その微笑みから危険を察知!!
魔法、魔術、それは僕にとっては架空の技。
それが!今!目の前にあるのに!!手を伸ばさないなんて無理!!!
僕:[ちょっと!ほんのちょっとだけで良いから教えてもらえませんか!!]
僕は切実に頼み込む。
浮遊少年:[お前に指導をして俺に何の得がある!!!」
しかし、断固拒否される。
この繰り返し。
…………………………………疲れてきた。
何となく、いや絶対に僕はどうしてか嫌われてる気がするけど。
まあ色々悪口言っちゃったけどそれにしたってなんか…………なんか…………
浮遊少年:[ハッ!妄言にも程があるな!!いい加減諦めて汚らしい臭い犬小屋にでも帰れ!!!]
…………………………………………………う〜〜〜わ殴りたーーーい!!!
嫌ってるにしてもあんまりな言い草!
前回ので何となく分かってはいたようん。
でもそれはないと思う!!
こんなに切実に!!可愛らしく!!必死に頼み込んでるのに!!
突っぱねるなんて酷い!!鬼!悪魔!人でなし!
…………………………………なんて言っても通用しない。
あ〜どうしよう。
このままおめおめ帰りたくない〜!
せっかく抜け出してきたのに〜!
それに此処で引き下がるのは後で凄く癪に障る気がする!
う〜ん何か交渉材料的なものはないのかー!
がんばれ僕の小さな脳みそ!振り絞れ!
何か、何か………………………
僕:[……………あ、えっと、何でもしますから!!]
浮遊少年:[はぁぁ?そんな赤子より多少大きい程度の体で何が出来るんだぁぁ?]
………………………………………
ぬああ〜〜〜!!ぐうううぅーー!!
それなら〜!えっとを〜!!
……………………………………………
僕:[……………どうしたら教えてくれるんですか?]
率直に聞いた。
だってそれしかないじゃん!
今は多少身構えてるから蹴らないでいてくれるだけで下手なこと言ったらまた蹴られるかもだし……………!!
風圧かなんかで天の彼方まで吹っ飛ばされるかもしれないし!!
また気絶するのとか御免だから!!無理無理ゼッタイ無理!!
浮遊少年:[……………………………………………………………]
…………………………………………………………………………ん?ちょっと迷ってる?
なんか突然すっごい固まって…………
もしやこれは交渉の余地あり!?
………………いや待って。
まだわからない。
冷静になるんだ僕。
さっきまで僕のこと喧しくて嫌いってだけで蹴り殺そうとしてた鬼がそう簡単に弟子だの何だのにしてくれるわけないし……………
は!まさかこれは……………無視されて|浮遊少年:[………………よし、ならその気概を見せてもらおうか。]
…………………………………え?
浮遊少年:[今丁度この屋敷に不届きものが忍び込んだ。夜が明ける前にとっ捕まえてこい。]
…………………………………え?いや、は?んん?な、なんて?
訳がわからず慌てている僕。
それとは対照的に、ニヤニヤといやらしいように笑う子供。
…………………………………いや、これは………………あの幼児とはまた種類の違う悪魔だ!!!
何だろう…………状況は飲み込めないけど嫌な予感が〜〜!!!




