なんだか馴染んでしまった
定期報告:投稿数増量検討中。
ぎゅえ〜っっ!!?
僕:「ガ、ガガガがぁぁあ!!」
イタタタタタタ!!ちょ、千切れる!千切れるから!!
幼児:「#〜#〜〜〜〜〜!!!」
一体何をやっているのかと聞かれると………………何をやっているんでしょうね?
構図としてはまあ、使用人達が幼児と僕で綱引きをやってるみたいなかんじだね。
これがマジモンの引っ張り凧か〜。狼だけど。
幼児:「#ーーーー#ーーーーーーーー!!!」
あああぁあ!!?痛いぃっぃいいい!!拷問か!?
これは、蹴られるのとはまた違った感じでぇぇええええ!!?
僕:「がアアアアアアあああ!!!」
幼児:「####!!?」
え?
幼児は僕の声に驚いたのか、急に手を離した。
え?
宙を舞っては肌で感じる浮遊感、それが一瞬で下向きに引っ張られ無くなっていく。
そして大人達の上に着地(墜落)する。
僕とぶつかった使用人:「#ッ##!?」
僕:「ギャ!?」
僕の頭と使用人の人の胸元あたりがぶつかった。
痛い。普通に痛い。
…………使用人の人も痛そう。
おいちびっ子!僕と僕がぶつかってしまった人に謝りなさい!!
あと、いい加減大人しくしなさい!
そんなことを心の中で言って幼児を睨む僕。
幼児:「…………#、##、############〜〜〜〜〜…………………!!!」
そんな僕の思いが通じたのか幼児は、泣きはしたけれど使用人達と共に廊下を歩いて僕から離れていった。
お付きの人と手を繋いで、僕のことをチラチラ見ながら去っていった。
グスグス言いながら去っていった。
…………え、可愛い。
普通にちっちゃい子だ!どうした!?
今度はなんか、ぶんぶん人をぶん回すのでは?とか思ってたんだけど!
あ、流石に疲れちゃった?
まあ、あれだけ逃げ回れば疲れるか。うん。
手でも振っとこう。
またね〜。
……………………まだグスグス声が聞こえてくる。
僕は幼児が見えなくなるまでそこに座っていた。
そして残った大人達に抱っこされて連れて行かれた。
…………まあ、わかっていたよ。僕に自由はないのだ。
<それから>
僕は今、少し大きな部屋にいる。
昨日のところよりちょっと広くて、大きな窓のついた部屋。
そして予想通り、クッションと玩具が置いてある。(犬用の)おトイレも…………
此処は多分だけど、幼児の部屋の近くに作られたペット用の遊び場。
はぁ〜…………………………暇だ。
只今日向ぼっこ中。
馬鹿力なちびっこも、頭の狂ったちびっこももいない…………なんて安らかな時間。
でも、暇だ。
漫画読みたいなぁ〜、おやつ欲しいなぁ〜、あとゲーム!
アニメとかもさぁ〜……
クッションに寝転がり、上を向いて欲望のままに考える。
そして僕は上にあった通気口に気づいた。
あ………………
いやでも、無理だねアレは。高すぎる。
どんなにクッションを積んでも………………
………………こんな時に空が飛べたらなぁ〜。
浮遊少年みたいなさぁ。
魔術を使って、ふわふわぁ〜って………………
僕はグッと力を込めたりしてみた。
僕:「フンッ!」
風よでろ〜、とか念じながら。
僕:「ホァア!」
……………………
すぐにやめた。
無駄だと思った。
……………………
どうしよう……………………僕、本当に暇だ。
……………………
その時、扉がガチャリと開く音がした。
僕はすかさず振り向いた。
そこに立っていたのは……
幼児:「##!!」
思った通り幼児だった。
僕:「ガウ!」
やっと来た!よ〜し、これで暇じゃない。
よくよく考えたんだけど、昼間はあんまり自由に動けないし、図書館のあの子に色々聞きに行くにしても今は無理。
だったら今のうちに、この子と遊んで場内探索をする!
そして夜抜け出す時に役立てる!
……………………嘘、本当は本当に暇だっただけ。
でも今言った通り、知っておいて損はないのだ!
<そして>
僕:「グワァァアーーーーー〜っっ!!?」
幼児:「##ッ####〜〜〜!!」
ヒャッホーじゃない!
言ってるのかどうかわかんないけど、楽しんでいい状況じゃない!!
やばいよ。僕今このお屋敷の中を超高速で連れ回されてる。
部屋がどんどん通り過ぎていく。
当然だけど、通った道筋なんて覚えてない。
使用人の人達が後ろから死に物狂いで追いかけてきてるし、あと、さっき何かに当たった。
当たった後になんか割れる音がした。花瓶みたいな。
………………ごめんなさい。
僕は幼児に肩車されたまま、真顔でぽけ〜、っとしていた。
何故って?
慣れてしまったからだよ。




