ランタンを手に持った…
だだだだだだ、誰!?
何処から……え?て言うか日本語!?
[……何だ?雑念ばかりだな。読み取りづらい……]
…え?何、雑念?さっきから何、何処で喋ってるの!?
こんな夜中に……え、もしかして幽霊?悪霊?
[聞こえているんだろう?お前は誰だ。]
…………いや、聞こえているけど!いるけど!
今の僕の滑舌でどう答えろって言うの!
大体何が、お前は誰だ、だよ!
そういう時は自分から名乗る物でしょう!!
[黙れ、質問に答えろ。]
……………………え?黙れって言われた。
い、今、僕喋ってないよね?何で?え?
こ、心を読まれた?……みたいな?
いやいやまさかそんな……超能力者じゃあるまいし……
[答えろ。]
……もしかして僕の脳に直接話しかけてる?
[さっさとしろ、あと十秒以内に答えなければ殺す。]
え!?こ、殺す!?何言ってるの!?
嘘、やばい、答えるってどうすれば……
………………〜っ!
[ぼ、僕は元地球の日本出身の平凡な男です!]
僕は心の中でそう強く念じた。
[……チ……キュウ…………?星の……名か?]
ぎゃあああああ!!!本当に心が読まれてる!!?
なんて邪道で羨ましい!
じゃなくて!さっきから誰!?何処にいるの!?何でそんなこと出来るの!?
まさか本当に霊だとか言う訳でもないだろうし……
[上を見ろ。]
え、上…………?……………………!?
本棚どうしの間の、奥の天井に近い真っ暗な壁際辺りに光が見えた。
それはついさっき見たものと似たような明かり。
え?……ええ!?ひ、人!?まずい、隠れないとぉ!!…………うん?あれ?あの明かり宙に浮いてる?
いやいやいや、そんな幽霊みたいなねぇ〜?怪奇現象みたいなねぇ〜?
…………逃げようか。
僕は一歩後ろへ下がった。
そして、振り返って逃げようとしたその時、力強い声で呼び止められた。
[おい、待て!!!]
っひ!
次の瞬間、頭を叩かれたかのような痛みに襲われた。
……っ!!な、何!?………っ……痛!!
頭がいた〜い!ジンジンする……耳鳴りみたい……
僕はその場に伏せて頭を抑えた。
[そうだ……そこで待っていろ。]
……っ…………ぅえ?
伏せったまま、さっきのランタンの明かりを見た。
すると浮かんでいた明かりがいきなりこっちに向かって飛んできた。
?……!?!?!?!?
な、に……あれ……?え、こっちに来る……
僕はすぐさま逃げようとした。
けれども頭痛が治っていなくて動けなかった。
わーー!!!やばい!怖い!きもい!こっちに来るー!!
怯えながら僕は近づいて来るランタンを見た。じっと見つめた。
するとランタンの後ろに人影があることに気がついた。
さらにもう一つ、ランタンが浮いているのではなく、ランタンを持った人が浮いているのに気がついた。
あ、あ〜、黄泉の国への案内人みたいな…………いや、まさか……まさか……
そんなの……いない……よね‥‥?
僕は伏せったまま、這うようにゆっくりと出口へ向かう。
[……はぁ、待てと言っているだろう。]
………………………ッッッッッッッッ!?
僕はランタンの明かりの方を見た。
すると、スラっと背が高く見える少年が宙に浮いたまま僕を見つめていた。




