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書斎?その前にご飯だよ!

さて、そろそろお昼御飯の時間ではあるが……今日のメニューはなんだろうね?

ここ、ケイオス領だと東は海が、南は森が、北は山岳地帯で西が王都へ向かう道に続いている大陸のほぼ端っこなんだよね。


だから食料には困らないかと思うでしょ?


残念!穀倉地帯が無いんだなー、これが。


畑はあるし、漁も猟も出来る。

ただ、西へ王都へ続く道は森を切り拓いて作った道なので、左右は森なんだよね。


だから、このケイオス領では穀物だけは輸入に頼って居るのが実情なんだ。


ちなみに領地自体はそこそこの広さがあるけど水源としての河が少し離れているから領内で掘った井戸だけじゃ水が足りないんだろうね。畑で野菜育てるのが精一杯っぽい。


だから、基本少し固めの黒パンにスープ、そしてサラダと肉か魚が出てくるくらいでちょっと健康に害が無いか心配な3歳児。


まあ、まだ健康を気にする年齢じゃないけども、確かこの領地の平均寿命は60〜70らしいから前世の日本と比べるとやっぱり短いんだよね、寿命。そこが心配なんだよなぁ………あ、一応北の山岳地帯から良質な岩塩が採れるから味付けは思ったより美味しい。ただ、前世を思うと醤油と味噌とみりんに胡椒と足りてない物が多いのが実情。


大きくなったら探すか作るかしようかな?(ちょっとしかノウハウ覚えてないからかなり試行錯誤しそうだが)


さて!そんな事を考えていたら食堂に到着!


おっと、母上が先に席に着いてるや。挨拶せねば。


「ただいま戻りました、母様」

「あら、いつもより早いわね〜。お腹空いたの?アリューゼちゃん」


俺は心で苦笑いしながらも表面上は笑顔を取り繕いながら


「はい、中庭の父様や兄様達の訓練も見ていたのですが、お腹が空いたので先に戻って来ちゃいました」


照れ笑いを浮かべて、恥ずかしそうに言ってのける俺。うん、子供の演技って、大変なんだよなぁ……


「そうなの〜。あと少しで出来るみたいだからもう少し皆が揃うまで待ちましょうね〜」

「はい、母様」


と、他愛の無い話をしながら待つ事暫し。父上と兄上達が戻って来た。


「やあ、2人共お待たせ」

「ただ今戻りました、母様」

「ただ今です、母様」


お?俺の事は無視かね兄上達め。と思ったら


「アリューゼ、いつの間に食堂に戻ってたんだい?さっきまで裏庭に居ただろう?」

「そうだよ、いつ中庭通ったのか気付かなかったよ」


あー、そういう事。父上は気付いていたみたいだが兄上達は分からなかったみたいだね。単純な話、邪魔にならないよう気配を消してすすーっと通り抜けただけだったんだけど。


「おや?2人共アリューゼがいつ家に入ったのか気が付かなかったのかい?ちょっと前にルシエルと乱取りしてる時に普通に通り抜けていたよ?」

「……そうだったのですか、まだまだ私も甘いようですね」

「ええっ!?俺はその時素振りしてたけど、家の方見てたのに全然気が付かなかったんだけど!」

「ああ、アリューゼは邪魔にならないようにと気配を消してたみたいだね。それではまだ2人には難しかったかな?」


まてまて父上、あっさりと『気配を消してたみたいだね』とかバラさんでほしい。

あー、2人共不思議なものを見るような顔してるじゃんかぁ……しかしそこでルシエル兄上が思い出したかのように


「ああ、そう言えばアリューゼは気が付くといなくなってる事が多かったね。その年で気配を消せるとは凄いじゃないか」


そう言って俺の頭を軽く撫でて席に着くルシエル兄上。トニー兄上はっと。


「ふ、ふ〜ん、まあ?確かに?アリューゼは気配が薄いもんね。それなら仕方無いかな?」


ちょっと別ベクトルで悔しがってるみたいだねぇ。俺に出来る気配消しなんて足音立てずに息を殺して自然体でいるくらいなのに。おっと、どこからかそんな事をする3歳児がいるかって声が聞こえてきそうだが気にしない気にしない。

