すぎる英雄基本能力!
妖精たちが主戦力!
新たなジャンル、コミカルメルヘンファンタジー!
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魔の森の上空を飛ぶこと6時間。モンスターは前を飛んでいる部隊が排除しているのか、ぼくのいる中心にはマナチップの“チャリン”と言う音も聞こえない静かな飛行が続いた後「前にドラゴンがいるわ!」と先行部隊が言ってきた。
「じゃあ、うかいして進もう!」とぼくが言うと、世界樹の種のキルヒアイスが〈そこが目的地だよ?今ドラゴンがいる所〉と心の声で言ってくる。
「みんな!ぼくの周りに集合! ぼくの声が聞こえていない位置にいる子にも、アルヴィンの周りに集合って声かけて!」と声を限界までしぼり出す。
〈ドラゴンって人間の言葉、つうじる?〉
〈年取ったドラゴンならつうじるんじゃない?〉とフィリオーネ。
〈マジか~〉
そうしているうちに、妖精たちが周りに集まってくる。
「みなさん!現在進行方向にドラゴンがいますが、世界樹の種のキルヒアイスさんの話によるとそこが目的地です!」
「とうとう、あたしたちがドラゴンスレイヤーになる時が来たのね! フェアリーのドラゴンスレイヤーロロ!いい響きだわ!」と1匹のフェアリー、17才ぐらいの美少女に見える身長31.2センチ(人間換算156センチ)体重408グラム(人間換算51キログラム)でキタキチョウ見たいながらの羽を持ったフェアリーのロロが嬉しそうに言う。
「いや、まずは交渉ね! 戦力差から考えて相手が多少まとってる魔力の層が多くても、3千5百匹以上の妖精から魔力にダメージを与える攻撃をされたら、すぐに身体の表面に魔力の層をまとえなくなると思うけど。それまでの間に範囲攻撃をされたら、体力のなさそうに見える妖精たちが何千匹死ぬか分からないからね! まずは交渉! 交渉決裂した時に備えて相手の範囲攻撃を避けられるように遠くから周りを囲んで、交渉決裂したら遠くから魔力にダメージを与える攻撃をみんなでして、身体の表面に魔力の層をまとえなくなったらすかさずとどめを刺す。でもまずは交渉だからね!」
「(中略3千5百匹以上)「は~~い」(中略3千5百匹以上)」と妖精たち。
「じゃあドラゴンから離れた位置から、ドラゴンを囲んで!」
「(中略3千5百匹以上)「は~~い」(中略3千5百匹以上)」と妖精たち。
いそいで全身にマナを行き渡らせて、見えている位置にいる相手に声を届かせて相手の声も聞こえるようにする魔法を作る。
「フィリオーネ!ドラゴンがギリギリ見える所まで運んで! あまり近づきすぎないで!」
「は~~い」とフィリオーネが答えてぼくを運ぶ。
5分後体長15メートルのレッドドラゴンの見える位置にある、木の陰に隠れる事ができた。
「フィリオーネ!みんなはドラゴンの周り囲めた?」
「囲めたわよ? 気配を探る魔法を使って確認したわ!」
「うん……じゃあ、あのレッドドラゴンに話しかけるね」
見えている位置にいる相手に声を届かせて相手の声も聞こえるようにする魔法を発動する。
「もしもし?レッドドラゴンさん?聞こえますか?」
「聞こえるが、もしもしとはなんだ?」レッドドラゴンの大声に、周囲一帯にいた鳥たちが飛び立っていく。
「もしもしと言うのはぼくの前世の世界の風習なんですけど……今はそんな事じゃなくって! 今ドラゴンさんのいる場所に世界樹の種を植えたいんで、どいてもらえませんか?」
「そうか……。ここは気持ちのいい魔力がわき上がってくる、お気に入りの寝床なのだが……」
「ダメですか?」
「ダメではないぞ! さすがの私も数え切れない数のフェアリーの軍隊に囲まれて脅されれば、恐怖で体が震える」
「え? フェアリーが周りを囲んでいる事、知ってるんですか?」
「お前は私を何だと思っているのだ、子供のころから警戒をおこたらなかったからこの大きさまで生きているのだぞ? フェアリーの軍隊に囲まれたぐらいで、人生を終われるか!」
「軍隊って言うか、3千5百匹ぐらいなんですけどね!」
「3千5百匹?……いけるか?」とドラゴンが言った瞬間、10メートルぐらい離れた位置から直径30センチぐらいの火の玉がドラゴンに飛んで行ってぶつかった。
「フフ……ハハハ! 冗談だ!」とドラゴンが言ったが、森のあちこちから火の玉やぶっとい電撃が飛んでドラゴンにあたっていく。
「こら!冗談だと言っておるだろうが!」ドラゴンが声を荒げて叫ぶ!
