リューネとデート3。街の景観と周辺の状況確認及び食後の膝枕。
そんな訳で目的地へと到着。
おー、これは確かに絶景だね。
今は丁度お日様も頂点へと差し掛かるぐらいで街をキラキラと照らしてる。
そして、遠目に見える街の全体像も男爵家のある丘を頂点に五角形の形となっており、出入り口は南西、南、南東の3箇所あるのが見える。
ちなみに俺達が入った入り口は南東である。
今日出たのは南口だけどね。
周りには西の方は草原と穀倉地帯が広がっており、南東は森。南は街道が伸びており、今俺達がいる小山の途中で西へと伸びている。
それから途中でこの小山を避けるように曲線を描きながら南の方へと伸びており、どこまで繋がっているのか全く分からない。
そして北西方面に湖があって、夏場はあそこで涼んだり釣りをしたりと楽しめるかもしれない。
ちなみに北東は森である。
本当にうちの領土へ続く道は切り開かれてる部分以外ほぼ全部森である。
まあ、樹木はいくらでも活用方法は有るし、中には果実を実らせる樹もあるし、蜂の巣なんかもあるだろうからそこで蜂蜜が採れたりするのかもしれない。
それに野生動物も多いので、食料確保も容易だろうし。
畜産が発展してないっぽい地域だからと言うか、森にいくらでも獲物が居るんじゃ畜産する必要性も無いだろうしね。
で、街の中だが、メインストリートが各頂点へと続く5本と、南西と南東に伸びる2本の計7本。
それ以外は人が通る様な路地がいくつかあるけどしっかりと区画整理されていてシンメトリー状になっているのが確認できる。
この街を設計した人、凄いぞ……よっぽど計量した人が凄かったんだろうなと言うのがひと目で分かる。
それを見て、ため息を吐きながら
「はあ〜……これは、見事ですね……」
とぽつりと言葉が溢れる。
それを聴いたリューネも
「うん……随分歩きやすいなーとは思ってたけど、こんなにしっかりと区画整理されてるなんて驚きよね……」
「道もレンガで舗装されてますし、男爵閣下のご先祖様達の手腕が凄いのがわかりますね……もちろん現閣下も素晴らしい統治をなさっておいでの様ですが」
「そういえば、アリューゼ達の治めてるケイオス領だと、まだ剥き出しの地面の部分も会ったもんね」
「あはは……お恥ずかしい話ですが、この街並みを見てしまうと何も言い返せませんね」
「あ、ごめんなさい!別に悪いとは言ってないわ!街の人達皆平和に暮らしてるのは見てたし!」
「いえ、いいんですよ。時に他の地を確認する事で自分達の街がどの程度なのか見比べるのも勉強になりますからね」
これは本当だ。自分の街にのみ暮らしているとそこで発展は止まってしまう。
だからこそ、比較対象が必要なのだ。
そうでなくては進歩はしなくなってしまうからね。箱庭の様に。
さて、いつまでも街並みを堪能してる場合じゃない。
俺のお腹はそろそろ限界なのだ。
早速お弁当を食べようじゃないか。
「さあ、いつまでもここで立ち竦んでいても仕方ありませんし、せっかくの絶景ポイントなのですから景色を楽しみつつお昼にしませんか?」
「あ、そうね…思ってた以上に凄かったからびっくりしちゃったけど、本来の用はピクニックだったものね」
「そうです。それと……お恥ずかし限りなのですが……僕のお腹がもう限界のようで……」
そういった瞬間に腹の虫が「くぅ」と鳴った。
それを聴いた俺達は思わず噴き出してしまい、早速お弁当をいただく事にする。
「あ、サンドイッチなのですね」
イギリスパンみたいな少し固めのバゲットみたいなパンに、葉野菜と燻製肉、それと卵焼きが挟んであり、とても美味しそうである。
残念なのはマヨネーズが無いところだろうか?
まあ、この世界ではマヨネーズ作っても日持ちしないだろうし、仕方ないんだけども。
代わりにしっかりと燻製肉に味付けがされており、瑞々しい葉野菜と、しっとりとした卵焼きがちょうどいい塩梅の塩加減に調整されており、とても美味しい。
「……うん、美味しいですね」
「そうね。マスターには感謝だわ。こんなに美味しいのをぱぱーって作っちゃうのだもの!」
「ん?マスターって宿の店主ですか?」
「え?そうだよ?専属の料理人さんが居るけど、元々はその人を雇う前はマスターが食事を作っていたんですって」
「へえ……最初から料理人を雇っていたんじゃなくて、規模が大きくなるに連れて雇い始めたのかな?それにしても、この技量……まだまだ現役でも通じそうですけどね」
そう言うとリューネも同じ事を質問したらしく、笑いながら
「あはは!私もね、作ってくれるーって言うからどれぐらい作れるのかなーって思ってたらこんな立派なお弁当を作ってくれるんだもの。驚いて聴いてみたんだけどね『私はもう10年以上前に彼に厨房を任せているのです。なので、たまにこうして作る趣味事にしているのが丁度いいんですよ』だって」
「なるほど、雇用をしっかりと確保したままでたまに趣味でするくらいが丁度いい、と。まあ、経営も大変でしょうし、料理が好きでも毎日は大変でしょうからそれくらいに落ち着かれたのでしょうね」
「うん。でも、こんなに美味しく作れるんなら一緒に作っても良いと思うんだけどねー」
「リューネ、それはいけません。厨房には料理長以外にもサポートとして2人居たでしょう?あそこに店主が混ざってしまうと命令系統に不具合が出てしまいます。なので、今の体制が良いのだと思いますよ」
「ふーん……そういうものなのね……人間って不思議。出来る人が出来る事をして補うだけじゃ駄目なのね」
「それはそれで良いと思いますが、仕事になってしまうと下が育たなくなってしまうので……エルフは寿命が長いから気にならないのでしょうが、人間は長くても働ける時間が50年ほどですからね。早目に行進の育成をしないといざトップが働けなくなったり居なくなってしまったら代わりが効かないのですよ」
そう言うと、納得したのか
「あー、なるほどね~。同じレベルで出来る様になるまで時間が掛かるからそういう環境で人を育ててるのね」
と言ったので
「ええ、そうだと思いますよ」
と答える。
そして、暫くはサンドイッチと果汁水をいただきつつ、景色と空気を堪能する。
食事を終え、満腹になったからかふと油断してあくびが出てしまった。
それを目聡く見ていたリューネに手を引かれて木陰へと連れられて樹の幹に背を預けたリューネが膝をぽんぽんする。
そのジェスチャーの意味を理解すると、恥ずかしく思ったが無理矢理膝枕されてしまい、背中をトントンされている内に眠くなってしまい、意識が闇に塗り潰されていく……くっ、これだから子供の身体は……!!
意識が落ちる前にリューネが「今日は付き合ってくれてありがとう。アリューゼ……ゆっくり寝てね」と言う言葉が耳朶を擽り、心地良い気分で眠るのだった。
お約束通りの物です。
どうぞご査収下さいませ。
それと、また夜に更新しますので、また明日の朝にでも続きを読んでいただければ幸いです。




