第15話 インプと鬼ごっこ
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面白い事しか書かないつもりで書いた、妖精たちを活躍させる設定もりだくさん!
妖精たちの可愛さを愛でるほのぼの展開!
妖精たちの可愛い性格からくるコメディ!
フェアリーピクシーインプ主力みんな美少女!
異世界転生したばかりの赤ちゃんと妖精たちが大活躍!
オタク趣味の魔法を使う男主人公赤ちゃん!
凄すぎる英雄基本能力!
妖精たちが主戦力!
新たなジャンル、コミカルメルヘンファンタジー!
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〈もしもし? フィリオーネ? 聞こえる?〉
〈聞こえるわよ? アルヴィン、そっちは大丈夫?〉
〈話し合いの結果インプたちが、フィリオーネのドングリを盗んでいったインプを捕まえるのを手伝ってくれる事になったよ!〉
〈インプたちを説得できたの? すごいじゃない!〉
〈うんそれが飛んで追いかけようと空を飛ぶ魔法作ったら、特別なフェアリーだ!って言われてなんか協力してくれる事になった〉
〈アルヴィン、フェアリーになったよ!〉とリリオーネ、本気でぼくがフェアリーになったと思い込んでいる感情が伝わってくる。
〈そう、あたしの目に狂いはなかったわ!〉とフィリオーネ。
〈こっちはぼくを中心に距離が離れすぎないように並んで飛んで追いかけているんだけど、フィリオーネこっちに泥棒インプ追い込めそう?〉
〈ジグザグに飛んでて追いかけるのも苦労してるんだけど徐々に世界樹から離れる右側に傾いて飛ぶ癖があるみたいだから、そっちの方から回ってきて!〉
〈あんまり早く飛べないんだけど、了解!〉
そのまま追いかける軌道から少し右側にずれて飛ぶ、するとインプたちが地上を歩いていた何かのモンスターの集団を炎の海に沈めた。
マナチップがインプたちに飛んできて「チャリンチャリンチャリンチャリンチャリン」と音を鳴らして吸収されていった。
「ありがとう!気付かなかった」
「いいよ~。年下の同族を守るのは、お姉さまのたしなみだから!」とインプの1匹。
〈お姉さまって言うのはね。フェアリーは好奇心旺盛で生まれて1年間はすごく死にやすいでしょ、そう言う死にやすいフェアリーを死なないように守ってあげるのがお姉さまなの。インプも似たような事をしているみたいね〉とリリオーネ。
〈ぼく、人間なんだけど!〉
そんな話をしていると、フィリオーネが方向転換してこっちに戻ってくるのが感じられた。
〈泥棒インプを追い越してそっちの方に行くようにしたわ! 角度を調整して囲んで!〉
〈了解!〉
「みんな!フィリオーネがドングリを盗んでいったインプをこっちに追い込んでくるから、あんまり離れすぎないように囲んで!」
「わかった~~」とインプの1匹。
「まかせて!」と他のインプ。
そのまま飛んで、隠れる所のある待ち伏せしやすそうな所を探す。
「みんな!今のまま飛んできたらあの木とあの木の間を通る可能性があるから、あの木とあの木の陰に隠れて気配を消して!飛んでくる相手の気配を探って飛びかかって!」
「「「「「「は~い」」」」」」
ぼくも木の陰に浮いて、まとった魔力の層5層に向けて魔力を吸収して外側に魔力が漏れないように気を付ける。
するとフィリオーネたちが飛んでくる気配と、リリオーネの〈いつ飛びかかるの?〉と言う心の声が聞こえてきたので〈飛べるスピードが違うから、カクジの判断で!〉と心の声を返しておく。
まずはリリオーネが飛びだしていきそれに遅れてインプたちも飛び出していった、ぼくもすぐに飛び出したのだが……。
リリオーネは泥棒インプの進路を妨害するように斜め上から飛びかかった、すると泥棒インプは逆斜め上にリリオーネを乗り越えるように飛んだ。
そこにリリオーネよりは遅れて飛んでいたこちら側のインプが、速度の少し落ちていた泥棒インプの頭上を抑えるように斜め下から飛んで行った。
泥棒インプは頭上を抑えられては困ると思ったのか、方向転換してフィリオーネの方に飛びだした。
そこに泥棒インプを追いかける間は気配を消していなかったフィリオーネが気配を消して、方向転換したばかりの泥棒インプの右腕を捕まえる。
あとは腕を振りほどこうとする泥棒インプの左腕右足左足に、つぎつぎとこちら側のインプがとりついた。
