僕としての人道
定期報告:文章の表記方法の僅かな変更、文章量の増量を行った。
暫くの間、僕は蹴り続けられた。
何度も何度も、蹴られた。
僕:「ガッ…ハッ………!」
あーヤバい。
蹴られてる感覚はある。
けど、痛くなーい…………
蹴られ過ぎて頭がどうかしてる。
目眩とかそんなの通り越してもう瀕死も瀕死、大瀕死。
ああぁ、死ぬの…………やだなぁ…………
浮遊少年:「…………………………」
こんな痛い気な小動物を無慈悲に蹴るクソ餓鬼。
ああ殴りたい。
拳骨入れてやりたーい。
もうなんなのさぁ、この餓鬼はぁ?
ちょっとファンタジーなこと教えてちょーだい!って言っただけで蹴るし。
めっちゃやつれてる人がいるので早く百十七番に電話を!って言っただけで蹴るし。
最低最悪の悪童だ、ブーブー。
……………はぁ、死ぬのかぁ、僕。
死んだらどうなるんだろう。
また生まれ変わったりしないかなぁ。
それか……………夢オチとかにならないかなぁ。
全部夢でしたー、で終わらないかな。
ベットから起き上がったらいつも通り下に降りて、ご飯食べて高校行って…………
お父さんとお母さんにまだ旅行に連れて行ってもらってない…………
見たかった映画もまだ見てないし…………
ああ〜、メイくんとカラオケに行きたかったぁ〜…………
……………はぁ、凄く楽しかったなぁ。
青春してたわけじゃないけど、幸せ満載だった。
帰りたいなぁ……………
………………………………
浮遊少年:[…………何だ、泣いてるのか?]
………………………………?
泣い、てる……………?僕が……………
もうわかんないや。
…………………………
僕:[ねえ、君さぁ……………蹴るの、たの、しい…………?]
浮遊少年:[別に?]
…………………………
浮遊少年:[なぁ、お前は俺の何処がおかしいと思う?]
………………は?
全部でしょ全部………………
やたらと蹴るし………………吹っ飛ばすし………………半殺しにしてくるし………………
浮遊少年:[ふ〜ん……………]
ふ〜ん、って……………
浮遊少年:[………………お前、さっき俺に親がいないのだろうと言ったな。何故そう思った?]
何なの、この質問…………こっちはもう、頭飛びそう、なのに…………
………………………
僕:[親は…………人や…………動物を……………ゴミみたいに扱えなんて教えない。]
浮遊少年:[…………だから、親がいないと?]
そうだよ。違う?
動物が、血ィ吐いても蹴り続けるよう教える親なんて、いる?
それに…………
僕:[考え方が…………汚い上に幼いんだよ。]
浮遊少年:[………………?]
情けは人の為ならず、って言葉知らないの?知らないかぁ。
まあ此処、日本じゃないしねぇ…………にしたってだけど。
僕:[人はねぇ…………生まれてくるんだったら、必ず誰かに助けてもらわないといけないんだよ。]
浮遊少年:[…………何の話だ?]
道徳的な話だよぉ、ちびっ子ぉおお………
僕:[僕は、生前は色んな人に助けてもらった。お母さんとお父さんに育ててもらったし、学校の先生に勉強教えてもらった。]
…………ヤバいなぁ、こんなおしゃべりしてる余裕ない筈なんだけどなぁ。
僕:[友達に楽しさをもらった。]
……………………
僕:[だからぁ!生まれてきたら助けてもらわないといけないし、人助けしなくちゃいけないんだよ!!]
そうだよ………そうしないとずっと一人だ。
一人だと………………何にも出来ない。
僕:[お前もさぁ!!生まれてきたってことはぁ!親に産んでもらったってことだろう!?それとも何かぁ!?一人で生まれてきたのかぁ!?だから人助けしないってぇ!?人道なんて知るかってぇ!?そういうことかぁ!?]
浮遊少年:[………………………………]
僕:[黙り込んじゃって〜、そんなだから子供なんだよバ〜カ!!]
ハァ〜、ぶちまけた〜。
もう思い残すことは……………あるけどないわ〜。
………………………………
浮遊少年:[………………ほう………………]
……………………………………?あれ?
蹴るのが……………止まっ、た……………?




