幼児虐待の被害者
今、馬もどきと絶賛鬼ごっこ中。
嗚呼‼︎何でこうなった‼︎
あのボスママめ!(怒)
どうする?戦うしかない?許してくれない?
…………許してくれないだろうね。
さっきからずっとあの馬もどきは追ってきてるし。
親狼も。
親狼からは逃げきれない。馬もどきから逃げ続けてもいつか捕まる。
どうにかして戦うか。
中身は人間だけど今は狼だし。
僕には今、馬もどきにも引けを取らないスピードがある。
攻撃力があるかはわからないけど。
攻撃手段としては、やっぱり爪とか、かな?
でも、確実に馬もどきは僕よりパワーがある。
距離を詰めて爪で引っ掻いても大したダメージにはならない。
逆に吹っ飛ぶかも。
だからそこら辺にある木を利用させてもらう。
平原にある数本の木を。
なんとなく分かるよね。
馬が止まるか避けるかで失敗するけど仕方ない。
よし。
木に向けて、突撃ー!!
僕は木に向かって全速力で走った。
馬もついてくる。
それから5秒程度で木にぶつかりそうになる瞬間、ここだ‼︎
僕は急カーブで木を避け、馬は…………
…………ぶつかって叫び声を上げた。
よっしゃぁ‼︎
すかさず僕は馬の顔を爪で引っ掻いた。
おもいっきり引っ掻いてすぐに逃げた。
馬は暴れ回って何処かへ行ってしまった。
…………………………………………「ふぅ」
嗚呼、なんだか腰が抜けた。
怖かったぁ。
僕はその場に倒れ込んだ。
まるで、そう、ソファに倒れ込むように。
…………………足音が聞こえる。
ばっと立った。
やはりか。この狼親もどき!
まったく!なんてことをしてくれたんだよ‼︎
大変だったんだぞ‼︎
「ガガゥ!!ガガガゥ‼︎」
プンスコしていると親狼は……………え?
痛‼︎……………っは?
今、全く見え…ェェェェェェ‼︎?
速‼︎速すぎる‼︎
来るときの比じゃないぞ‼︎
きっと新幹線並みだぞ‼︎
あっという間に僕は洞窟に戻ってきた。
それに関してはまあまあ楽しかった。来る時のスピードは速いけど微妙で気持ち悪かったんだよね。
新幹線とか飛行機ってワクワクするでしょ?
とはいえ、ぶら下げられてるし、いい気分じゃない。痛いし。
ほら早く降ろして。
お、今度は聞き分けがいいな。
相変わらず首根っこは痛いけど。
「ペチャ」
ん?……………………あ。
足についた返り血の音だった。
ゾッとする。鳥肌が立つ。狼だけど…
気持ち悪い。やっぱりこういうところは人間らしいというか…………………不快だな。
あー、やだやだ。川ってこの近くにあるのかな?
………………気分が悪い。
恨むぞ、母狼。
僕はゆっくり洞窟の奥へ入っていった。