第24話 横領罪《おうりょうざい》と世界樹の種キルヒアイス
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面白い事しか書かないつもりで書いた、妖精たちを活躍させる設定もりだくさん!
妖精たちの可愛さを愛でるほのぼの展開!
妖精たちの可愛い性格からくるコメディ!
フェアリーピクシーインプ主力みんな美少女!
異世界転生したばかりの赤ちゃんと妖精たちが大活躍!
オタク趣味の魔法を使う男主人公赤ちゃん!
凄すぎる英雄基本能力!
妖精たちが主戦力!
新たなジャンル、コミカルメルヘンファンタジー!
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フィリオーネに吊り下げられて飛ぶこと南門まで1時間、街道に出てさらに2時間30分の場所で、フロレーテが「みんな!止まって~~」と声をかけた。
フィリオーネに吊り下げられて飛んでいたぼくも、フロレーテの横に下される。
妖精たちの中心で妖精たちが見ている中フロレーテは、身体をピカッと光らせて世界樹の樹液の大ビン(1.2キログラム入り)を取り出し「うぐ、うぐ、うぐ」と一気飲みを始めた。
「ちょ~っと! フロレーテ!やめて!」
「なあに?」とフロレーテ、口の周りを世界樹の樹液でベトベトにしている。
「横領罪! それ横領だから!」
「横領って?」とフロレーテ。
「みんなで集めた世界樹の種を世界樹に成長させるのに使う世界樹の樹液、勝手に飲んだら横領だから!」
「こんなこったろうと思ったよ!」とピクシーの1匹。
「フェアリーに世界樹を育てるなんて大役、あるはずないもんね!」と別のピクシーの1匹。
「やっぱりフェアリーは害虫ね!」と別のピクシーの1匹。
「ああ!勘違いしてるのね! これが!フェアリーの秘術よ!」とフロレーテ。
「フェアリーの秘術? ただ世界樹の樹液を一気飲みしただけじゃないの?」
「世界樹の樹液は大量に飲むと、世界樹や世界樹の種とかすかに意思疎通が出来るようになるのよ!」とフロレーテ。
「それがフェアリーの秘術? ほかの種族でもできるんじゃ?」
「世界樹の樹液を大量に飲むって言ったでしょ! 自分の体重の何倍も何十倍も世界樹の樹液を飲めるのは、フェアリーだけよ!」とフロレーテ。
「そうなの?って言うか体重の何倍も何十倍もの世界樹の樹液なんて、どうして飲めるの?」
「魔力は存在の力! 存在の力と言う事は、強く思い込めば、なんだって可能になると言う事よ!」とフロレーテ。
「なんだって!それが本当だったら世界が危ない!」
「大丈夫よ!強い存在の力を、たった1匹が持ってるわけじゃないから! 世界中の存在の力がバランスを取っているからね! でもその枠からはみ出し始めているのが英雄。そしてもっと理不尽にはみ出したのが神よ!」とフロレーテ。
「じゃあフェアリーたちは、英雄なんだ?」
「残念ながら、世界にとって初めての事の方が英雄になりやすいって法則があるの。英雄がやってる事にしか見えなくても、フェアリーにとっては普通の事だから! フェアリーが創造神につくられたばかりのころは、世界樹の樹液をたくさん飲むだけで英雄になってたのかもしれないけどね!」とフロレーテ。
「世界樹の樹液を大量に飲むと、世界樹や世界樹の種とかすかに意思疎通が出来るようになる? フィリオーネとリリオーネ、知ってた?」
「世界樹のそばで世界樹の樹液をたくさん飲むと、“大きいドングリを探せ!”とか“ドングリを運べ!”とか“ドングリを植えろ!”とか幻聴が聞こえる事なら知ってるよ!」とフィリオーネ。
「あたしも~」とリリオーネ。
「それだけ聞くとやばい薬みたいだけど……。試しにフィリオーネの持ってる一番大きいドングリをぼくに持たせて、フィリオーネとリリオーネで世界樹の樹液大量に飲んでみてくれないかな?」
「「いいよ!」」とフィリオーネとリリオーネ。
「じゃあ、フロレーテ!世界樹の樹液のビン出して!」
