怨霊の声?
真っ暗。月明かりが窓から差し込んでくるからあの倉庫ほどではないけど、それにしたって暗い。
こう言う時懐中電灯があったらなぁ。
って、あっても使えないけど。
…………とりあえず、食堂でも探そうか!!ふはははは!
もうさっきからお腹がぐうぐう鳴りっぱなしなんだよね!
お腹減ったから夜食を食べよう!
今日貰ったご飯美味しかったし、きっと食堂には動物用の食べ物以上の物があるはず!
嗚呼、期待が膨らむ!
あ、でも…………まあ、朝になる前に戻ればバレないよね?ちょっとぐらいつまみ食いしたって……
それに、夜ご飯くれなかったのが悪いし……
あれ?でも僕何時にご飯食べたんだろう。
お昼?夕方?……夜、ではなかったと思うけど……
まあ……大丈夫、大丈夫。
僕はトコトコトコトコ廊下を歩く。適当に……
くら〜い廊下をトコトコトコトコ……
いろんなところを歩いて、曲がって、歩いて……
そうしてなんと大きな扉を見つけた。
今度のは今の僕の大きさを差し引いても本当に大きいと思う。
………………これ、食堂ではなさそうだよね。
見るからに仰々しい、何か凄いものが入ってそうな扉ではあるけども……
僕の求める物ではなさそう。
と言う訳で無視無視、先に行こう。
そう考えて通り過ぎようとしたその時、扉がちょっとだけ開いているのに気がついた。
丁度僕が通れるぐらいの隙間。
………………実を言うと僕が脱出した部屋からこの扉まで結構な距離があって、その間に割と沢山の部屋を見かけてはいたんだよ。まあでも、開いてなかったと言うか……開けられなくて。
……………入ってみる?僕が入れるのって多分此処だけだろうし。
ん〜、でもな〜、僕が求めているような物ではないだろうしな〜。
それに何か気味が悪いしな〜。いや、夜だから何処も気味は悪いけど……
「ウ〜ム」
としばらく唸っていた。
……よし!入ろう!!
僕は心の迷いを切り捨て中に入った。
お邪魔しま〜す……
中に入るとそこには予想以上に広い不思議な空間が広がっていた。
無数の本棚が綺麗な配列で聳え立つ、どこか不気味でどこか趣のある図書館。
……不気味なのは夜だから、かな?
うん、きっとそう…………ランタンぐらい置いといて欲しい…………
僕は天井を見上げた。
見上げるぐらいにこの図書館の天井は高く、それに伴い本棚も高い。
天井にある半球状の大きなステンドグラスからは月の光が差し込んでいる。
顔を下げると本棚の間には長い通路があり、先が見えない。
…………すっごく広い。ものすごーく広い!
……………………さて、どうしようか。
此処を探索するか、戻るか…………
[お前は誰だ?]
わっ!?
突如、謎の声が頭の中に響いてきた。




