安眠が欲しい
かれこれだいぶ長い時間遊びに付き合っているわけですが……いい加減やめませんか?
「#########!」
止める気はない!とでも言っている様に聞こえてくる。
腕も首も、もう痛いんですよ……
とそこで扉の方からコンコンという音が聞こえてきた。
「####、#########」
「####〜、##########……」
ノックされた扉に向かって幼児が振り返る。
……何か残念そう。御用事ができたとか?
でも僕からしてみればラッキー!
さあ!さっさと行くんだ!
「########……」
……手を振ってきた。しょんぼり顔で……
…………まあ、また今度遊ぼうね。
バイバ〜イ。
僕も手を振った、様に見えると思いたい。
トボトボと歩いて幼児は出て行った。
「バタン……」
はぁ〜、やっと終わった。
……プレゼント、ねぇ。本当に?もしかしたら僕の勘違いだったりとか?
うーむ、まあ、どうでもいいや。
僕が買い取られたのは事実、それは間違いない。
ご飯もついてくるし、寝床は、うん、変わらないけど……でも屋根がある。
何故か知らないけど凄くいい場所に来ちゃった。
当分ここで居候できそう。
僕って、超絶運がいいのでは!?……いや、狼に生まれた時点で運は良くないか。
それにまだ檻の中だし……
「はぁ……」
僕は肩を落とした。初めから落ちていたけども……
(夜)
「スーハー、スーハー」←寝息
僕はすっかり夢の中。そんな時、再び、再びあの幼児がやって来た。
バタン!!!
「フガッ!?」←起きた声
こ、この乱暴な扉の開け方は……
「############!!」
出たーーー!!誰かーー!
幼児がまたやって来た。
あ、今度はメイドさんも一緒だ。
「########!」
「###、#######」
メイドさんが幼児に言われて明かりをつけた。何だか少し疲れている様に見える。
明かりはあの闇組織の基地みたいなところにあったランタンのと似てる。若干オシャレだけど……
ガチャッ……
……?
「#########!」
……え?ちょ、ちょっと、え!?
檻が開けられたかと思ったらいきなり引っ張り出された。
一体この幼児は何を……「グガ!?」
…………え?だ、抱っこされて、る?
「#########〜♪」
幼児とメイドさんは部屋を後にした。僕をつれて……
これは……お、お持ち帰りされた!?
明るくオシャレな廊下をトコトコ、トコトコ、二人は歩く。
こんな時間にどうして……
何処!?何処に連れて行く気になの、この悪魔は!?
「フグググ………!」
僕はジタバタ暴れた。けれどもこの幼児には全く効いていない。
……いや、効いてなくても止まってよ!!無視しないでよ!!
僕はジタバタを続ける。
しかし、昼間見た通りこの幼児は見た目に反して怪力な訳で……僕では文字通り、手も足も出ない。
メイドさんにも助けを求めたけど、多分無視された。
暫くして幼児は漸く目的の場所に辿り着いた様で足を止めた。
幼児が静かに扉を開く。
そこには綺麗で僕からしたら大きめの白くて丸い器が……