以上の事をぼくがまごまごと3メートル移動する間に、ぼくの目の前5メートルでおこなわれた。
「うらぎりもの~~。おんなじインプなのに、なんでフェアリーの言う事聞いて捕まえようとするの!」と泥棒インプ、つかまれた腕や足を自由にしようとあばれている。
「デイジーが、ドングリを盗むからいけないんでしょ!」とデイジーと言う名の泥棒インプの左腕を押さえているインプ。
「時代はうつりかわっているの!」とデイジーの右足を押さえているインプ。
「インプとフェアリーは同じ種族よ!」とデイジーの左足を押さえているインプ。
「何言ってるの! インプとフェアリーとピクシーは違う種族だって言ってたじゃない! 洗脳されてるの? 正気に戻って!」とデイジー腕や足を自由にするのは無理だと観念したのか、暴れるのは止めている。
「あたいたち、正気よ! 時代が変わったの!」とデイジーの前で浮かんでいるインプ。
「人間の赤ちゃんとして生まれた特別なフェアリーのお姉さまになるためには、インプとフェアリーが違う種族だと都合が悪いの!」とデイジーの後ろに浮かんでいる、つまりはぼくの一番近くにいるインプが言った。
「あの~。そろそろ下に降りてもらっていいかな? デイジーは逃げられたら困るから、羽をしまってね!」とぼくが言うと。
「「「「「「「は~い」」」」」」」と言ってフィリオーネとリリオーネとこちら側のインプたちが従順に返事をした。
「なに? いま何から指示されたの? さっきの赤ちゃん?」とデイジーが混乱していると。
「デイジー!早く羽をしまいな!」と言ってデイジーの前で浮かんでいるインプが、デイジーの頭をポカリと拳骨で殴った。
「羽はしまうから! 乱暴にしないで!」と言って、デイジーが両手足をつかまれたまま背中をもぞもぞ動かして羽を実体のない魔力に変えて体内に吸収する。
「こっちが死んじゃうような妨害もしてないから、こっちも乱暴にしないようにしようよ」とぼくが言うと。
「「「「「「「それもそうね」」」」」」」とフィリオーネとリリオーネとこちら側のインプたちがまた声をそろえて返事をした。
「なに?あたいも洗脳されるの?」とデイジーがガクガクとふるえながら言った。
「いや、そんな事しないから。フィリオーネのドングリかえして!」と言ってデイジーの前に、飛んで回り込み地上に降り立つ。
「なに?その羽!」とデイジー、フィリオーネのドングリを見た時と同じぐらい驚愕している。
「デイジーを追いかけるために、身体中に魔力とマナの全部を行き渡らせて習得した魔法だよ?」
「人間がそんな事したって、フェアリーの羽が生えるわけないじゃない!」とデイジー。
「そんなこと言われても、生えたんだから仕方ないじゃん。ほら!フィリオーネのドングリかえして!」
「わかってるわよ! はい!」と言って、30センチの大きさのドングリをピカッと光って出すデイジー。
それを真剣な顔で、ドングリの確認するフィリオーネ。
「間違いないわ!あたしのドングリよ!」と言って、身体をピカッと光らせてドングリを収納魔法で収納するフィリオーネ。
「デイジーを放してあげて」とぼくが言うと。
インプたちが、デイジーからばらばらと手を放す。
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「妖精使いアルヴィン」は妖精たちが大活躍する物語ですが、さすがに第1話から活躍はさせてあげられませんでした。
第3話の最初の戦闘で、どのように活躍するのかのおおざっぱな方向性を。
第8話で、一般的なフェアリーと言う種族のしょうがない可愛さを。
第15話で、飛び回る妖精たちの可能性を。
第18話第19話で、フェアリーの木の種のシャレにならないやばさを。
第20話で、フェアリーたちの純粋さを。
第25話で、妖精の集団によるとびぬけた大物狩りを。
第26話で、ピクシーとインプの秘密を。
第28話で、強すぎる英雄狩りの脅威の基本能力を。
第33話で、フェアリーたちの大活躍を。
第35話で、英雄化した者たちの「世界がバランスをたもとうとする」新たな縁の注意点を。
読んで妖精たちのファンになってくださると、僕もアルヴィンもよろこびます!
第35話で1巻想定分ですが、応援されれば果てしなく続きます!
僕に「妖精使いアルヴィン」を書かせてください!
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