「それはいいけど、なんでフィリオーネとリリオーネに飲ませるの?」とフロレーテ。
「ぼくとフィリオーネとリリオーネは心と心で意思疎通が出来るようになる魔法でつながっているから、他のフェアリーより確認がしやすいんだよ!」
「そうなんだ……」と言いながらフロレーテが、世界樹の樹液の大ビン(1.2キログラム)をフィリオーネとリリオーネの前にそれぞれ1個ずつ置く。
「「「うぐ、うぐ、うぐ」」」とフロレーテとフィリオーネとリリオーネが、世界樹の樹液の大ビンを一気飲みする。
〈こ……が……〉
「フィリオーネとリリオーネの方から何か聞こえた! ぼくは世界樹の樹液飲んでないのに!もっと飲んでみて!」
フロレーテが、フロレーテとフィリオーネとリリオーネの前に2個目の世界樹の樹液の大ビン(1.2キログラム)を置く。
「「「うぐ、うぐ、うぐ」」」とフロレーテとフィリオーネとリリオーネが、2個目の世界樹の樹液の大ビンを一気飲みする。
〈ここ……ちが……〉
「え? ここちがうの? ちょっとよく聞き取れないから、世界樹の樹液の大ビン(1.2キログラム)3個目に行って!」
フロレーテが、フロレーテとフィリオーネとリリオーネの前に3個目の世界樹の樹液の大ビンを置く。
「「「うぐ、うぐ、うぐ」」」とフロレーテとフィリオーネとリリオーネが、3個目の世界樹の樹液の大ビンを一気飲みする。
〈ここちがう、もっといいばしょ、ちかくに……〉
「聞こえた! 聞こえたけど場所移動するたびに世界樹の樹液の大ビンを9個消費するのは無駄だから、ぼくとフィリオーネとリリオーネが使っている“おたがいの方向と距離とおおざっぱにどんな感情を感じているかと声に出さずに遠くでもしゃべれるようになる魔法”をぼくのマナから出して世界樹の種さんに習得してほしいんだけどいいかな?」
〈いいよ……〉
「あ!そうだ! 地図も確認してもらわないといけないから、おくりたい視覚情報を送れる機能もつけなくちゃ! いいかな?」
〈いいよ……〉
「その魔法あたしも参加したいんだけど……。世界樹の樹液なら、フェアリーで一番たくさん飲めるわ!」とフロレーテ。
「うん……。まあ、いいかな? じゃあ参加するのは、ぼくとフィリオーネとリリオーネと世界樹の種さんとフロレーテって事でいいかな?」
〈いいよ……〉
「ぼく今魔力の層を7層しかまとえなくてぼくのマナから出してみんなに魔法取得してもらうには、みんなにも魔力の層を7層に合わせてもらって受け入れる意思を持ってもらわなくちゃいけないんだけど」
〈ぎゃくにむずかしい……〉
「逆に? 魔力の層を7層にするのが難しいの?」
〈うん……からだじゅう、じゅうようきかんだらけ……〉
「じゃあ、ぼくが魔法を習得させるのは難しいか……」
〈だいじょうぶ、なんとかする……〉と世界樹の種が言った瞬間、世界樹の種が表面にまとっている魔力の層が7層になった。
魔力とマナと幸運さを見れる魔法を使っていたのだがいきなり世界樹の種の存在の質が変わった、ぼくが見える範囲でぼくと同じぐらいの魔力量・ぼくの一万分の一以下のマナ量・ぼくの百倍ぐらいの幸運さぐらいしか感じないにもかかわらず圧倒的な格上に感じる。
「それって重要機関にまとっている魔力の層を、減らしたって事?」
〈そう……〉
「じゃあまずは全員魔力の層を7層まとって試します! 僕の手と世界樹の種に手をのせて受け入れるいしを持ってください!」
「「「は~い」」」フィリオーネとリリオーネとフロレーテの声がそろう。
〈はい……できた……〉遅れて世界樹の種も返事をする。
「方向と距離とおおざっぱにどんな感情を感じているかと声に出さずに遠くでもしゃべれる能力と送りたい視覚情報を選んで送れる能力をぼくのマナから、アルヴィンとフィリオーネとリリオーネと世界樹の種さんとフロレーテの5人それぞれに魔法として習得させます! みなさん!受け入れるいしを持ってイメージしてください!」世界樹の種とフィリオーネとリリオーネとフロレーテの全身に魔力を満たす。
