もうすぐ早朝
ムシャムシャ、パクパク…………
[これ美味しいですね!!]
[…………お前、わかりやすい性格してるな…………]
わかりやすくて結構!!ご飯の方が大事大事…………ん?何の話かって?
まあ簡単にいうとね、買収されたの!!
これあげるから静かにしてって言われてね。
食べ物くれるなんて意外だったよ〜!
人は見かけによらないね〜…………犯罪者だけど…………
[で、どうしてここに不法住居してるんですか?]
[間違ってはいないが…………人聞きの悪い…………]
ムシャムシャ、パクパク、僕は貰ったクッキーやら何やらをとにかく食べる。
食べながら話す。
[まあいい。しかし、正直言って俺はもうお前に用はない。気になることこそ多々あるがお前は知らんようだしな。]
……………………ん?
[話してやる義理もない。はっきり言えば、邪魔だ。]
!?な、なんで!?なんかゴミを見るような目で見られてるんだけど!!?
そりゃあ、心が読める相手の前で悪口たくさん言ったり、奇声をあげたりしたけど!!
………………………………………………すみません。
お菓子貰っといてすみません。
色々やりすぎました。
でも珍獣とか家畜って呼び方はやめてもらいたく…………
[そういう訳でな、犬畜生。お前とはもう会うこともないだろう。]
そう言ってふわふわと浮かんだ少年は振り返りもせずに図書館のさらに奥へ奥へと進んでいく。
………………おい、ちょっと待てやゴラーーーー!!!
[絶ッッッ対わざと!!!わざとやってる!!]
[はぁ〜?当たり前だろう?…………もう一度言おう、俺にとってお前は邪魔だ。]
はい前言撤回!!!こいつはヤベェぇ!!
と、キャラを見失いかける僕。
[じゃあな。]
の一言で立ち去ろうとする浮遊少年。
[待てーい!!散々悪口言った上に自分だけ話聞いて満足するなんて許さんぞーい!!!]
追いかける僕。
……………………………………………………………………
※暫く追いかけっこが続きます。
……………………………………………………………………
[………………しつこい。]
「ゼーハー、ゼーハー、はあぁはぁ、はぁ、はぁ…………」
う、食べたばっかりなのにぃ…………苦しい。
みんなも、食後に、無理な運動は、しないように…………ガク…………
[…………………………お前、こんなところにいてもいいのか?]
「…………んぇ?」
自分でも間抜けな声だったと思う。
[もうじき夜明けになるが…………]
……………………へ!?
よ、よよよよよよよよよよよヨアケ!!!!?
(その頃、脱走してきた寝室では……)
「##〜##……######……」
幼児は何故か乱れた布団の中に寒そうに眠っていた。