「みんな!やめて! ドラゴンさんが冗談だって言ってるから!」ぼくも見えている位置にいる相手に声を届かせて相手の声も聞こえるようにする魔法で、ドラゴンさんの周りにひそんでいるフェアリーを止めようとする。
ドラゴンさんとぼくの声が届いているのか届いていないのか、ドラゴンさんに飛んでくる火の玉やぶっとい電撃は数を増やしていく。
「もうだめだ! 冗談の分からないフェアリーの軍隊に殺されて終わる運命だったなんて! こんな事なら、フェアリーをちょっとからかってやろうなんて思うんじゃなかった!」ドラゴンさんがあきらめたようになげく。
ぼくはいそいで全身にマナを行き渡らせて、半径1キロメートルに自分の声を届けて相手の声も聞こえるようにする魔法を作る。
「みんな!攻撃をやめて! ドラゴンさんはただ不謹慎な冗談を言っただけなのに、こんなに攻撃するのはやりすぎだよ! みんな!攻撃をやめて!」
ぼくが声をかけてもすぐにはフェアリーたちの攻撃は収まらなかったが、ドラゴンさんが魔力の層を身体にまとえなくなった所で攻撃がピタッと止まった。
「ドラゴンさん大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない! 魔力の層を身体にまとえない状態にされたら、ドラゴンスレイヤーを狙っているどんなモンスターに襲われるかわかったもんじゃない! 魔力が回復するまで守ってくれ!」とドラゴンさん。
「わかりました!まかせてください! みんな~~!ドラゴンさんにごめんなさいして!」
「ええ~~! まぎらわしい冗談言う方が悪いよ!」とドラゴンスレイヤーになれる事を喜んでいた、キタキチョウ見たいながらの羽を持ったフェアリーのロロが言う。
「きみ!ドラゴンスレイヤーになれるって喜んでた子でしょ! ちゃんとあやまって!」
「ごめんなさい……。でもとどめは刺さなかったじゃない!」とフェアリーのロロ。
「うん、そこはありがとう。でも何であんな攻撃したの?」
「3千5百匹のフェアリーなら戦えるってドラゴンが言ったから、怖くなって火の玉飛ばしたの」とフェアリーのロロ。
「いやいや、“3千5百匹?いけるか?”って言っただけだよ? まあ意味としてはあってるけど……」
「火の玉飛ばしてたらみんなも飛ばしてたから、このままドラゴンスレイヤーになっちゃえ!と思って火の玉や電撃を飛ばしてたの」とフェアリーのロロ。
「それでどうしてドラゴンさんが魔力の層をまとえなくなったところで、攻撃をやめてくれたの?」
「ドラゴンが魔力の層を身体にまとえる状態で攻撃をやめると、反撃されて仲間がたくさん死んじゃうと思って。でも冗談だって言ってるドラゴンのとどめまでは刺す気になれなくて、攻撃をやめたの」とフェアリーのロロ。
「フェアリーたちのやった事にも、一応理由はあるんだね。ドラゴンさんは? 何で飛んで逃げなかったの?」
「この身体は魔力の層をまとえない状態では、空を飛べなくなってな。周りも囲まれていたし、飛んで逃げたところで撃ち落とされて終わりだからな」とドラゴンさん。
「まあ魔力が半分に減ると魔法も使えなくなりますしね。それはそうとドラゴンって魔力の層をまとえない状態で空から落ちたら死ぬんですか?」
「それほど高くないところから落ちても、大けがする事は間違いないな」とドラゴンさん。
「じゃあ話の通じないドラゴンと戦うときは、空を飛んでる所を狙うのがいいですね!」
「あまり私の同族を狩るんじゃないぞ!」とドラゴンさん。
「はい、ちゃんと話し合ってからにします。ドラゴンさんも、まぎらわしい冗談を言わないように仲間に言ってくださいね」
「分かった、言っておこう」
〈じゃあ世界樹の種を植える場所は?〉
〈ドラゴンさんの下〉と世界樹の種キルヒアイス。
「ドラゴンさんの下が世界樹の種を植える場所らしいんですけど、どいてもらえますか?」
「この場所は魔力回復が早くなる場所でな、しばらく待ってくれ」
