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しっかりOHANASIしましたよ!

意を決して扉を開けるとそこには案の定、リューネが仁王立ちしていた。


兄上とアッシュには先に部屋に戻ってもらうように合図を出して送り出すのに成功。


さて、この状況……どうしたもんかなぁ………そう考えていると痺れを切らしたのかリューネか先に口を開く。


「アリューゼ。さあ!話の続きをしようではないか」


あー、やっぱりねぇ。それだよねぇ……俺ちゃんまだ6歳なんだけどなぁ。まあ、とりあえず先に決めていた事を告げておく。


「確かに僕は子爵家とは言え、3男なので家は継げません。ですが、今はそれどころでは無いでしょう?まず先に僕らの両親の安否の確認が先決なのは冒険者であるリューネさんならお分かりでしょう?」 


そう言うと、ちょっとだけたじろいだがそれでもリューネは諦めない。


「確かにそうではあるな……依頼は何よりも優先すべき事……失敗しては今後の活動にも影響が出る……だが、だがな?ようやく私の目に叶う男子が現れたのよ?それを放ってなんていけないじゃない!」


あや?何やら口調が……それについてキティが「リューネ、口調口調」と言うと「あっ……」と言い顔を真っ赤にしながら反論する。


「わ、悪いっ!?これが本当の私の話し方よ!旦那様になるかもしれない相手に自分を偽るなんて出来ないわ!」


おお。なるほど、暴走もあったけど、素の自分を見せてくれたんだね。と言う事は、普段のアレは大人ぶってただけなのかな?

ちょっとだけ気になったので質問してみる。


「あの、リューネさん「リューネ」……リューネさん「リューネで良い」リューネ。その、普段の話し方のあれはいったい……」


そう聞くとツインテールにしてる左側の房をサッと払ってから


「エルフって寿命が長いでしょう?」

「ええ、聞き及んでます……」

「大体1000年くらい寿命があるのよ」

「え?あー、そういう……と言う事はリューネは人間換算で」

「そう、大体12〜14歳くらいね。個体差は有るけど。だから本来は私の話し方はこうなのよ。ただ、年齢でみんなこの喋り方だと違和感持たれちゃうから老齢な魔法使いっぽく振る舞っていたのよね」


いたずらっぽそうに笑って衝撃の事実を伝えてくる。まあ、確かに人間なら年齢で判断するからそういう目で見るのも一定数いるんだろうなぁとは思う。


それについては理解した。だが、その……結婚相手が俺で本当に良いのだろうか?


「それで……リューネはどうして僕に?僕以外にも魔力が多くて扱いも巧みな人は沢山居るでしょう?」

「そうね。確かにその点ではアリューゼより上の男は居るわ。でもね、その年齢でここまでの独創性あふれる魔法の使い方をして、あれだけの魔法を使って一切疲れを見せない男はほとんど居ないわ」


あー、たしかにね。魔力って幼い頃に追い込めば追い込むほど成長するんだけど、リューネが見た相手はそれなりの使い手ではあっても将来性ゼロだったんだろう。


それと、同じエルフでなくて、人間が相手でも大丈夫なのか確認する。


「その……リューネは人間が相手でも良いのですか?ほら、違う種族だと色々あるでしょうし……」

「えっ?別に問題ないわよ。むしろアリューゼが良い。あの大きな魔力。さっき発動したのを感じたんだけど本当に綺麗で澄んでる良い魔力よねぇ……何者にも染まってない、『純粋な白』それが私にとって最高に心地良かったのだからアリューゼ以外考えられないわ」