「準備出来たわよ!」とフィリオーネ。
「こっちも!」とリリオーネ。
「こっちも大丈夫!」とフロレーテ。
〈じゅんびできた……〉と世界樹の種。
「ではいきます!」5人共にマナを行き渡らせる。
「魔法習得成功! みんなは?」
「「「習得できてるよ!」」」とフィリオーネとリリオーネとフロレーテ。
「世界樹の種さんは?」
〈さっそくつかってみる……〉と世界樹の種。
「それもそうだね。じゃあみんな!魔法発動!」
〈もしもし世界樹の種さん、聞こえますか?〉
〈もしもしって、なに?〉と世界樹の種。
〈もしもしと言うのは、ぼくの世界の風習で……〉
〈そうなの?〉と世界樹の種。
〈あれ? 世界樹の種さんの声が、まだ遠い? ぼくだけ? みんなは?〉
〈世界樹の種の声だけ、まだ遠いよ!〉とフィリオーネ。
〈〈こっちも、世界樹の種の声だけ遠い〉〉とリリオーネとフロレーテ。
〈たぶんほかのせかいにもからだがあるかんけいで、ちゃんねるがあわせづらい……〉と世界樹の種。
〈ほかの世界って?〉
〈せかいじゅになるとこんとんかいからみぶんかのえねるぎーをすいあげて、このせかいのいきものがつかえるまなをつくる……〉と世界樹の種。
〈混沌界ってそう言う世界なんだ。じゃあ声が遠いのはそのまま?〉
〈ぼくになまえをつけるときずながきょうかされる、とおもう〉と世界樹の種。
〈じゃあ、キルヒアイスなんてどうかな? 親友と言えばキルヒアイス!って感じの名前なんだけど〉
〈親友! キルヒアイス! いい響き!〉と世界樹の種、キルヒアイス。
〈声近くなったね! 名前も気に入ってもらえたようでよかった! あと身体がぼんやり光るようになるのは、この魔法の仕様だから。じゃあ移動しようか、今地図のこの辺なんだけど〉地図の現在位置を指さしながら、視覚情報をキルヒアイスに送る。
〈そこに6か所のダンジョンに囲まれた魔の森があるでしょ? そこの中心が今は魔力の道がないけど、ぼくが発芽の魔法を使えば6か所から魔力が流れ込んでくるようになる一番いい場所〉とキルヒアイス。
〈魔の森? 入って大丈夫なの?〉
〈さあ?〉とキルヒアイス。
〈フェアリーって森の一番大きい木の上のさらに上を、安全のために飛ぶとかって出来る?〉
〈〈〈出来るよ!〉〉〉とフィリオーネとリリオーネとフロレーテ。
「今から魔の森に入って、世界樹の種の発芽に最適な場所に向かいます! 森の一番大きい木のさらに上を、安全のために飛ぼうと思います! みなさんはぼくを中心に飛んで、攻撃してくる敵の排除をお願いします!」妖精たちに声が届くように、声をふりしぼる。
「(中略3千5百匹以上)「は~~い」(中略3千5百匹以上)」おもにフェアリーたちが返事をする。
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「妖精使いアルヴィン」は妖精たちが大活躍する物語ですが、さすがに第1話から活躍はさせてあげられませんでした。
第3話の最初の戦闘で、どのように活躍するのかのおおざっぱな方向性を。
第8話で、一般的なフェアリーと言う種族のしょうがない可愛さを。
第15話で、飛び回る妖精たちの可能性を。
第18話第19話で、フェアリーの木の種のシャレにならないやばさを。
第20話で、フェアリーたちの純粋さを。
第25話で、妖精の集団によるとびぬけた大物狩りを。
第26話で、ピクシーとインプの秘密を。
第28話で、強すぎる英雄狩りの脅威の基本能力を。
第33話で、フェアリーたちの大活躍を。
第35話で、英雄化した者たちの「世界がバランスをたもとうとする」新たな縁の注意点を。
読んで妖精たちのファンになってくださると、僕もアルヴィンもよろこびます!
第35話で1巻想定分ですが、応援されれば果てしなく続きます!
僕に「妖精使いアルヴィン」を書かせてください!
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