絶対にわからないことは考えない
朝方、外の騒ぎで僕は目覚めた。
「ファァ……」←あくび
ん?何だろう?
チラッと檻の隙間から見ると、昨日の酔っ払い達が何か揉めているようだった。
どうしたんだろう?すごい怒鳴ってるけど……
「######‼︎###############‼︎」
「##########」
一方は怒り、一方は謝っていた。
見た感じだけど。
これは何かヘマをやったな。
謝っている方は激怒している方より確実に若い。
新人が上司に説教されるなんて、社会では日常茶飯事。
……社会で働いたことなんてないけど。
何をやらかしたんだろう?
…………あ。
そういえば昨日不審者が入ってきたんだった。
もしかして外で見張りをさせてたのかも?
だから怒られてるのか。
…………あの不審者は何だったんだろう。
昨日はちょっと怖くなって何も考えずに眠っちゃたけど。
…………どうして笑っていたんだろう?…………………………わからない。
生まれてきてからわからないことばかり。
本当に、わからないことが多すぎてイライラする。
それと同時に不安が募る。
何というか、今まではあの親狼によって最悪ではあるけど安定した生活を送っていた。
でもいきなり場所を変えられて、狭い檻に閉じ込められると、流石の僕でも不安になる。
と言ってもどうしようもないと昨日わかったし、流れに身を任せるしかない。
…………あの猫目の、人間?
覚えているのは薄気味悪さだけ。
親狼の怖さとは何か違う。
はぁぁ、何だかやる気がなくなった。
檻から抜け出そうってやる気が。
まあ、やる気があっても出られないけど。
…………あ、終わったみたい。
お説教が終わり、再び馬車が動かされる。
…………馬車を使ってる国って何処だろ?
ずいぶん今更だけど、ちょっと気になるよね。
インドや北アフリカとか?
…………眠い、気分が悪い。
昨日の不審者のせいだ〜‼︎
というわけで当分このテンションなので。
はぁぁ、心なしか馬車の揺れも酷く感じるし。
おじさん達の話し声も、馬の鳴き声も、うるさく感じる。
あ、馬の鳴き声は普通にうるさいか。
長いね〜、すごく長いね〜。
いったい僕はどこに運ばれているのかなぁ〜。
…………僕は眠い、おやすみ。
(眠ってからしばらく)
ガラララララ…………………
「うーん、ハァァアア」←あくび
もしかして着いた?何か大きな音がしたけど。
え?おっととと。
何かすごい揺れてる。
…………別の道に移った?馬車の中だとよくわからない。
進んでいくにつれて話し声が多くなっていった。
まるで、せりでもやっているような。
…………被害妄想からの推測かもしれないけど。




