第19話 毎年推定1万匹のフェアリーの生まれるフェアリーの木と黙秘権
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面白い事しか書かないつもりで書いた、妖精たちを活躍させる設定もりだくさん!
妖精たちの可愛さを愛でるほのぼの展開!
妖精たちの可愛い性格からくるコメディ!
フェアリーピクシーインプ主力みんな美少女!
異世界転生したばかりの赤ちゃんと妖精たちが大活躍!
オタク趣味の魔法を使う男主人公赤ちゃん!
凄すぎる英雄基本能力!
妖精たちが主戦力!
新たなジャンル、コミカルメルヘンファンタジー!
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光の球から出ると僕の家の中庭だった、一足先に家族にフェアリーたちの事を報告しようと家のほうに歩いていくと。
「敵襲!敵襲!全員起きろ!敵襲だ!」と大さわぎになっている所だった。
「敵襲って!ぼくたちの事じゃないよね!」と言って家の中に向かって声をかける。
「おお!アルヴィン帰ったか! 突然中庭に軍隊の反応が出てな!」とハリーおじい様がかけよってくる。
「それ!たぶん妖精たち! 百匹以上いるから!」
「百匹? いやそんな数じゃないぞ、これは千人規模の軍隊だ!」とハリーおじい様が断言する。
「いやごめん! 少なく言っちゃった! 最大で千匹来るかもしれないけど、たぶん軍隊じゃなく妖精! ほら!近くにフェアリーたちが飛んでるでしょ!」
「こんなにたくさんのフェアリー、どうしたんだ?」とハリーおじい様が聞いてくる。
「友達になったんだよ? 大きい世界樹の種を見せてもらっていたら、世界樹の種を世界樹にするにはたくさんのフェアリーとたくさんの世界樹の樹液がいるらしくてね。王様に話して、世界樹の樹液を入れるビンを用意してもらおうかと。あとフェアリーの秘術を使うって主張するフェアリーを連れてきたんだよ?」
「そうか! まずはフェアリー以外の侵入者がいないか確認してから、王宮に連絡をしなくてはな!」とハリーおじい様が家族と使用人たちを集めだした。
「あ! インプも6匹いるから!駆除しないでね!」
1分後。
「アルヴィン!ちょっと中庭に来なさい!」と言ってソフィアお母様が呼びに来た。
「何でしょうお母様?」と言ってまだ真っ暗な中庭に出るとフェアリーたちが飛び回る中に、フェアリーの木のような大木(樹高25メートル胸高周囲16メートル)が中庭の真ん中に生えていた。
よく観察すると、フェアリーたちが出入りしている。
「アルヴィン!アルヴィン!大ニュースよ! このフェアリーの木、インプも入っていいって! 仲間の拠点だからいいって!」とインプたちが報告してくれる。
「そう……よかったね……」ぼくが、しかられる前の暗い気分で返事をすると。
「アルヴィン!ひどいよ! 喜んでくれないの?」とインプたち。
「喜んであげたいけどフロレーテが僕の許可を取らずにフェアリーの木を生やした監督責任で、今からお母様にしかられる所なんだよ。フロレーテを探して連れてきてくれる?」
「フロレーテって、フェアリーの木を生やしたフェアリーだよね? 分かった!探してくる!」とインプたちがバラバラに飛んでいく。
「アルヴィン!中庭は訓練で使うから真ん中にこんな大木があったら、邪魔になるのはわかるわね! この木をどかしなさい!」とソフィアお母様が怒りながら言った。
「フロレーテに聞いてみないと分からないけど、たぶん無理なんじゃないかな」と言って世界樹ほどではないが、樹高25メートル胸高周囲16メートルと言う屋久島の縄文杉より少し小さいぐらいのそれでも巨大なフェアリーの木を見上げる。
「じゃあ、切り倒しなさい!」とソフィアお母様が無茶を言う。
「フェアリーの木を生やすにはフェアリーの木の中で100年に一度見つかると言われているフェアリーの木の種がいるから、簡単には切り倒せないんだよ? それにフェアリーの木にはフェアリーを収納する機能があるんだよ?」
「……」とソフィアお母様。
「アルヴィン!呼んだ?」とフロレーテが飛んでくる。
「フロレーテ、きみ!フェアリーの木生やした?」
「生やしたわよ? それがなに?」
「生やしていいか、先に許可取って!」
「許可取るのはいいけど、フェアリーの木生やしていいか聞いたら許可出たの?」
「それは多分出ないけど……」
「やっぱりそうじゃない! あたしは面倒を避けただけよ!」フロレーテが力説する。