本当に気配を消しきれるレベルじゃ無いしね。


「あら?父様、母様、ルシエル兄様にトニーにあーちゃん、もう揃ってたの?」


おっと、シャルロット姉上が2階から降りてきたね。……しかし、あーちゃんは辞めてほしい。赤ん坊ならともかく、そろそろ恥ずかしいんだが……辞めてくれないんだよなぁ……恥ずかしがってる所が良いらしく、名前で呼んでくれないシャルロット姉上であった。……もしやSのケでもあるんだろうか?いや、普段から溺愛されてるしそれは無いと思いたい。この姉がSだったら俺は泣く。間違い無く泣くね。


と、思ってたら配膳が開始され始めた。


「失礼致します。お待たせ致しました。只今より配膳を開始します」

「ああ、よろしく頼む」

「今日のメニューは何かしらね〜」

「動いてお腹が空いているからね。早く並べてくれると助かります」

「やった!今日は何かな〜♪」

「うふふ、あーちゃん。今日もあーんしてあげようか?」

「うえっ!?だ、大丈夫です!1人で食べられますので!!」

「あん、もぅ、あーちゃんのいけずぅ……」

「ほら、シャルロットにアリューゼ。食事前からお行儀が悪いよ」

「「はい、すみません(なんで俺まで…)」」


とかやってる内に配膳完了。

本日のメニューは…まあ、変わらずの黒パン。それからシチューっぽいクリームスープ。それとサラダに野鳥のトマト煮か。


「さあ、ではいただくとしようか」

「「「「「はい」」」」」


と言って食事を開始するみんな。そんな中俺はこっそり手を併せて心の中で(いただきます)と呟き、黒パンを千切ってクリームスープに浸して食べる。

うん、硬さが丁度良い感じになって食べやすいね。

クリームスープ自体も味付けはシンプルだけど、とろみがあるし、野菜や肉の出汁が出てるから塩でちょっと整えられてるだけだけど結構美味しい。

出来れば胡椒も欲しいけど、無い物ねだりしてもね。大きくなったら探して育てよう。

まず先に黒パンを片付けてから次はサラダ。ドレッシングと言うにはお粗末ながら良質な油と塩であっさりと食べられる。けど、あんまり量は食べられないね。飽きちゃうし。さて、最後にメインディッシュの野鳥のトマト煮だ。ナイフをスッと入れるとほぼ動かさなくても切れるくらいにホロホロ。これはよく煮込まれてるねー。味は……うん、美味しいは美味しいけど、前世ではコンソメって万能な味付け調味料があったからちょっと物足りないけど、3歳児のお腹にはちょっと詰め込み過ぎたかな。


食べ終わったけど、他の皆がまだ食べてるので許可が出るまで席を立つ事は許されないので許可が出るまで待機。

次に父上が食べ終わり、ルシエル兄上、トニー兄上、シャルロット姉上、そして母上が食べ終わった。

まあ、差なんて対してないから食休みしてたみたいなものかな?そこで父上が


「さ、皆。作ってくれたシェフや食材に感謝を」

「「「「「「恵みに感謝を」」」」」」

「では、それぞれ午後の予定に取り掛かるように」

「「「「「はい」」」」」


よし、それでは書斎に行こうか!……と、その前にトイレトイレ。用足ししてから書斎に向かう事にするのだった。

食事の風景って家族の団欒としてたいせつだと思うけど、ほぼ無言で終わってしまったw


貴族の食事ってあんまり喋るイメージ沸かなくてアリューゼの食レポになっちゃいました(苦笑)


とりあえず、次回は魔法!!

実はもう既にいくつか魔法は使えるけど黙ったままのアリューゼなのです。

このまま続きを書きますので暫しお待ちを。

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