第23話 推定3千7百6匹
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面白い事しか書かないつもりで書いた、妖精たちを活躍させる設定もりだくさん!
妖精たちの可愛さを愛でるほのぼの展開!
妖精たちの可愛い性格からくるコメディ!
フェアリーピクシーインプ主力みんな美少女!
異世界転生したばかりの赤ちゃんと妖精たちが大活躍!
オタク趣味の魔法を使う男主人公赤ちゃん!
凄すぎる英雄基本能力!
妖精たちが主戦力!
新たなジャンル、コミカルメルヘンファンタジー!
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フェアリーの木の外に出ると、フィリオーネがすぐに転移魔法の直径50センチの光の球を地上2メートルの位置に浮かべた。
「じゃあみんな!世界樹に行くよ!」と言って光の球に飛んで入る。
光の球から出ると真っ暗闇の森の中だった、ぼくがぼんやり光っている影響で視界は一応確保されている。
待っていると光の球から次々とフェアリーたちとインプたちとピクシーたちが出てきて、周囲を魔法で明るくしていった。
さらに待つとフィリオーネが光の球から出てきて、光の球を消した。
「アルヴィン!世界樹の影響範囲の森の迷宮に人間がいるかもしれないから、羽しまって! よつんばいになって!」とフィリオーネが指示を出す。
ぼくはその指示に従って身体をピカッと光らせて羽をしまい、もう一度身体をピカッと光らせてフィリオーネが持つ用の取っ手が背中に付いた服を出し、よつんばいになる。
「準備できたよ!フィリオーネ!」
「じゃあ!出発!」と言ってフィリオーネがぼくをつり下げて飛び始める。
飛んで2時間30分で、世界樹の下に着いた。
今回はモンスターを避ける事なく出来るだけまっすぐに飛んできた結果、前回より早く着いたようだ。
先行部隊がかなり先に行っていたのか、マナチップの飛んでくる“チャリンチャリン”と言う音も聞こえないぐらいだった。
「じゃあ世界樹の樹液を集める前にビンを洗うから、フロレーテ!ビン出して!」
「はいどうぞ!」フロレーテが地面にビンを並べる。
いつものように身体中に魔力とマナの全部を行き渡らせて、“ビンの洗浄の魔法”と“ビンのフタの洗浄の魔法”をそれぞれつくり、小さいビンから洗ってフェアリーたちに渡していく。
「ビンを順番に洗っているから洗い終わったビンを受け取って、世界樹の樹液を集めてきてね!」とぼくが言うとフロレーテが「硬くなった古い樹液はダメよ!流れてくるぐらいの、トロットロの新しい樹液を集めてくるのよ!」と言葉を付け足す。
結構素早くビンとビンのフタを洗浄してフェアリーたちに渡していたのだが312個目のビンを洗浄しているときに、50グラムぐらい入る小ビンを世界樹の樹液でいっぱいにした最初のフェアリーが戻ってきた。
いそいで1.2キログラムぐらい入る大ビンを洗浄してフロレーテに渡し“世界樹の樹液をビンからビンにきれいに移し替える魔法”をつくって、小ビンから大ビンに世界樹の樹液を移し替える。
そんな感じに、ビンを洗浄したり小ビンから大ビンに世界樹の樹液を移し替えたりしていると「あなたが妖精使いアルヴィン? ちょっと人間が近寄ってこないように仲間が見張ってるから、羽を出して見せてくれない?」と言ってくるフェアリーたちがいた。
「いいよ!はいどうぞ!」身体をピカッと光らせて服を消し、もう一度身体をピカッと光らせて羽を出す。
フェアリーたちはぼくの背中側で、ぼくの羽をじっくり見る。
「確かにフェアリーの羽ね!いいわ!お姉さまになってあげる!」とフェアリーの1匹。
「いやぼくはフェアリーじゃなくて、人間なんだけど……」
「わあ~!本当に言った! 分かってるわよ!フェアリーより人間の方が信用されるものね!友達として使役してるだけなのよね! 分かってるから!まかせなさい! 今はパーティー用の世界樹の樹液を集めてる所なのよね! 集めてくるから小ビンをちょうだい!」と別のフェアリーの1匹。
「いやパーティー用ではなくて、世界樹の種を世界樹にするのに必要なんだけどね。硬くなった古い樹液はダメで、流れてくるぐらいのトロットロの新しい樹液を集めてきてほしいんだけど。お願いできるかな?フェアリーの木を切り倒されないように、フェアリーが役に立つ事を証明しないといけないんだ! あとピクシーたちにもフェアリーは必要な種族だと証明しないといけないんだけど、こっちは見学してもらえば解決しそうだからあんまり気にしなくていいよ!今この近くのフェアリーの木を占拠してるけどね!」
「そうなの?思ったよりも責任重大だわ!」とフェアリーの1匹。
そんな感じで6時間、小ビンを3605個渡してしばらくした所で大ビン200個がいっぱいになった。
大ビン200個がいっぱいになった所で帰ろうとしたのだが、フェアリーたちの強い希望で残りの小ビンも配って小ビンも世界樹の樹液でいっぱいにする事になった。
そんな感じでさらに2時間後集まった4千個の小ビンの中で良さそうなのを1個えらんで「達筆なインプのタンポポ!近くにいる?」と声を張り上げる。
「いるわよ!あたいの出番が来たようね! なに?大ビン200個と小ビン4千個にラベルつけるの?」とやる気満々でインプのタンポポが聞いてくる。