〈もうすぐ日が落ちるから、明日にしよう〉と世界樹の種キルヒアイス。
「じゃあ明日の朝日が昇るまで休憩! みんな!近くにいてね!」半径1キロメートルに自分の声を届けて相手の声も聞こえるようにする魔法で妖精たちに声をかける。
〈アルヴィン!世界樹の種を植える前に世界樹の種に魔力を吸われるんだけど、魔力を半分以上吸われるから、世界樹の樹液を飲まずに世界樹の種に魔力を渡さないで仲間たちを守る役がいると思うの〉とフロレーテ。
〈そうなの?キルヒアイス〉
〈世界樹の樹液を飲んで魔力が世界樹に近くなったら、発芽の魔法に使える魔力になる。フェアリーたち全員に世界樹の樹液を飲んでもらって、魔力を貸してもらいたい〉と世界樹の種キルヒアイス。
〈でもそうすると、インプとピクシーに守ってもらわないといけなくなるから。インプは信用できるけど、ピクシーはまだ信用できないんだけど。魔力を半分以上吸うのを我慢できない?キルヒアイス?〉
〈やった事ないけど何とかやってみる!〉と世界樹の種キルヒアイス。
「さあ!ドラゴンさん!受け入れるいしを持ってください!」とドラゴンスレイヤーになれる事を無茶苦茶よろこんでいたフェアリーのロロが、ドラゴンさんに何か言っている。
「ちょっと待った!何しようとしてるの?」
「あたしとドラゴンさんの方向と距離とおおざっぱにどんな感情を感じているかと声に出さずに遠くでもしゃべれる能力と送りたい視覚情報を選んで送れる魔法を、習得しようと思って!」とフェアリーのロロが輝く笑顔で言ってくる。
「え? きみはドラゴンスレイヤーになれるって喜んでた子だよね? なんでそんな魔法を習得する必要があるの? ああ!監視? ドラゴンさんがフェアリーをおそいそうになったら、とどめを刺すんだ?」
「いつの話をしてるの? 時代は変わり続けているのよ! ドラゴンスレイヤーなんてもう古い! 今は竜使いの時代よ!」とフェアリーのロロ。
「え?ドラゴンさんを洗脳するの?」
「そんな事しないわよ! アルヴィンが使ってる魔法をお手本にして、あたしのマナからあたしとドラゴンさんの感情とか感知できるようにするだけよ!」とフェアリーのロロ。
「ああ~~。便利そうな魔法に見えるかもしれないけど。お互いの感情に影響されあう、ちょっと問題のある魔法なんだよ? ドラゴンさんの感情とつながったら、凶暴になってケンカっぱやくなるかもしれないよ?」
「いやいや、ドラゴンよりもフェアリーの方が凶暴だぞ?」とドラゴンさん。
「そうですね~~~。ほかのドラゴンは分からないけど、ドラゴンさんは理性的ですね~~~」
「なら大丈夫ね!」とフェアリーのロロ。
「いやいや、ドラゴンさんにもことわる権利が」
「そんな権利あるわけないじゃない! 魔力が回復したとたん襲い掛かってくるかもしれない、凶暴なモンスターなんだから! 魔法で心の中まで監視しないと!」とフェアリーのロロ。
「なるほど……ドラゴンスレイヤーになるにしても、犠牲は少なくしたいと……。ドラゴンさん!そう言うわけで、このフェアリーの監視を受け入れてください」
「仕方ないか、少しケンカっぱやくなるぐらい我慢するか」
「方向と距離とおおざっぱにどんな感情を感じているかと声に出さずに遠くでもしゃべれる能力と送りたい視覚情報を選んで送れる能力をあたしのマナから、あたしロロとドラゴンさんのそれぞれに魔法として習得させます! 受け入れるいしを持ってイメージしてください!」と言いながらフェアリーのロロがレッドドラゴンさんの全身に魔力を満たす。
「心の準備はできたぞ……」とレッドドラゴンさんが死刑宣告を受けたような声で準備完了を報告してきた。
「ではいきます!……。魔法習得成功!」フェアリーのロロが嬉しそうに報告する。
「こっちも習得できているぞ。まあ、今は魔力不足で魔法が使えぬが」とレッドドラゴンさんが気の進まなさそうな声で言う。
「魔法使ってみるね!」とフェアリーのロロの身体がぼんやり光る。
