僕も慣れたものだ
定期報告:投稿頻度の激減。申し訳ない。
今は浮かんでいない浮遊少年。
この人、今日本語を話した様な気がする。
気のせい?
浮遊少年:「気のせいじゃない。」
僕:「…………スー、え?」
何故貴方が日本語を話せるんですか?
僕は適当な単語しか教えてないし…………
ハッ!まさかここはやっぱり地球で、何処かの海外の国だったとか……
浮遊少年:「同調だよ。」
僕:「………………同調?」
どゆこと?
浮遊少年:「心の声、イメージに言語の概念は無い。だから思念で意思疎通ができる。脳が勝手にイメージを言語化するからな。そして今は俺がお前に同調して会話を成り立たせている。」
……つまりどういうこと?
浮遊少年:「お前と同じ言語で喋っている様に聞こえるが実際はお前の脳を翻訳機にしているだけだってことだ。」
…………うん、なるほど。
えっと、つまり…………魔術で僕と同じ言葉が話せる様になったと。
浮遊少年:「違う。あくまでお前の近くにいる時だけだ。」
僕:「はぁ…………」
…………便利ね〜、魔術って。
よくファンタジーはなんでもありのご都合主義だって言ってる人いるけどその人の気持ちがちょっとわかる。
僕の思考も言語も完璧に把握されてしまっていて、ちょっと怖い。今更だけど。
僕:「…………えっと、あの、こんにちわ?」
浮遊少年:「…………は?」
…………………………喋りづらいぃ〜!
何話したらいいのかわっかんないー!!
意外かもしれないけど僕、人見知りだったから!!
回想通り友達1人しかいなかったから!
頭の中ではペチャクチャペチャクチャ喋れるんだよ!?
でもいざ声を出そうとするとなんか…………
僕:「すいません、話すの苦手なのでちょっと待ってもらっていいですか?」
浮遊少年:「はぁ?」
僕:「スー、ハー…‥スー、ハー……」
深呼吸完了。
落ち着いて、落ち着くんだよ僕。
まずはそう、折角会話できる人が来てくれたんだから…………
僕:「スー…………あの、色々と話したいことはあるんですけど、まず、僕のこの体について何か知ってます?」
今一番知りたいことだよね。
聞ける時に聞いておかないと。
浮遊少年:「知らない。」
そっかー、知らないかー。
僕の記憶が正しければ最後に会った時に色々考え込んでたから、てっきり何かわかったんじゃないかと。
浮遊少年:「だがお前よりもお前のことに詳しい奴は見つけた。お前のその体のことに関してはそいつから聞き出すから気にしないでいい。」
…………ん?
え、今なんて言った?僕のことに詳しい人?
浮遊少年:「どうせそのうち会うことになる、気にしなくていい。俺にお前の世話を押し付けてきたのもそいつだからな。」
はぇ?本当に誰?
まっったく心当たりがない。
浮遊少年:「気色の悪い頭をしたやつだ。」
………………あ、もしかして。
浮遊少年:「前に言っていた、僕と同じで信用できない人?」
浮遊少年:「そうだな。お前とは違った意味で本心が垣間見得ない、お前以上に信用ならない、頭のイカれた野郎だ。」
うっわ、その人すごい嫌われてるじゃん。
ていうか、この平気で動物を蹴り飛ばしてくる子供にヤバいやつ呼ばわりされてる人って一体?
絶対関わりたくないんだけど。
知らない知らない、そんな人知らない。
僕:「…………まあ、ともかく、その人が僕のことを知っているんですね?」
浮遊少年:「多分な。」
多分か〜…………
僕:「…………話は変わるんですけど、さっき僕に言葉を教えてくれるって言ってた気がするんですが?」
浮遊少年:「ああ、そうだ。頭のイかれた野郎から頼まれて仕方なくな。」
…………うん、態度からしてわかってたけど、善意ってわけじゃあないか。
まあ、そうだよね。
出会った頃に比べるとちょっと親しくなれた気はするけど、それでも仕方なくか〜。
いやすごい成長だよ?
蹴られなくなったし。
僕のことを人として見てくれてるし。
……まあ、人の姿だしね。当然か。
僕:「…………よろしくお願いします。」
浮遊少年:「…………ん、意外だな。もっと聞いてくると思ったんだが。もう気になることはないのか?」
僕:「さっき自分で何も知らないって言ったじゃないですか。知らないなら今は何も聞きません…………しつこいと蹴るでしょう?」
浮遊少年:「よくわかっているじゃねぇか。見直した。」
………え、本気で蹴るつもりだったの?冗談のつもりだったんだけど……
本当は聞きたいことがまだ結構ある。
さっきの話に出てきた、僕のことを知っているっていうイかれた人。
気にしないでいいなんて遠回しな言い方してたから触れないでおいたけど、めちゃくちゃ気になる。
誰だそれは?
あとあのお屋敷。
どのぐらい燃えちゃったのか気になる。
なんだかんだ一ヶ月くらい住んでたからねぇ、愛着も湧くよ。
それからあの、僕を攻撃してきた怖い人。
どうなったんだろう。
火事の中置き去りにしてしまったきが…………しなくもなくもない。
大丈夫かな。
あと実は、僕自分の姿をまだ確認できていないんだよね。
この部屋にも、お風呂にも鏡がなくて。
どんな顔してるんだろう。
浮遊少年:「さて、では始めるぞ。1日で五百単語覚えてもらう。」
僕:「…………その無理難題の前に、ちょっといいですか?」
浮遊少年:「なんだ?」
声が重い。
そんな僕と一緒にいるの嫌?
まあいいや。
僕:「貴方の名前を教えてください。」
浮遊少年:「……は?」
ずっと聞きたかったんだよね〜。
心の中で浮遊少年(仮)って呼んでたけど。
今は喋れるし、どんな名前かぐらいは知りたい。
浮遊少年:「聞いたところで発音はわからないだろう。」
僕:「今は話せますし、名前ぐらいなら大丈夫だと思いますよ?」
浮遊少年:「……………………はぁ……俺の名前は…………」
<追記>
僕:「そういえば前任の先生は?」
浮遊少年:「あれは元々もう1人の小僧の教師だ。俺が来たからもう来ないぞ。」
僕:「あ、そうなの。ちょっと残念………」




