貴賓室
定期報告:二、三話ほど前のものは少々不自然であった可能性あり。
追伸、今回の後半部分の文章も不自然である可能性あり。
久しぶりに部屋の外に出た。
外に連れ出された。凄く眩しい。
やっと外‼︎………まだ中だけど。
二重の意味でね。檻の中だし、施設の中だし………
………一つ言いたいことがある。
檻が、狭い。
ずっと入れられてると凄く狭く感じる。
しかし僕の不快感は伝わらない。
お構いなしに檻をぐらぐら揺らして運び続ける。酔いそう。
運ばれながら檻の外を眺める。
初め来た時もそうだったけど、ここは非常に暗い。灯りはランタン。
僕を運んでいる人も片手に持っている。お陰で見やすい。
と言っても、キャンプで使うようなものには見えない。
何というか………古い?電灯ではないし。
灯油ストーブに近いものだと思う。下に摘みのようなものがあるし。
それと似たようなものが壁にも沢山つけられている。
壁は煉瓦積み。綺麗に埋まっている。これで周りに埃がなければもっと綺麗だ。
そう、薄暗くても見えるほどに埃がひどい。
「ケホッ、ケホッ」
と軽く咳をする。でも、僕を運んでいる人は全く平気なようだ。
生活習慣病?知るか!どんとこいや‼︎って感じ。体格も良いし。
この人が着ている服は狩人達や僕を部屋に放り込んだ奴とは違いしっかりしている。
正装だ。洋風の、色彩には欠けるかもしれないけど、整った黒服。
一般人の僕は見たことないねぇ。若干違和感があるよ。
でも何で態々身なりを整えてるのにこんな埃っぽいところに来るのかな?謎だ。
それから暫く歩いて曲がってを繰り返した。僕が歩いたわけではないけど。
………随分と複雑な道だ。曲がり角までの一つ一つが遠い。
部屋もなかなかの数があった。もしかしてここって倉庫とかかな?
巨大な店舗の倉庫。さっきまで部屋に入れられていた僕としては、ゴミ捨て場とは思いたくない。
………と、そこでまたこの運び人は角を曲がった。
まだ着かないようだ。非常に、非常に長い。
僕ってどこから入ってきたんだっけ?
絶対にこっちからではない気がする。何処に向かってるんだろう?
すると漸く着いたようで、運び人が扉を開けた。
「オオォ!」
目に映ったのはそれはもう豪華な部屋だった。
壁に細かく描かれた模様、それによく似合う絨毯。
綺麗な涅色をした短冊型とも言える横長の卓。その卓の端に置かれた味気ない、けれども美しい花々が入れられた灰色の花瓶。
細かな装飾と共に素材の良さが窺える対面した二つのソファー。
此処に来るまでにあった煉瓦済みの壁とは全く違う、滑らかな煉瓦で作られた暖炉。
その周りには装飾品の絵画や鏡、時計にスタンドライト。
高い天井には煌びやかなシャンデリア。
此処にある物は僕の生前含めても見たことがないものばかりだった。
驚くと同時に、高価であることがよくわかる。
ほんの数秒、部屋の中を見渡していた僕だったが、人の影があるのに気がついた。
次に目に映ったのは、この部屋によく似合う御夫妻と思わしき男女と、商人らしき若い男が対話をしている光景だった。