「………………」しばし見つめあうフェアリーのロロとレッドドラゴンさん。
「この場所ってドラゴンさんたちの憩いの場所になってて、エマちゃんは見張り番なんだって!」とフェアリーのロロ。
「エマちゃんって誰?レッドドラゴンさんの事?」
「そうそう!」とフェアリーのロロ。
「ドラゴンさんたちの憩いの場所って事は、これから夜になるしたくさんのドラゴンが戻ってくるって事?」
「それは大丈夫!しばらく使っていい当番なんだって!」とフェアリーのロロ。
「そうなんだ? それより!片方しか魔法が使えない状態で、意思の疎通が出来たんだ?」
「そうだけど、なんで?」とフェアリーのロロ。
「いや、両方共で魔法を使い続けないといけないと思ってたから。ちょっと意思疎通の魔法使うの止めてみるから、フィリオーネ話しかけて」
〈アルヴィン!聞こえていたら逆立ちして足の裏で拍手してみて!〉とフィリオーネ。
〈ちょっと!そんな事するわけないじゃん!〉
〈あれ?返事がない?聞こえてないのかしら?〉とフィリオーネ。
魔力の層を8層(限界の魔力の層をまとおうとして今8層まとえるようになった)まとい、前世で補助なしではできなかった逆立ちをし足の裏でやけくそ気味に拍手をする。
〈フィリオーネ!やったよ! 聞こえてるの!〉
〈聞こえてるわよ? 逆立ちして足の裏で拍手、出来たじゃない!〉
〈じゃあ今度は、キルヒアイス!〉
〈急にぼくに振られても……やってもらうこと思いつかない……〉
〈いいよ?思いつかなくて。どちらかが魔法を使っていれば、話せるんだね!〉
〈そうみたいね〉とフィリオーネ。
〈そう言えばキルヒアイスを収納魔法で収納した状態で、魔法で話せるか確認しとかないと。いい?キルヒアイス?〉
〈いいよ?〉
身体を光らせる事もなく、世界樹の種キルヒアイスを収納する。
〈まずはこっちで意思疎通の魔法を使わないでと。キルヒアイス!聞こえる?〉
〈聞こえるよ?〉
〈じゃあしばらく収納魔法の中入ってて!〉
〈いいけど、外の様子が分からない〉
〈そうなんだ? 収納魔法の中ってどんな感じ?〉
〈フワフワしてる〉
〈そうなんだ?〉
そんな事を話している内に辺りは暗くなってきた。
レッドドラゴンのエマさんの周りにはドラゴンを警戒する事をやめた、警戒心の薄い妖精たちが数百匹飛び回っていた。
残りの妖精たちはドラゴンの見える遠くの木の陰とかに、バラバラにひそんで警戒している。
ぼくは警戒心の薄いフェアリーが無数に立てたパステルカラーのテントの一つに入って、休む事にした。
睡眠がいらなくなる魔法をといてなぜか置いてあった赤ちゃん用のベッドで横になると、どろのように眠りについた。
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「妖精使いアルヴィン」は妖精たちが大活躍する物語ですが、さすがに第1話から活躍はさせてあげられませんでした。
第3話の最初の戦闘で、どのように活躍するのかのおおざっぱな方向性を。
第8話で、一般的なフェアリーと言う種族のしょうがない可愛さを。
第15話で、飛び回る妖精たちの可能性を。
第18話第19話で、フェアリーの木の種のシャレにならないやばさを。
第20話で、フェアリーたちの純粋さを。
第25話で、妖精の集団によるとびぬけた大物狩りを。
第26話で、ピクシーとインプの秘密を。
第28話で、強すぎる英雄狩りの脅威の基本能力を。
第33話で、フェアリーたちの大活躍を。
第35話で、英雄化した者たちの「世界がバランスをたもとうとする」新たな縁の注意点を。
読んで妖精たちのファンになってくださると、僕もアルヴィンもよろこびます!
第35話で1巻想定分ですが、応援されれば果てしなく続きます!
僕に「妖精使いアルヴィン」を書かせてください!
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