何だこの美少年は!?
ゆらゆら、ゆらゆら、床が揺れている。
これにはもう慣れた。察しがつく。
そう、檻が持ち上げられている。
何処に向かっているのかはわからない。
というか前も見えない。
何故なら、目を伏せているから。
……元気が……ない。体が、だるい。
もう数時間は寝たと思うんだけど、それでも眠いしだるい。
どうしようか?うーん……まあ、どうしようもないよね。
そうだよ、どうしようもない。
(それからしばらくして)
「「「###########!!!」」」
「ダァァ!?」←飛び起きた声
な、何!?何この声!
突然の大きな声で目を覚ました僕は周りをキョロキョロ。
見てみると周囲には使用人のような人達が大勢いた。
僕を中心にするように取り囲んでパチパチ、パチパチと拍手をしている。
え?な、何?どうしたの?どうされたんです?
訳がわからない。何で僕に拍手してるんだろう?
「#########!!」
?誰?この可愛い声は誰?
甲高い幼児のような声が聞こえて振り返ると……本当に幼児がいた。
あの馬車に乗ってた金髪の男性に近い色の髪に銀髪の女性に似た薄紅色の瞳。
…………あ、僕じゃなくてこの子に拍手してるのか。
この子を中心に囲んでるみたいだし。何でかは知らないけれど……
「#############!」
うおっ!?美少年が話しかけてきた?
あー、えっと、こんにちは。君は誰ですか?
…………肌しっろ!!凄い綺麗。見目麗しいってやつだ。
あの御夫婦の子供かな?似てるし。
それにしても子供でこの顔は…………ずるい。
ずるい!今世の僕はもちろん、前世の僕でも勝てないぐらいなんですけど!?
なんてことだ……割と自信のあった前世の僕の顔面偏差値が滅茶滅茶低く感じる。
なんて考えながな睨みつけてると……
「############!」
「フガ!?」
何とこの美少年は僕の口に変な食べ物を突っ込んできたのだ。
……あ、でも割と美味しい。サッパリしたお味の……パン?みたいな……
「##########!」
「ヘブ!?」
え!?まだ食べてるんだけど!?ちょっと待って、くれるならもう少しゆっくり……
「#############!」
あ〜〜〜!!美味しのだけど!もっとゆっくり!
僕生まれたて(?)だから口も小さいんだよ!
「ムー!ムムーム!」
僕は必死に訴える。
けれども少年は面白がっているようで手を止めてくれない。
どうしよう……
と困っていたところで少年の後ろから声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声の主、それは……
「###########」
そう!僕を買ったイケメンな……お兄さん?おじさん?見た目は若く見えるけど……
何だろう、こうして見るとなかなか大人っぽい雰囲気がする。
あ、奥さんもいらっしゃる。
「#############!」
少年が何か御夫婦に向かって話してる。
やっぱり家族だ。間違いない。
大人っぽいイケメンに、美しい女性に、愛らしい少年。
目がやられそう。凄い。
「################!」
ガチャッ!
……………?え?あれ?僕の首に、変な紐が。え?
「###########!」
少年は満面の笑みで微笑んだ。
……………って、え?ど、どういうこと!?