「それでも先に許可取って! モノによっては、一緒に頼んであげるから! それはそうとこの木って動かせるかな?」
「動かせないわよ! 動かせるわけないじゃない!」とフロレーテ。
「そりゃそうだよね。中庭で訓練するときに邪魔って言う、意見が出てたもんだから……」
「いつも周りに何もない所で戦えるわけじゃないんだから、このまま訓練すればいいのよ! 分かってないわね~」とフロレーテが妙に得意げに話す。
「それは、勝手にフェアリーの木を生やしたフェアリーのセリフではないね! これから家の人と王様にごめんなさいして、フェアリーの木を切らないでくださいって頼む仕事が待ってるよ!」
「そうねフェアリーの木を切られたら困るわね、あたしも一緒に頼んであげるわ!」とフロレーテ、ひとごとみたいに言う。
「……」
「お~い! 妖精以外の侵入者はいなかったぞ!」とハリーおじい様が走ってくる、まあおじい様と言っても40才ぐらいだが。
「あの~。このフェアリーの木なんですけど……」
「ああ、この巨木。世界樹ではなく、フェアリーの木って言うのか」とハリーおじい様がフェアリーの木を見上げながらつぶやく。
「世界樹はもっと雲を突き抜けて伸びてて、幹の太さは王宮の周りぐらいの太さがありますよ」
「世界樹の中には空間魔法で迷宮が広がっていると聞いたが、一応大きいのだな」とハリーおじい様。
「ええ? 世界樹の中にも迷宮があるんですか? 世界樹の外の迷宮の森だけじゃなく?」
「世界樹の中が迷宮の本番だぞ! 世界樹は攻略している種族が多くてわいてくるモンスターはあまりいないが、世界樹の中ではゴーレムやガーゴイルやキメラやアンデッドなどがわいてくるんだ! 攻略者としてゴーレムやガーゴイルやキメラやアンデッドを連れて行ってもわくんだぞ!」とハリーおじい様。
「人間に作られたものは、種族と認めないって事ですかね。いや今は世界樹の事ではなくフェアリーの木の事なんですけど、切らないでほしいんです」
「ああ、分かった」とハリーおじい様。
「いいんですか?」
「フェアリーが中に住み着いているんだろ? ほかに何か問題があるのか?」とハリーおじい様。
「実は、フェアリーはフェアリーの木に実として生るらしくって生まれたフェアリーが1年間生き残る確率が千分の一と言う事とフェアリーの木にいたフェアリーの数を考えると、毎年1万匹ぐらいのフェアリーが生まれるのではないかと……」
「何! 1万匹が、毎年だと! それは、王様から許可が出ないだろうな」とハリーおじい様。
「実はフェアリーは、何の役にも立たない害虫ってわけでもないんです。フェアリーは世界樹になる種を探して集めて運んで育てる種族として、創造神に作られた種族と言われているらしいんです」
「それはフェアリーが言ったこと何だろ? ドングリを集める習性をかっこよく言う言い方を、フェアリーが考えた結果では?」とハリーおじい様。
「ぼくも同じ事を言ったんですけど、実際に世界樹を育てたと主張するフェアリーがいたんです。ここにいるフロレーテ何ですけど……」
「ただの主張じゃなくって事実よ! フロレーテ迷宮って聞いた事があるでしょ!」と自信満々にフロレーテが主張する。
「フロレーテ迷宮なんて聞いた事がないが?」とハリーおじい様。
「一番近くの世界樹じゃないのかもしれません、ちょっと遠くの世界樹でフロレーテ迷宮って名前が付いてる所知りませんか?」
「いや、聞いた事がない」とハリーおじい様がメモを取る。
「世界樹を育てるには、たくさんのフェアリーとたくさんの世界樹の樹液とフェアリーの秘術がいるらしいんです」
「たくさんのフェアリーは分かったが、世界樹の樹液なんてどうやってたくさん集めるんだ?」とハリーおじい様。
「世界樹の周りの高さ制限まで飛んで、フェアリーなら簡単に使える服を出す魔法の応用でのびちぢみ自在のひもを枝に引っ掛けて登っていくそうです。上ではフェアリーが群がるぐらい、樹液が出ているようです」
「錬金術の素材である世界樹の樹液を大量に集める事ができるだけでも、フェアリーには価値があるな。それでフェアリーの秘術とは?」とハリーおじい様が聞いてくる。
「それはまだ教えてくれないんです。フィリオーネのドングリが世界樹になるらしいんですけど」
「無事に見つかったんだな、世界樹の種」とハリーおじい様。
「いえ、結局もともと持ってたのが1番大きかったんですけど、ぼくが困るだろうと提供してくれる事になりました」
