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顔合わせ

あれから3日後。

遂に姉上と、トニー兄上へと会う気概を持ったリューネがうちに来る日だ。


まあ、来る日って言っても俺が宿まで迎えに行くんだけどね。


そんな訳ですっかりドタバタとした朝を過ごす事になったが、しっかりと身支度を終えたリューネを伴って家に帰宅。


ちなみにリューネは普段ローブ+マントって格好なのだけど、今日はノースリーブのワンピースだ。

もちろん左手首に腕輪も忘れない。


そんな新鮮な姿のリューネに「よく似合ってますよ」と1言。

普段と違う格好で落ち着かないのかソワソワしていたが、その1言で落ち着いたのか今は普通にしている。


さて、屋敷に着いた訳なのだが普通に入れて良いものかどうか。

あ、扉の前にセルジュがいた。


俺達に気がついたセルジュは


「おかえりなさいませ、アリューゼ様。そちらのエルフのお嬢様がアリューゼ様の婚約者様でしょうか」


と聴いてきたので


「うん。彼女はリューネ。これからよろしくね」

「あの、よろしくお願いします」


と返答。するとセルジュは恭しく一礼し


「リューネ様……でございますね。私はセルジュと申します。ケイオス子爵家で家令を務めております。何かあればお気軽に私にご相談下さい」


と言って「さあ、シャルロット様とトニー様がお待ちでございます。どうぞ中へ」と扉を開けて中へ誘導。

「ただいま」っと声に出すとリューネは「お邪魔します」と言って中へ入る。

確か、2人は応接間に居るはずだったよな……と思い出して応接間へと向かう。


道中誰ともすれ違わずに応接間に到着。

俺は一呼吸置いてから


「リューネ、大丈夫ですか?」


と聴くと


「……うん。いつまでも待たせるのは良くないわ。私はいつでも大丈夫よ!」


との事なのですかさずノック。


「姉様、兄様、アリューゼです。ただいま戻りました。入室してもよろしいでしょうか?」

『あ、あーちゃんおかえりぃ〜。うん、いいよぉ〜』

『ね、姉様!もう少し貴族令嬢としてしっかりなさって下さい!!』


との返答が。……姉上は相変わらずゆるふわで、トニー兄上の方がしっかりしてきたな……まあ、入っていいなら入ってしまおう。


「失礼します」と声に出してから扉を開くとそこには姉上と兄上と給仕のメイドが1人の3人が待っていた。


「姉様、兄様、お待たせしました。こちらの彼女が僕の婚約者になるリューネと申します」

「ご紹介に預かりました、リューネです。種族はエルフであり、お2人より……と言いますか基本的な人族より長く生きておりますが、エルフの中ではまだ若輩です。どうか気になさらないで下さい」


と、深々と一礼してから顔を上げて2人をしっかりと見据えるリューネ。


リューネの美貌にトニー兄上の顔が少し紅くなってるがあげないのでそんな目で見ないで下さいよ兄上……


ちなみに姉上はと言うと


「ふぅん?貴女がうちのあーちゃんの婚約者……貴女のあーちゃんへの愛をわたしに証明してねぇ!」


と、何やら普段より興奮状態。

と言うよりちょっと怒ってる?

『フンス!』とした態度で胸を張る姉上に対してどう対応しようか悩んでいる俺を置きざりにして、女の戦い?が今火蓋を切って落とされるのだった。


(『カーン!!』)脳内でゴングが鳴る……間違いなくアウラ様の仕業ですね。

……待てども返事が無いので今回は静観するのか……いやまあ、別に良いけども。


とにかく、ここに戦が始まる。


※ここから台詞の応酬が続きますのでダイジェストでお送りします。


「あのねぇ!わたしは赤ちゃんの頃からあーちゃんをず〜〜〜〜〜っと見てきてるの!!それにまだ6歳のあーちゃんに婚約者なんて早いと思うわぁ!!」

「シャルロット様。お言葉ですがそれは違います。姉弟と言えどもいつまでも一緒という訳には参りません。確かにまだ6歳のアリューゼに結婚を迫ったのは少々時期尚早だとは思いますが、彼の様に素敵な男性は早い内に事を進めないと2度とチャンスは来ない。そう思ったのでまずは婚約者……その様な段取りを取ったのです」 

