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猛獣の化け方ガイド  作者: 水蛍
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耐えろ!

お金持ちだ!って言葉しか出ないんだけど。

だってこんな高級感あふれる部屋で平然と話し合ってるんだよ⁉︎

は!もしかして僕ってこの人達に買われるの?

もしかしたらだけれども!だけれども‼︎

そして僕は檻に入ったまま卓に置かれた。これはきた、い?

ふと横を見ると僕の他にも色々な動物が置かれていた。

鳥、ハムスター、リス、猫………負けた。

これ絶対負けた‼︎だってすごい可愛い奴らが勢揃いですよ⁉︎

そこに何で僕が来たって思っちゃうぐらい可愛いし………

実際何で連れてこられたの?狼を買う人なんてもっとこう、サーカスとか、あとは、変人?を想像してたんだけど。

貴族風男女が檻の中を覗き始めて緊張する。

と言っても、一瞥されただけであまり見られてないんだけど。

それでも近いんだよ!

あと何気に美形だし!

「####」

と、声が聞こえ後ろを見る。

すると僕を運んできた人が部屋の外に出ていくのが見えた。

先ほどの声の主は夫婦と対面している若い商人だろう。

若いと付くからには、そこにいる夫婦や退室した人よりかは若いのだ。

そう、童顔。

身長的には決して子供ではないと思う。座ってるからわかりずらいけど。

でもそこはどうでもいい。

僕としてはこの男の営業スマイルの方がずっと似つかわしくない。

ずっとニッコリしたまま喋り続けてる。

童顔だから可愛くも見えなくはないけど、それにしたって何か、うん………残念な感じ。

手も胡麻擂りの動きしてる。

「#######、###########!」←商人

「#######」←男性

「##########!」←商人

「############」←女性

何を言ってるのかはわからないけど商品説明をしてるんだと思う。

そしてそれを夫婦は聞き流しているんだと思う。

見た目は三者とも悪くないのに複雑な気持ちになるよ。

因みに、悪くないというのは顔だけじゃない。僕を運んできた人もなかなか良い物を着てたと思うけど、あれよりずっと箔がある服を着てる。素人目でもよくわかる。

まあ、此処にいる時点で当たり前だね。

その上品な服に見惚れていると、それを着たお客がついにこちらに近寄ってきた。

あ、漸く僕の番か。

………えっと、どうも、こんにちわ?

「ワ、ワン」

犬の真似………そういえば此処に犬がいない。

え?もしかして僕って犬?扱い?

え〜、それはちょっと無理がある気がする。選抜ミスしちゃってるよ。

………それから少し商談が行われた。

商人の方は呆れるほどによく口が動く。

と言っても嫌味ではないよ?きっと商売人としては大切なことなんだと思う。

………でも、言葉がわからない僕からしたらペチャクチャ何かを言っているだけにしか聞こえない。

そこはどうしようもない。だってわからないんだもの。

どこの国の言葉なんだろうねぇー、アハハハ。

僕の知能指数が若干低くなってきていると、いきなり男性の方が覗き込んできた。

ウォォ!びっくりした!

それから少しの間視線が刺さる。

意外と物珍しめに見てくるこの男にちょっと引き気味です。

あ、やっと顔が離れ、え?

………檻の隙間の先に手が出されていた。

これって………お手しろってこと?

………屈辱感が半端ない。

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