最低な考え方
ドウシヨウカ…………
やっぱりこのまま放置は…………元人間としてはダメだよね〜。
うーーん…………
ぬぅううう……………となるとぉ〜………………
僕:[あの、えっと、考え中のところすいませんがその人を助けてあげてください!!]
メッチャ早口になった。
まあ、気にしないで!
浮遊少年:[…………は?]
僕が話しかけたのに気づき振り返ると、何故かちょっと睨まれてるんだけど…………
何でぇ?
睨みたいのはこっちなんですけど!?
昨日も今日も蹴り飛ばされたし!今日のはもう本当に危なかったし!!
なのに謝ってもらってもないし!!
それなのに何で僕が睨まれてるわけ?
浮遊少年:[どうして俺がこんな塵を助けてやらなければならない?]
…………え、どうしてって…………
僕:[その人…………死んじゃいますよ?]
浮遊少年:[ああ、死ぬな。]
いや、え?死ぬなって……………………それだけ?
僕:[見殺しにするんですか!?]
浮遊少年:[見殺しにして何が悪い?仮に一命を取り留めたとしても……………]
その時、その子供はチラッと倒れている人の方を見て…………
浮遊少年:[どうせ死ぬ。]
……………………………………………………
浮遊少年:[そもそも、助けてやる義理もお前に従う義理もない。]
……………………………………………………
は?
僕:[何それ、ふざけてんの!?]
ッッッっっッッッっッッッっっっッ!!!
浮遊少年:[…………………あ“?]
僕が睨むと強く睨み返して来た。
今度はさっきのような軽いものではない。
重くて、威圧的な、恐ろしい睨み方……………
けれども流石に、臆病な僕にだって引けない時がある。
僕:[あのさぁ!!義理がなくちゃ人助けの一つもできないの!!?冷酷にも程があるでしょこの人でなし!!!]
我慢の限界でもあった。
だって、あれはない。
人道に反する冒涜だよ!!
僕、もう人間ではないけど。
それでも一応年上としてこういうことはきっちりと…
浮遊少年:[………………………]
っ……………無言な圧というか、殺気というか……………
こ、怖、ああ、いや、怖くない怖くない!!
こんな最低な倫理観の餓鬼なんぞに屈するほど僕は軟弱ではないんだから!!!
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫、大丈……
僕:「グガッ……っ!!!?」
……………………………………………………………………!?
蹴られた。
蹴られ……………た?
それも今までとは違う、信じられない速度と、力で…………
蹴り飛ばされて、壁にぶつかって、落ちて、そして…………
僕:「う、グガぇええェェェェェ…………!!」
吐いた。
けれどもゲロではない。
吐いたのは………………血…………
え……………………
痛い、でも、違う。
内側が、痛い!!!!!
僕:「ウオェェえェええェェェェ!!!」
血が止まらない。
何?もしかして内臓潰れた?僕、どこ蹴られた?痛い、骨曲がった?折れた?やばいグキグキ鳴って…………え?死ぬ?死ぬの?待って、え?血、止まらないんだけど……死ぬ?痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……………………
僕、今何考えてる?
気持ち悪い……………やばい、頭が……………




