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両親との邂逅とリューネの告白!

ひとまず宿屋に到着。

場所は宿を出て右手に真っ直ぐ坂を登って行けば男爵家に着くって言う好立地だ。


そこそこ綺麗で、今飲んでる飲み物もそこそこイケる。


皆が一息つけて、ゆっくりしてる。

まだ日が沈むまで時間があるし、まだゆっくりしてても大丈夫だろう。


そして、ある程度皆の元気が戻ってからこれからの事を話し合う。


まず、男爵家に向かう5人。そして宿に待機の2人だ。


待機の2人はいざという時動ける様に休んでてもらう。

まあ、『いざ』なんて来ないとは思うけど一応ね。


そして、日が沈んだので5人で丘の上に向かう坂を登って行く。


もうすぐ両親に会えると思うと少し泣きそうになる……精神的に親が寂しいってならないと思ったが、身体に引っ張られてるのかな?やけに涙腺が決壊しやすい気がする。


そんなこんなでようやく男爵家に辿り着く。


兄上が代表して扉を叩く。


「夜分遅くに申し訳無い。私はケイオス子爵家の嫡男、ルシエルと言う。こちらに我が両親が滞在されてると思うが、開けてもらっても良いだろうか?」


そう一息で言い終えると、中から初老の男性の声が。


『ケイオス家の御子息様ですね?はい、御両親は当家にて逗留なさっておいでです。ただ今お開けしますので扉から少しお離れになってくださいませ』


と、言われたので少し扉から離れ、合図をすると扉がゆっくりと開かれる。


そして中から初老の男性とメイドが2人待機しており、こちらの顔を見てすぐに一礼し


「ようこそおいで下さいました。長旅お疲れでしょう。まず、御両親の元へご案内させていただきますのでこちらの当家のメイドへ付いていって下さいませ。……おっと、イベリウス男爵家へようこそ。後程ご当主様が挨拶に参りますので、それまではご家族で団欒の一時をお過ごし下さいませ」


そう言われて、メイドに案内されて1階の奥、そこそこ広そうな客室へ案内された。


メイドが中へ「失礼します。リオル様、アンナマリー様、御子息達がおいでになりました。中へお通ししてもよろしいでしょうか?」と問う。


すると中から『御子息達……?ルシエルとトニーかな?ああ、開けてくれ。私も子供達の顔が見たい』と声がした。


トニー兄上だと思ったか?残念!アリューゼだよ!……なんて冗談はいいや。

久々に聞いた父上の声がとても懐かしく感じてしまう。


そして、開かれる扉が。

中にはベッドに入り、上半身を起こしている母上とそのサイドに椅子に腰掛けて看病してる様な格好の父上が居た。


……あれ?母上、調子悪いのか?


「ああ……ルシエル……と、アリューゼ?まさか君が来るとは思わなかったね」

「あらあら、るーちゃんにあーちゃんなのね!お母さんあなた達の顔が見れて嬉しいわ〜」


思ったより元気そうだな。

では、何故ベッドに入ってるのか……考えてもわからん。兄上、任せた!


「父様、母様、ご無事で何よりです。……当初の予定を10日以上経ってもお帰りにならないので何かあったのかと心配して参りました」

「ああ……それは悪かった。私としてもすぐ帰る予定だったのだが……アンナがね……」


と、何か言いづらそうな父上である。

だが、母上はニッコニコで爆弾発言をする。


「るーちゃん、あーちゃん、あのね……お母さん、お腹にあなた達の弟か妹が居るの!」


ホワイ?今なんと?


「そうなんだ……アンナのお腹に子供がいるらしくてね……安定期に入るまで馬車に乗れずにこの屋敷に逗留させて貰っていたんだ」


と、恥ずかしそうに言う父上。


………なんだぁ。病気とか怪我とかじゃなかったのかぁ!はあ……安心したぁ………それに弟か妹だって?これは嬉しい!!