「分かった! 王宮に報告しておく!」とハリーおじい様。
「あと世界樹の樹液を入れる大きめのビンと世界樹の樹液を集める時に使う小さいビンもくださいって言っておいてください。フロレーテ!どのぐらい世界樹の樹液っているの?」
「ハチミツの大ビンぐらいの大きさを100とジャムの小ビンぐらいの2千ね!」とフロレーテ。
「小ビン2千? なんで?」
「世界樹にいるフェアリーの分よ!」とフロレーテ。
「え? そんなにいるの?」
「さあ? 前の時は、違う世界樹だったから分からないわ!」とフロレーテ。
「そう言う事らしいです」
「分かった。王宮に報告しておく」とハリーおじい様がメモを取って言う。
「じゃあもう寝ようかな?」
「あと1時間か2時間で日の出だぞ?」とハリーおじい様。
「寝てないんです。色々あって……」
「アルヴィン!服どうしたの! それ違う服じゃない!」とお母様、怒っていると言うより驚いているようだ。
「やぶれたので捨てました、この服は魔法で出しました」
「魔法で服を出せるの? 器用ね。それより服がやぶれたら持ち帰ってね、つくろうから」と言いながら、ぼくをヒョイと抱っこしてぼくのにおいをかぐお母様。
「全身クリーニングの魔法はどうしたの? 使わなかったの?」とお母様、どうやらぼくは臭かったようだ。
「赤ちゃんは洗いすぎると、アトピー性皮膚炎になるらしくて……」
「全身クリーニングの魔法1回使うぐらいいいでしょ!」とお母様、きつめに言う。
「ごめんなさい、忘れてました……」
「まあいいわ! お風呂に入れてあげます!」とお母様、何故かご機嫌になる。
「ありがとうございますだ」
「それはそうと、服はどう言う風にやぶれたの?」とお母様が家のお風呂場に向かいながら何の気なしに聞く。
「ほら! フィリオーネが吊り下げて飛ぶでしょ!」
「じゃあ空飛んでるときにやぶれたの? 大丈夫だった?」とお母様が心配そうに聞いてくる。
「飛ぶ直前にやぶれたんだ!」
「飛ぶ直前にやぶれたぐらいだったら、そんなにやぶれてなかったでしょ? 何で捨ててきたの?」とお母様がぼくを脱衣所の床にトンと置く。
「服が燃えちゃって……」
「焼け焦げた跡、身体にないじゃない! それにさっきと言ってる事が違う」とお母様がぼくを不信の目で見る。
「服を脱いでから燃やしたから……」
「そんなにやぶれてない服を脱いでから燃やしたんだ! ぬえばいいのに、証拠隠滅するみたいに!」とお母様。
「黙秘権!黙秘権を行使します!」
「もう!しょうがないわね! じゃあ服を脱いで!」とお母様、怒ってはいないように見える。
「はい……」お母様の言葉に従順に身体をピカッと光らせて服を消す。
「背中に汚れていない線が二列に上下四本、この汚れは……粉?鱗粉?」とお母様。
「黙秘権!黙秘権を行使します!」
「もう!しょうがないわね! じゃあ身体をきれいにしましょうね!」とお母様、ご機嫌そうにしている。
体を洗われて一息ついたところで“午前10時にケサランパサラン魔法王国軍暁騎士団所属ルーク少佐とケサランパサラン魔法王国軍近衛騎士団所属ソフィア中佐と二人の息子妖精使いアルヴィン伍長とお伴の妖精代表10匹の王宮への出頭を命じる”出頭命令が届いた。
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「妖精使いアルヴィン」は妖精たちが大活躍する物語ですが、さすがに第1話から活躍はさせてあげられませんでした。
第3話の最初の戦闘で、どのように活躍するのかのおおざっぱな方向性を。
第8話で、一般的なフェアリーと言う種族のしょうがない可愛さを。
第15話で、飛び回る妖精たちの可能性を。
第18話第19話で、フェアリーの木の種のシャレにならないやばさを。
第20話で、フェアリーたちの純粋さを。
第25話で、妖精の集団によるとびぬけた大物狩りを。
第26話で、ピクシーとインプの秘密を。
第28話で、強すぎる英雄狩りの脅威の基本能力を。
第33話で、フェアリーたちの大活躍を。
第35話で、英雄化した者たちの「世界がバランスをたもとうとする」新たな縁の注意点を。
読んで妖精たちのファンになってくださると、僕もアルヴィンもよろこびます!
第35話で1巻想定分ですが、応援されれば果てしなく続きます!
僕に「妖精使いアルヴィン」を書かせてください!
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