「いや取りあえず小ビン1個に書いてほしいんだけど、ラベルのシール買ってくるの忘れちゃってビンに直接書けるかな?」
「書けるよ!あたい今までいろんなところに書いてきたから! それで、なんて書くの?」
「フロレーテ迷宮の世界樹の樹液、良質品。って書いて」
「わかった!まかせて! はい!」小ビンを持ったタンポポが身体をピカッと光らせると、小ビンに文字がプリントされていた。
小ビンを受け取って確認する、“妖精使いアルヴィン印の高級世界樹の樹液・産地フロレーテ迷宮の世界樹。ラベル代理執筆インプのタンポポ”と達筆で書いてある。
「これだとぼく、自己顕示欲の塊みたいじゃん!」
「魔力は存在の力って言うのは、誰かから聞いた事ある?」
「フィリオーネから聞いた事あるよ!だけどぼくは、普通の赤ちゃんを目指してるから!」
「まあまあ魔力はあって困るものでもないから! 英雄になるとしょっちゅう事件に巡り合って困る事もあるらしいけど」
「え?ぼくフェアリー関連の事でいろいろ巻き込まれてるんだけど、英雄って言うのにいつの間にかなってるって事はない?」
「存在の力が英雄になってたら、すぐにわかるらしいよ。あ!でも英雄になった人が、英雄になる前から事件に巻き込まれて解決してきたって話は聞いた事がある。英雄は運命や時間さえねじ曲げて、自分の存在の力を強化するって言うから。未来で英雄になったアルヴィンが、過去の存在の力を強化した結果かもね!」
「なんてこった……。まあ世界樹の樹液のビンはこれでいいか……。フロレーテ!残りの世界樹の樹液のビンはフロレーテがまとめて持ってて!」
「は~~い。しまったわよ!」
「じゃあ次はケサランパサラン魔法王国の中に、世界樹の種を植える場所探しに行くよ! まずはぼくの家のフェアリーの木の前まで行くから、迷宮から出て転移魔法を使う場所を探すよ! フィリオーネ!よろしく!」と言って服をフィリオーネが持つときの取っ手付きにして、よつんばいになる。
2時間30分で世界樹の影響範囲の迷宮から出る事ができた、迷宮から出る少し前から空が明るくなっていた。
フィリオーネがぼくを地上に下した所ですぐに、背中に取っ手の付いた服を消しお母様に着せられた服に着替え装備品を含めた全身クリーニングの魔法を使い休憩をする。
休憩をしているとフェアリーたちが集まってきたので、フィリオーネが転移魔法の直径50センチの光の球を地上2メートルの位置に浮かべる。
「フィリオーネ!先に行くね!」と言って、地上2メートルの位置にある直径50センチの光の球にジャンプして飛び込む。
光の球から出ると、家の中庭にあるフェアリーの木の前だった。
「アルヴィン!帰ったか!」と言う声をすぐにかけられたので、振り向いて声をかけてきた相手を探す。
「ハリーおじい様!起きてたんですね。実はフェアリーたちの数が増えてしまいまして」
「何匹ぐらいになったんだ?」
「おそらくフェアリーが3千5百匹ほど、ピクシーが2百匹ほど、インプが6匹ほどではないかと……」
「そうか……」
「それはそうと国内の地図をもらえますか、ダンジョンの位置もわかるやつで」
「用意してある」ハリーおじい様が地図を取り出す。
「あれ? 町の数よりも、ダンジョンの数のほうが多いですね」
「ああ、秘境にあったり小さかったりするダンジョンはなかなか開発されないんだ。全部のダンジョンを、迷宮都市にしたいらしいがな」
「フロレーテ!近くにいる?近くにいたらこっちに来て!」声を張り上げてフロレーテを呼ぶ。
「なあに?」フロレーテが飛んできて聞いてくる。
「世界樹の種を植える場所なんだけど……」
「この街のダンジョンとこの街の南のダンジョンが大きいみたいだから、ここの街道の真ん中がいいんじゃないかな?」とフロレーテが地図の街道の真ん中を指さしながら言う。
「ダンジョンとダンジョンの間の魔力の道に植えるとなると、どうしても街道の真ん中になるのかな~」
「そうね、最短距離だしね。あとは現地に着いてからかな?」とフロレーテ。
話している間にフィリオーネが転移魔法の光の球から出て光の球を消し、こちらに飛んできた。
「じゃあ出発しようか!」
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「妖精使いアルヴィン」は妖精たちが大活躍する物語ですが、さすがに第1話から活躍はさせてあげられませんでした。
第3話の最初の戦闘で、どのように活躍するのかのおおざっぱな方向性を。
第8話で、一般的なフェアリーと言う種族のしょうがない可愛さを。
第15話で、飛び回る妖精たちの可能性を。
第18話第19話で、フェアリーの木の種のシャレにならないやばさを。
第20話で、フェアリーたちの純粋さを。
第25話で、妖精の集団によるとびぬけた大物狩りを。
第26話で、ピクシーとインプの秘密を。
第28話で、強すぎる英雄狩りの脅威の基本能力を。
第33話で、フェアリーたちの大活躍を。
第35話で、英雄化した者たちの「世界がバランスをたもとうとする」新たな縁の注意点を。
読んで妖精たちのファンになってくださると、僕もアルヴィンもよろこびます!
第35話で1巻想定分ですが、応援されれば果てしなく続きます!
僕に「妖精使いアルヴィン」を書かせてください!
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