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猛獣の化け方ガイド  作者: 水蛍
8/92

弱音

はぁぁぁ。

汚ったない。

血が足に、いや、手??

あああああ…………………………………忘れよう。

ここはすんなり忘れましょう。

というわけで、寝よう!

……………………………嗚呼‼︎もう‼︎

全部あの母狼のせいだ‼︎(怒)

何なのあれ⁉︎(怒)

本当に母親⁉︎(怒)

……………………………あれ?

もしかして父親?

いや違う。だってそれなら親狼がもう一匹いるはずだし。

というか僕、もう一匹の親狼にあったことないんだけど。

オスかメスかは置いといて。

うーむ、外出中とか?もしくは遠出?

まあ、そんなことは別に考えなくてもいい気がするけど。

………………さて。

今から1人会議を始める‼︎

ぼっち!ボッチ‼︎

仕方ないのだよ。僕以外ここに知能があるものはいないのだ。

自画自賛などでは断じてない‼︎

本当に‼︎

だって狼しかいないし‼︎

議題は食料問題。

あの食事は、ない。

食レポするなら酸っぱい生の硬い肉って感じ(個人的感想です)

当初の予定通り枝を汲みに行きたいんだけど、あの親狼が行かせてくれるかが問題だ。

そもそも枝で火を起こせるのかな?

道具もないし。

どうするかなぁ。

そんなことを考えているともう夕方。

なんだか時間の進みが早い気がする。

気のせいかな?

もしくはここは違う世界で時間がずれてるとか?

あとは、狼だから?

謎がポンポン出てくる。

いや、ポンポンってほどじゃないけど。

そんな考え事をしながら洞窟の外を見ていると……

来たか。

親狼はポイっと肉を置いた。

「はぁ」

来るとは思ってたけど……

後ろを振り返るとさっきまで眠っていた小狼達がこっちへ来る。

そして食べる。

………………………………もうずっとこんな生活なのかな?

逆らっても仕方ないので僕も渋々食べる。

不味い。

辛い。帰りたい。

あの家に帰りたい。

お母さんとお父さんはあんまり家には帰ってきてくれないけど………

でも僕のことを大切に思ってくれていたと思う。

別に家族団欒に憧れがあるわけじゃない。

ただ、やっぱり寂しい。

最初は平気だったのに。

時折、とても寂しい。

だから本屋のアルバイトを始めた。

まあ、だからと言ったけど最初は違った。

会う機会が少ないから、お小遣いも少なかったんだ………

そういうところは気が利かなかったんだよね。

………ケチってたわけじゃなかろうな。

まあいい。

そんなわけでお金を稼ぎたかっただけ(それと暇だったから)

でも、それがきっかけで友達ができた。

同い年の男子。

ロシア人のハーフらしい。

その、中性的というか、結構可愛い。白髪が特に。

そういう趣味では断じてない!

実際男子からも女子からも人気だったし。

そんな子が同じ職場というだけで学校も違うのに友達になってくれた。

最初、ちょっと疑った。

すいません。

メイ君、今どうしてるかな。

会いたい。

お父さんとお母さんにも、会いたい。

帰りたい。

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