兄弟の食事
僕の出した結論は転生だ。
どうしてそんな結論になったかというと、思い出せる最後の記憶。
コンビニに寄って帰っていた時、雷に打たれた……気がする。
というわけで死んで動物に生まれ変わったと推測した。漫画、小説定番。
だって夢以外それしか思いつかなかったんだもん。仕方ない、仕方ない。
リアルすぎる夢か現実で転生かの二択。
でも、夢でも転生でも動物は普通に嫌だ。
だって人間じゃないんだよ?野生のだよ、野生の。嫌に決まってる。
帰りたい………いや、何処へ?
夢なら覚めるのを待つしかない。現実なら尚のこと帰れない。
だって、動物だし。せいぜい動物園が関の山……
嫌だ、動物園なんて絶対嫌だ。
というか人に飼われる時点で嫌だ。
ああいや、落ち着くんだ。「スーハー」
よし、大丈夫。前向きに考えよう。
夢ならいつか覚める。生まれ変わったなら寿命が伸びたと思えばいい。
………帰ることは今は考えないようにしよう。頭が痛くなるから……
「ガサ」「ヒャッ!」
な、なんだ、なんだー⁉︎思わず変な声が…(恥)
後ろの方を見るとそこには……狼?
可愛らしく眠った小狼達がそこにいた。
愛らしい………って、見惚れてる場合じゃない。
これは、兄弟?それか姉妹?どっちでもいいや。
はじめまして。僕は三鳥稀有って言います。
稀有って変な名前だよね。
まあ、気にしないでくれたまえ。よろしく我が兄弟。
HAHAHA!……………前向きにね、考えなきゃね。でも…
うぅ、やっぱり狼だ。この見た目からして想像はしてたけど…
「はぁ」
僕は無意識に藁の簡易ベットに寝転んだ。
それからしばらく経った。
いや、こういう時は時間が遅く感じるからそんなに経ってはいないかもしれない。
色々考えを整理していると、歪な声が聞こえてきた。
「グゥゥゥ」「ん?」
今度はなんだ?またきょうだ…………
わーお、こ、こんにちは、親狼さん!結構いかついというかカッコいいね。
何持ってるんですか?え?いや、ポイって……………………
毛が逆立った。
動物の、死骸だ。
気持ち悪い。
ゾワヮヮ、なんだ、後ろから気配が……………………
ま、マイブラザーズ、なんだその目は……
小狼達は僕を無視して死骸、肉に食らいついた。
僕はただ、それを見ていた。