それに関して兄上も驚きはあったものの、喜びを顔に出して「おめでとうございます。父様、母様」と言っていたので俺も遅れてお祝いをする。


シシリーもその後に続き、アッシュとリューネもその後に続く。


アッシュとリューネはある意味部外者だが、ここまで連れてきてもらった仲間であるし、父上達に紹介する。


「父様。こちら僕達をここまで護衛してくれた漆黒の牙と言うパーティーのアッシュさんとリューネさんです」


そう言うと、リューネがちょっとムッとしたがここはこらえてくれ。

紹介する人を呼び捨てになんかしたら怒られてしまうのは俺なのだ。


すると、父上が軽く手を挙げて答える。


「そうですか……あなた達には迷惑を掛けたね。護衛料がいくらか分からないが色を付けると約束しよう」


と言ったがアッシュはそれを固辞した。


「いえ、それには参りません子爵閣下。もう既に護衛料は支払われており、その金額にギルドも我々も納得しております。これ以上は不要です」


とキッパリと。おお、かっこいいじゃん。


その返答に対して父上は


「そうか……それは悪い事を言ってしまったね。でも、これだけは言わせて欲しい。息子達を無事に護衛してくれて感謝する」


と言って頭を下げた。


貴族家の当主の感謝であれ、謝罪であれ、頭を下げるのは特殊な事なんだけど……それだけ感謝してるって事なんだね。素直に嬉しい。


急に頭を下げられたアッシュは慌てているが、ここで待ちきれなくなったのかリューネが遂に例の事を口に出す。


「横から失礼します。子爵閣下と御婦人。私の名前は……リューネでいいわ。それと、個人的なお話があるのだけれどよろしいかしら?」

「ふむ?なんの用だい?エルフのお嬢さん」

「こほん。……あの、あなた方の息子のアリューゼとの結婚を許してもらいたいのだけれど……」


あーあ。言っちゃったよ。もう少し後でも良かったろうに……まあ、ずっと興奮してウズウズしてたもんなぁ……我慢できた方かな?


それに対して母上は「あら♪あーちゃんったらモテモテね!」と喜んでおられるが、父上の方はと言うと


「ふむ。貴女は我が息子、アリューゼとの婚姻を望まれるのか?」

「ええ。私にはアリューゼしかあり得ないの。この人以上に素敵な人に出会えはしないと言う確信があるわ!」

「ほう……そこまで言わせるとは……アリューゼ、良くやったなあ!」

「あの、特に何をしたって訳でも無いのですがね……」

「あら、そんな事は無いわ!常識外れなすごいイメージ力、それを使用しても全然疲労の見えない魔力量、そしてあの純白の魔力……全てが私の心を掴んで離さないわ!」

「エルフのお嬢さんにここまで言わせるとは……アリューゼ、君の魔法能力はやはりかなり突出している様だね」

「その様ですね。自分では自覚は無かったのですが……」

「あら、謙遜しなくていいわよ。このまま成長すれば世界で五指に入るくらいの使い手にはなれるわよ?」

「そんな持ち上げないでくださいよリューネさん「リューネ」……リューネ……」


そのやり取りをみて父上が噴き出し


「ははっ!あのアリューゼがもう尻に敷かれているね。うん、良い娘さんみたいだし僕は良いと思うよ?アンナはどう思う?」

「う〜〜〜ん……ちょっと、顔を良く見せてもらえるかしら?リューネさん?」


そう言って誘うかのように腕を伸ばす母上。


それに従い、母上の元へと進んでいくリューネ。


そして、そのリューネの顔を両手で挟み込みじっと目を見る母上。


「……ねえ、リューネさん」

「はい、なんでしょう」

「あーちゃんのこと、ず〜〜〜っと信じてあげられる?何があっても」

「それは……はい。彼なら私の全てを掛けてでも信じられると思います」

「………………うん。分かったわ。お母さんも賛成よ」

「……!!ありがとうございます!お義母様!!」

「ただし!まだその呼び方は許しません!」

「え!なんでですか!?私がエルフだからでしょうか……年上の娘なんて嫌だって事ですか?」


泣きそうになりながら母上に質問するリューネ。ちょっと可愛い。口には出さんけど。


「ううん、違うわ。まだあーちゃんは6歳なの。だから、将来的に結婚は許します。ただ、今の所は『婚約者』って事にしましょう?まだまだお互いに理解し合わなければならない部分もあるでしょうし、実際まだ結婚は出来ませんからね」

「確かに、リューネ殿の事を私達はまだ知らないしね。とりあえずはアリューゼの婚約者として、今後私達とも仲良くしてくれれば私も構わないよ」


その2人の言葉に嬉しそうにしながら


「はい!これからよろしくお願いします!!」


と、大きく頭を下げてお礼を言うリューネであった。


こうして、当初の予定である両親との出会いと頭の痛い悩みだったリューネとの結婚話にひとまずの区切りが付いたのだった。


その後、男爵とも会い、これまでの経緯と俺達が来た目的、そして母上があと数日で安定期に入るから帰れるようになるとのお達しを受けて帰る日まで毎日顔を出すと約束を取り付け、俺達は男爵が誘ってくれた夕飯を仲間が待ってるのでと固辞し、宿へと帰るのだった。


しかし、まさかあっさりと認められるとは………って、そういえばリューネ、父上と母上に対して演技してなかったな。

それとなく聞くと


「いずれ義父と義母2なられるお2人に演技なんて失礼でしょ?」


とスパッと返された。

うん、そりゃ確かに。


でも、一切合切飾らずに本心で2人に相対したからこそ認められた様な気がするんだよね。


やっぱりエルフってスゲェや。そんな事を考えながらレベッカとキティの待つ宿への道をゆっくりと歩いて帰るのだった。

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