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猛獣の化け方ガイド  作者: 水蛍
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性格って、直そうと思って直るものじゃない。

定期報告:更新遅れ。謝罪。

一体どうしたのか、空中で笑いこけてる子供が一人。


浮遊少年:「########ッ###!!」


…………な、なんか怖い。

この子、そんなキャラじゃなかったよね?


浮遊少年:[あ〜、笑った笑った。]


……………………


僕:[あ、あの〜…………]


ど、どうかしたんだろうか。

頭でも打ったか、それとも…………


浮遊少年:[無意識での再現。魔力を有しているものはあれど、知能の低い動物が魔術を、それも複雑な類のものを扱うなんてありえない。]


…………え?


浮遊少年:[お前、魔術を使ったことがあるだろう?()()はただ本を読んだ程度で使えるものじゃない。]


いやいやいや、ないよ!?

ていうかさっきのが…………魔術………………


浮遊少年から逃げていた時、ふと視界が切り替わり、気づけば宙にいた。

すごく高くて、まるであの時のような…………


浮遊少年:[そうだ、お前は俺が風で吹き飛ばした時の位置にまで移動していた。]


………………!!

え、本当に、僕が魔術を…………!?

確か…………転移…………

なんか、その、思ってたのとは違うけど、これはこれであり!!


浮遊少年:[未完成とはいえ、魔術がなんたるかも知らない餓鬼が“空間魔術”の再現など出来るわけがない。]


………………え?


浮遊少年:[となると、体が、脳が感覚を覚えていたということになる。]


一瞬、瞬きをした。

本当に、ほんの一瞬。

しかし、気づけば目の前には…………


剣…………


僕:[え………………]


う、うわぁああああああ!!


眼球からほんの1センチ程度の場所に、剣が現れた。

慌てて後退した。

それはもう、慌てて…………


僕:「ハッ……ハッッ…………!!」


浮遊少年:[お前、本当に誰だ?]


……………………っっ!!


全身の毛が逆だった。

背中を駆け巡る寒気。

震える手足。


生まれてまだ間もない僕だったが、経験上こういった場合は…………逃げるが勝ち!!


僕は扉の方へ走った。

全速力で、今ある力を最大限振り絞って。


僕にはわかっていた。

捕まったら、最悪命はないことが。

昨日といい、あの浮遊少年(ちびっこ)に何度も蹴られて、殺されそうになって、不思議と危険が察知できるようになった。

今回のは、やばい…………


此処で捕まったら間違いなく………………


逃げて、逃げて、逃げて………………

逃げッ…………


浮遊少年:[おい!待……]


浮遊少年が待てと言い掛けて止まった。

どうしてかわからないけど、僕は気にせず走った。


扉の前に着くと、体当たりして外へ出た。


僕:[ふぅ、ふぅ………!]


急いで急いで!!

あの目は絶対やばい目だ!

無理無理無理!!


僕はチラッと後ろを見た。

浮遊少年は追ってきていなかった。


………………とはいえ油断はできない!!


僕はそのまま部屋まで猛ダッシュしたのだった。


(その後)


あああああああ、怖かっった〜〜〜!!

危うくまた殺されるところだった!!

よかった〜〜!


幼児:「####ーー…………」


僕は部屋に戻って、ぐーぐー眠っている幼児を見て安堵した。


それから急いで証拠を隠滅して、幼児と一緒にベットで寝た。


(朝)


ヤバすぎる夜を越して、爽やかな朝がやってきた。


おっはよぉーーーー!!


僕:「ガッがァアーー!!」


いやぁ〜、いいお天気ですねぇ!!

ん?昨日逃げてきたけど大丈夫なのかって?

はて?何のことでございましょう?記憶にございません!

さぁ!今日も張り切っていきましょう!!


面倒ごとなんて知らん知らん。

危ないことも知らん知らん。


そう、頭の中を楽観的にすれば全てが幸せになるのです!!


僕:「ふっふっふ………」


なんて言っているけれど、昨日のこと、めっちゃ鮮明に覚えてたりして。

殺される予感がして逃げてきて、ベットで超怯えながら殆ど寝付けなかったりして。


………………


ああ、どうしよう。

でも今回は何もやってないと思うんだよね。


したといえば、アレだけど…………魔術…………


幼児:「######!!」


ん?おお、おはよう?


幼児がこっちに手を振った。

ふわふわもちもちでツルツルした肌艶が、日光でさらに目立って見えた。

髪は寝癖いっぱいだけど。


………………ていうかこの子、浮遊少年(あれ)の親戚とか何じゃ!?

言ってたよね確か!居候だって!!


幼児:「######〜〜〜」


幼児は近づいてきて僕のほっぺを摘んだ。


…………痛い。


しかし我慢だ。

浮遊少年(あれ)の親戚なんだったら仲良くしておかないと。

蹴り殺されるかもしれない!


幼児:「######〜〜〜」


僕は幼児にされるがまま。

しかし、我慢……ッ!


メイドさん(A):「#####。」


は、メイドさん!た、助かったぁ〜〜!


メイドさんが来ると、幼児はすぐに着替えさせられた。

その後も、色々と身だしなみでお手入れされたりして…………(暇)


暫く待っていると準備ができたようだった。


え、おおっとッと…………


幼児に抱っこされた。

僕はそのまま部屋の外へと連れ出された。

きっと朝ごはんを食べに行くんだろう。


なので僕は、昨夜のことについては朝食の後に考えることにしたのであった。

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