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猛獣の化け方ガイド  作者: 水蛍
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しがみつかれて

はぁ〜あ…………暑い………………


ギュゥぅううう…………


見てください、このしがみつき方。

幼児がひ弱な小動物にすっごい力でギュゥぅううう、って。


………………………暑苦しい。


幼児:「……………………」


さっきから僕にしがみついたままピクリとも動こうとしない幼児。


…………なんで?


思い当たる節は言うまでもなく沢山ある。

昨日(?)勝手に出歩いたし?おとといも勝手に出歩いたし?

さっきの怒りようから考えてもこれは…………


幼児:「……………………」


僕はピーンとキタ。


この子、もしかしなくても僕の事めっちゃ大事にしてる。


乱暴に扱われてたし、てっきり玩具扱いかと思ってたけど………………可愛い一面もあるんだね!

やんちゃというかガサツというか、元気が良すぎて凄く苦手に思ってたんだけど、なんか安心した。

怪力も性格も生まれつきで、根はいい子なんだねきっと。

ペット好きに悪い奴はおらん!!


…………けど、そろそろ離してほしいな〜、なんて…………


ギュゥぅううう…………


あ、無理だ。抜け出せない。力強すぎ。

おかしい…………サイズ的にはこの子は僕よりちょっと大きいぐらいの筈なのに!何故!?


お付きのメイドさん:「####、###########……………」


とそこでメイドさんが幼児に向かって話しかけた。


お!

おい君!呼ばれてるよ!


僕は幼児の顔を見た。


幼児:「#!」


僕は衝撃的なものを見た。

幼児のほっぺがハムスターですかって思うぐらい面白く膨らんでた。


僕:「ブッ!(笑)」


笑ってしまった。

いやでも、この顔はもうどうにもならない!

笑うしかない顔だ!


天使風の美形がプンスカしてたらこんな顔になるんだと知ったのだった。


いやそんなことはどうだっていいや。

幼児、そろそろ離して。


お付きのメイドさん:「####、#########…………!」


メイドさんが必死に説得する。

そして………………


幼児:「………………####………」


遂に観念したのか、僕から手を離した。


メイドさん、グッジョブ!!

やっっと自由だ〜。

朝からずっと拘束状態だったからなんか疲れ………………ん?


僕から手を離したと思ったら、今度は前から掴まれた。


………………え?


僕は幼児に抱っこされた。

そして連れ去られた。

風が如く………………


お付きのメイドさん:「####ーーーーーーーー!!?」


僕:「!!!?」


わー、相変わらずこの子速い!!


幼児は部屋を飛び出して右へ曲がった。


複数の使用人:「「「####、########!!!」」」


と曲がった先に、待ち伏せていたかの様に現れた大人(肉壁)達。


幼児:「##!!」


そんな彼らをしなやかな動きで避けて、高らかに飛んでは踏み台にしていく幼児。

かわされて体勢を崩して転ぶ者もいれば、踏みつけられて転ぶ者もいた。


複数の使用人:「「「#、##!!?」」」


バタンバタン。

次々と肉壁達が倒れていき、幼児は去っていった。


……………………なんか、一瞬だったけどすごい現場を見てしまった。


この子容赦ないな。

大人を蹴って踏み台にして飛び越えて……………………


抱えられた状態でチラッと後ろを見た。


うわー、鼻血出てる人もいる…………


は〜あ、マジか〜。

やばいなこの子。

ていうか僕は何処に連れて行かれてるの?


幼児は走り回った。

ある時は廊下を、ある時は中庭を、ある時は野原を、ある時は変な部屋の中を。

そして…………


(数十分後)


何十分(?)ぐらいがたった頃、僕たちはとんでもないところにいた。

何処かって?


此処だぁーーー!!


そこは、屋根の上。

学校ぐらいあるお屋敷の、屋根の上。


僕:「ワガッッ!!ワガガガガ!!」


高い高い高い高い高い高い!!無理ぃィィィィ!!落ちるぅぅぅう!!←高所恐怖症


幼児:「#、#######!」


いや、無理だって!降ろせェェ!!

つーかどうやって登った!!?


幼児:「####、##……!」


座るな!ヨイショじゃないんだよ屋根の上に座るなぁああ!!


色々あったし、色々やったし、こんなにピンピンしてるけど死にかけたし、寝てないしで僕は今非常に不安定な心境にあるのだ。


そんな時に!そんな時にぃィィ!!


幼児:「……………………」


あ、ダメだ。この子空を眺め始めた。

力強すぎるし、もう絶対動かせない。

え、どうするの?


幼児:「……………………」


…………………………………


幼児:「……………………」


…………………………………寝よ。


僕は使用人の人達が救出してくれるまでの間、幼児に抱えられたままずっと眠っていたのだった。

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