メイドさんに感謝
定期報告:更新は今後も遅れ気味になることが多々あると思われる。
……暗いです。怖いです。寂しいです。
ここは馬車の中。馬車は現在車庫に入れられている。つまり僕は車庫にいる!
この!薄暗い!車庫の!中に!
誰かー!助けてー!
「ガガガアー!!」
お腹すいたよー!!出してよー!
何度も何度も僕は叫び続ける。
けれども扉は開かな……?
何か扉から音が聞こえてくる……
扉からガチャッと音がした。
………へ!?あ、開いた!?ッ…眩しっ……
いきなり扉が開くと同時に光が差し込み目を伏せる。
そこに現れたのは……
「########」
え、メイドの人?それっぽい服着てるし。
目の前に現れたのはショートヘアの女性。
あと、薄暗い馬車の中からでもわかるぐらい印象的な目をしている。
顔は……よく見えない。目は見えるのに、何でだろう?
あの御夫婦も変わった目をしていたけど、この人は特に……
「##########、#############……」
え?これ、ご飯?…………いや、餌?
このクッキーみたいな粒々が、ご飯。
やっぱり僕ってペットなんだ……
……でもまあ、有難く、いただきます!!!
僕はガリっと口を大きく開いて頬張った。
「##########」
メイドさんが何か言ってるけど気にせず食べ続ける。(あと言葉がわからない)
美味し〜い!!うま〜〜〜い!!!
クッキーっぽいけど!お菓子っぽいけど!
ボリボリ、バリバリ、僕は久々の食事にすっかり夢中。
いや〜、良かった。このまま放置されるかと思った。
メイドの人が持ってきてくれたランタンで明かりもバッチリ!
僕は暫く食べ続けた。休まず食べ続けた。
メイドの人はそんな僕をずっと見ていた。
時々笑って見えるけど、いや〜、僕ってやっぱり可愛いのかもね!
うん!そうだよね!きっと!多分!絶対!
そんなことを考えながらご飯を食べ終えると、メイドの人は途端にお皿を下げて扉を閉めた。
……え?ま、待ってお姉さん!もうちょっと!!もうちょっとだけ!!
せめて明かりを置いてって!!!
「ガウガガガ!!」
しかし、聞こえてないのか無視されたのかメイドの人はそのまま行ってしまった。
なんか、デジャブ?
……僕っていつも何処かの中にいるよね。
でも食事が貰えたのはよかった。
しかも生肉じゃないちゃんとした(?)ご飯。
美味しかった。お腹が空きすぎてたから余計に。
……そういえば僕ちっとも食事してなかったんだよね。
なのに何でお腹が空いたぐらいで済んだんだろう?
でも今の僕って謎動物だから有り得なくはない?
…………うん、しーらない。
分からないことは仕方ない。
一旦忘れよう。
「ふぁぁ」
おかしいなぁ、もう何度も寝てるはずなのに、体が、だるい………
ウトウト、ウトウト、僕は再び夢の中。




