ちょっと一息
ガチャン…………
と檻が閉められた。
……………………るえぇぇぇぇぇぇ!?
またー!?ま〜たこの狭い檻の中〜?
そんなーー!!
心底テンションが下がった。
老人:「#############」
幼児:「##…………」
そんな僕よりもずっと苦い顔をしている幼児は、その原因であろう老人に連れて行かれようとしている。
……待って!朝ご飯!朝ご飯は!?
僕:「ガァぁうが!?」
ガタガタと檻を揺らしながら呼び叫んだ。
すると…………
扉を開けかけていた老人はピタリと手を止め、直後バっと僕の方を睨みつけてきた。
…………っひえ!!!!!え、えええええ!!!
驚いて思わず後ろに退がった。
こっわ!!なんて表情を!!子供にそんな怖い顔したらダメでしょ!!!
ダメダメアウトアウトアウト!!!
ガタガタガタガタ震えながらそう思った。
僕が黙ったからなのか老人は止めていた手を動かし扉を開け、幼児を外へ連れ出してしまった。
それに続くようにメイドさん達も外へ出て行く。
……………………またあの子何かやらかしたの?
こんな朝っぱらから何をやったの、まったく…………
…………まあ、どうせしょうもないことだろうし…………忘れよ〜
(暫くして)
ガチャッ………………
その扉は再び開けられた。
僕:「…………?」
この音って…………帰ってきた!?
僕は心を躍らせた。
さあ!早く僕にご飯を寄越すんだちびっ子!!
しかし、ゆっくりと開いてゆく扉から見えてくる姿はあの幼児のものではなかった。
もっと大きな、背の高い…………メイドさん!?
服装からしてメイドさんであることは間違いない。
もしかして…………ご飯!?
それを肯定するように入室したメイドさんは両手に食事を持っていた。
おぉ!おお!女神はここにおられた!!
ありがたやー、ありがたやー……
メイドさんはサッと僕の目の前にご飯を置き素早く去っていった。
…………え、早。
もうちょっとゆっくりしていってもいいんですよ?
……………………
誰もいなくなり、部屋は静まり返っていた。
うーん、急に一人になると寂しい…………
…………けど!!僕にはご飯があるし!!
それではいただきまーす!!
僕は食事をじっと見つめる。
………………うん、やっぱりドックフード。
まあ、そうだよねー。
犬扱いだよねー。
実際犬科なわけだけど……
元人間としても、狼としても複雑な気持ち…………
けどまあ、しのごの言わずに食べましょう!!
パック!…………うーん美味しい!
こうして僕はぼっち飯を堪能したのでした。




