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猛獣の化け方ガイド  作者: 水蛍
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魔術の使い方がわからん

ぬぁあああ!!魔術使ってみてぇェェェ!!


長年ファンタジーに夢現であった僕は、それはそれは悶え苦しんだ。

悶えすぎて地面や壁に頭を打ちつけたりするぐらいだった。


浮遊少年:[煩いぞ、まったく…………]


僕:「うわあぁーーん!!ああああああ!!」


自分でも気持ちが悪いぐらいの奇声を上げた。

ガラスがあったら間違いなく割れていただろう。


浮遊少年:[…………得意不得意から探ってみたらどうだ?]


………………んぇ?


僕:[得意…………不得意?]


こうやって喚くと、蹴られるかアドバイスをくれるかの二択になるのだということに最近気がついた僕。


浮遊少年:[魔術は特に天性的な才に左右されやすい。俺にだって得意不得意はある。お前にも何かしらある筈だ。]


僕:[…………それって僕にも魔力が備わっていたらの話ですよね?]


なかったら本当にただの小動物…………はぁ〜……………………


ただでさえこんなちんちくりんの小動物だっていうのにぃ〜、これじゃ冒険も何もあったもんじゃな〜い。

うわぁああ〜、ファンタジーなんだったらもうちょっと美味しい展開とかにならないのぉ〜!?

はぁ〜〜〜…………


どんどんネガティブになっていく僕。


浮遊少年:[動物で魔力を有する個体をいくつか知っている。勿論、知能の高い人族の方が魔力は高いが…………]


…………え…………


浮遊少年:[可能性がないわけではない。]


ぬぅわんだってぇぇーーー!?誠か!?


浮遊少年:[絶対ではないが。]


いやそれでも!可能性があるっていうならそれだけで十分!!


僕:[あの!僕に!魔力があったとして!得意不得意ってどうやって確かめるんですか!?]


激しい期待、興奮が渦巻いていた。

しかし…………


浮遊少年:[……………………]


浮遊少年()が何の理由もなしに、ここまで世話を焼いてくれる筈はないのだ。


(それから)


僕:「ギャァアアアアアア!!」


浮遊少年:[叫ぶな。]


無理無理無理無理無理絶対死ぬぅう!!


何をやっているのかってぇ?

今、僕は………………


殺されかけているぅぅうううう!!!


浮遊少年:[訓練だろ?]


こんな火の玉に追いかけ回される光景が訓練に見えるのかぁああ!?


そう、僕は今浮遊少年が作り出した火の玉に追われている。

側から見ると人魂に追われた子犬みたいに見えるかもしれない。

これが魔術…………


いや違うでしょ!!

僕が使う側になりたいの!

魔術の的にされたいわけではないの!!


図書館内を全速力で駆け巡る僕。


浮遊少年:[言ったろう?魔術による物質の生成は、再現だ。理解と想像力か肝心。だから…………当たれ(笑)。]


ゼッッタイ何か私情が入ってるでしょ!

やばいやばいやばい、やっぱりまともじゃない!


うわあああああ!!逃げろ逃げろ逃げろ逃げろォォォォ!!


チュドーン!!(クリティカルヒット!!)


………………


…………………………………(気絶)


(また暫くして)


僕:「う、うぅぅ……………っ」


な、何だか体が…………痛い。


目を開けると図書館の天井。

そこにあるステンドグラスから夜空が見えた。

体感的にもまだそんなに時間が経っていないことを確認して安心する僕。


浮遊少年:[気がついたか。]


………………


浮遊少年:[何だその顔は?文句でもあるのか?]


当然のことながら、僕の眉間には皺が寄っていた。


よ、く、も、やってくれたなァアアア!!


浮遊少年:[あ“?]


………………あ、すみません。


内心物凄く頭が沸騰していたが、一度殺されかけている以上逆らえないのであった。


浮遊少年:[…………それにしても、本当に使えないんだな。]


その言い方は何か別の意味に聞こえるからやめてもらえませんか?


浮遊少年:[……………………あ、そうだ。確か…………]


浮遊少年は上を見上げた。

つられて僕も上を見る。


…………ここの本棚って馬鹿みたいに高いけど、飛べない人はどうやって本を取るんだろう。


そんなことを思いながら上の方の本棚を見上げていると、置かれていた本が宙に飛び出した。

そして僕のところまで…………


僕:「ぎゅわっ!?」


いったぁ!?


本が僕の頭の上に落ちて来た。

痛い。


浮遊少年:[まだ字も読めない赤子用の本だ。全て絵で説明されているからお前でもなんとなくわかるだろう。]


……………………


本を取ってくれたのは嬉しいけど頭の上に落とされたのはムカつく、そんな複雑な気持ちでいる僕。


ていうか、え…………絵?


頭上に落ちて来た本をちょっとめくってみた。


…………わぁお。


なんていうか……………………魔術の説明書っていうよりは、童話……?

でも確かに、字はない。

これならちょっとは………………


絶対魔術を覚えたい。

その思いを胸に、僕は本をめくっていく。


そして…………


(読み終えてから)


…………全部読んだけど…………イラスト綺麗〜、ぐらいしか感想が出てこない。

ていうかこれ意味あったのか!?

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