「うっ……確かに、あーちゃんは優しくて頭が良くて魔法も上手だしかわいいし……貴女がそう思うのも仕方ないのかもぉ……」

「ご理解いただき、感謝します」

「で、でもでもぉ!それでもいくらなんでも早すぎると思うわぁ!それに、貴女はあーちゃんと出会って数日で結婚を申し込んだそうね?いくらなんでも早過ぎじゃないかしら?」

「それに関しては私がエルフなのが理由なのです」

「え?エルフである事に何か関係あるの?」

「はい……我々エルフは自然と魔力と共にある種族です。なので、自然と伴侶には自分にとって心地良い魔力の波動を持った相手を望む傾向に有ります。そこまではよろしいでしょうか?」

「………うん、大体分かったわぁ。つまり、貴女にとって、あーちゃんの魔力の質がとても良かったって事よねぇ?」

「はい………アリューゼ……彼の魔力の波動と凄まじいイメージ力……その2つの事柄で私の心は奪われてしまったのです」

「そ、そんなに?」

「はい。正に私が産まれてきたのは彼に逢うためだったんだ……そう、感じてしまう程に彼に内在する魔力が心地良かったのです……そうですね、人族で表現するなら『一目惚れ』、そんな感じでしょうか?」

「ま、まあ、あーちゃんは良い子だし、優しいし、困った時は頼りになるし……もし弟じゃなかったらわたしも好きになっちゃってたかも……」


なんか、聴いてて顔が熱くなる。

と言うか、姉上最後何言うてますん。

誤解されちゃうんじゃない?

大丈夫?アレン君に俺斬られない?


そう心配する俺をよそに2人の言い争い?はヒートアップ。

俺のどんな所がかわいいとかこんな所が好きーだのと同じ空間に居るのが耐えられないんだけど……すると、視界の端にポツンと所在無さげにしょんぼりとしてるトニー兄上が。


俺はそっと隣に座り、兄上が何か言ってくるまでこのままでいる事を決める。


そして、数分後に兄上が口を開いた。


「なあ、アリューゼ……」

「はい、何でしょう?」

「僕……ここに居る意味あるの?」

「ああ、いえ……兄様にも彼女を気に入って頂けないと僕達は結婚出来ませんので……しっかりと彼女の人となりを知っていただく必要が有るので居なくなられるのはちょっと……」

「分かってる。分かってるんだ。でもさ、あんな風にお前の事を褒めちぎってる人の何処を嫌えと?……まあ、今は姉様に取られて話とか出来そうに無いけどさ」

「うん。それにしてもまさか姉様があんなに語気を荒げるなんて」

「ああ、それは僕も驚いた。姉様にあんな一面有ったんだなぁ」

「本当に。家族でも案外知らない事あるんですねぇ」

「………いや、それをお前が言うのか?どこで仕入れたのか知らないような知識を持ち、習う必要も無くマナーと算術と体術をある程度知ってて……魔法も上手いと来たもんだ。そっちの方が驚きだよ」

「まあ、そこはそれ。マナーに関しては見て覚えましたし、魔法は物心ついた頃から近くにあったものですし……他のは直感と閃きでして……」


などと、兄上と親睦を深めるのだった。

なんだかんだでトニー兄上とは話す機会少なかったしね。


とりあえず、あちらの口論が収まるまで兄上と雑談して待つ事にしよう。


前方で、いつ終わるともしれない言い争いを繰り広げる大切な2人をみやりながら兄上の近況なんか聴いて時間を潰すのだった……

すみません。

今日、禄に寝れてなくて眠気が限界なので一旦ここで。


また更新できる時間が出来たら続きをかきます。


ここで一旦おやすみなさいませ

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