忍者の才能!?
はい、問題です。
僕は今何処にいるでしょう?
見てあれ。多分トイレなんだよ、僕(犬)用の…………
見てあれ。玩具なんだよ、僕(犬)用の…………
…………………………………
「うわあああーーーー!!!」
出せー!此処から出せーー!!
そう、此処は僕(犬)用の部屋。
僕は幼児とランチをしてからまた肩車で遊ん?でいたんだよ。
それで僕が吐きそうになってると、出たんだよ。
幼児を叱りつけてた顔の怖いお爺さん!
その人に急に宙吊りで持って行かれて………………此処に入れられた。
この部屋には小さい窓が高い位置にあってちょっと暗い。
それと…………贅沢を言う様で悪いけど…………狭い!
いやワンちゃん一匹にこの広さなのはすごいと思うよ!?
でも……………幼児の部屋見てるからなぁ〜
それに…………誰もいないし…………
「はぁ」
外に出たいな〜、誰か開けてくれないかな〜
扉の方をチラチラ見る僕。
しかし、うんともすんとも言わない扉ちゃん。
……………フラグ回収には至らなかった。
よし、脱獄しよう!
……え?ノリ軽いね?…………ふ、当たり前じゃないですか、僕ですよ?
僕は人生をノリと欲求でやり過ごしてきた男!
そしてこんなペットに成り果てた今!僕に失うものなどちょっとしかない!!
僕は自由に動くのだーー!!
………………あれ、この間もこんなこと軽はずみに宣言した様な…………デジャブ?
まあいいや。
…………さて、どうしようか…………
まずは取手を確認!
あ、取手の上に鍵穴がある…………
…………何で上なの?
もしかして、抜け出すことを想定されてる!?
いやいやそんな馬鹿な〜。
………………よし、幼児の部屋の時と同じ手法でいこう。
僕用に用意された大きなクッションを引っ張って…………乗る!
僕は割と脚力があるらしく、昨夜と同じ様に簡単に届いた。
高幅跳びとか結構いい線いけるかも!
………………とまあ、それは置いといて。
問題は此処だね。
この鍵穴…………鍵がないと開かないよねぇ。
う〜ん………………………………………………………あ。
ふと自分の爪を見た。
長くて尖っていて、危なそうな爪。
…………よしやってみよう!忍者とかがよくやるやつ!!
僕は足をぐっと伸ばして扉にへばりついた。
僕が成長したのか扉が低いのかギリギリ届いた。
足をプルップルさせながら何とか…………
よ、し………………爪を入れて………………
鍵穴は思った以上に大きくて扉の向こう側がくっきり見えた。。
爪もすんなり通った。
ふむ、中は…………ごっちゃゴチャ…………
でも…………僕目がいいのかな、かなり細かいところまで見える。
忍者の本で読んだ気がする。
扉が開かない様に固定してある部分を動かせばいいって!多分!
これなら…………いけるかも!僕頑張る!!
…………こうして、何と夜まで鍵穴に指を入れてガチャガチャしていたのだった。