……リューネは本気だ。だったら俺も本気で相手取らねばなるまいて。


「分かりました……リューネが本気な事は理解しました。ですが、僕はこの通りまだ6歳です。成人まで10年有ります」

「それくらい待つわよ?」

「話はまだです。それに、今は依頼中です。それは理解されてますよね?」

「ええ、それはまあ……」

「なので、今は先に依頼の達成が大事なんです。リューネの事が決して嫌というわけでは有りませんが、僕にはまだ恋愛を通り越しての結婚なんて理解が出来ないのです」


これはマジ。前世でも結婚どころかお付き合いもしたこと無いしね。だから、恋愛初心者なのである。


そう言うと少しは理解はしたけど納得は出来ないという顔をしている。


「……で?何が問題なの?」


そう聞いてきたので俺から条件を付け足す。


「そうですね……僕らはまだ出会ったばかりでお互いを詳しく知りません」

「……うん。それは……そうよね……」

「いくら魔力の相性が良いとリューネが感じてもそれだけで『じゃあ、結婚します』にはならないのは分かってください」


あからさまに不満そうに唇を尖らせるリューネ。これは確かに年相応かも。


「それは……人間とエルフとじゃ違うのは分かるけど……じゃあ、アリューゼは私とは結婚出来ないって事!?」

「落ち着いて下さい。そうは言ってませんよ。僕はね、『幸せに暮らしたい』んですよ。だから、もし両親や家族から反対が有るとその前提が壊れてしまうのです」

「………それで?」

「はい。だから、この依頼が無事に済んだらまずは僕の両親に会って、話してもらいます。それでOKが出たら屋敷で待ってる姉様ともう一人の兄様にも会ってもらいます」

「うん。分かったわ!そこで全員に認めて貰えば良いのよね?」

「つまりはそういう事です。ご理解いただけて感謝します」

「ううん、確かに私も焦ってたわ……もう何年も探していたけど見つからなくて何度も諦めて他の国に行こうかって思ってたし……でも、この国で、漆黒の牙で活動していて良かったわ!貴方に会えたもの!」


そう言って嬉しそうに抱きついてくるリューネ。

キティが「あー!ズルイズルイ!!」って叫んでるけど、良いのかな?

とりあえず腕が届くまで伸ばして背中を軽くトントンする。

すると更に力強く抱き締められたが我慢できないレベルじゃないので我慢する。男は我慢や……耐えるんや……!!


あ、ふと思った事があるんだけど……これは聞かない方が良いかな。


流石に「月の物は来てますか?」なんて言ったらセクハラだろうし、俺も後最低6年は精通来ないだろうし。その辺は置いておこう。


これでひとまず結婚話は纏まったかな?


さあ、明日も早いし寝るとしよう………ん?なんでリューネも付いてくるのでせう?

え?監視?キティが俺に手を出さない様に?いや、俺まだ6歳だから手を出すも何もナニも出来ないよ?口には出さんが。


結局シシリーの護衛の件もあるし、まだ婚約関係になった訳でもないのでリューネには大人しくシシリーと一緒の部屋に行ってもらう。


最後まで抵抗して、キティに「手を出すでないぞ!儂が先につば付けたんじゃからな!」と言ってシシリーの待ってる部屋に入る……そして、俺とキティも部屋に入るのだが……ベッドは2つ有るからと安堵したのも束の間。キティに抱き締められてしまった。「これくらいならいいよねー♪」と言いつつ俺をスリスリ撫で撫でわしゃわしゃと体全体を堪能される。


「んー♪やっぱアリューゼ君は抱き心地最高だね〜♪」

「あの……キティさん、リューネさんには手を出さないと言いませんでした?」

「このくらいへーきへーき。あたしね、実は子供好きなんだ〜♪最近ずっと冒険冒険で子供構ってなかったからね〜。ちょっと付き合ってよ♪」

「いやまあ、抱き締めるくらい構いませんが、撫で回すのは辞めてください。際どいところにたまに指が掠ってます」

「あ、ごめんねー。アリューゼ君小さいからお腹撫でてるつもりだったけど、下に行きすぎちゃった?」

「……ノーコメント」

「ごめんごめんって!でも、本当にリューネには驚いたねー」

「まあ、それは……そうですね」

「まさかリューネの好みがこんな小さな男の子だったなんて!……あ、冗談冗談。魔力の相性……だったっけ?エルフは人間と見るところが違うんだねー?」

「確かに、流れのエルフは外に相手を求めてるってシシリーから聞いたのですが、まさか条件が魔力だったとは驚きです」

「だねー。普段からあの娘はクールぶってるけど、優しくて、面倒見も良くて、良い娘なんだ……出来れば幸せになって貰いたいけど……」

「ですね……僕自身は驚きはしましたが、初対面でも感じは良かったので好感は抱いてます。それが結婚となると分かりませんけどね」

「あははっ!そりゃーそうでしょ。アリューゼ君、6歳なんだからね。知ってたらあたしが逆に驚いちゃうよ!」

「あはは……そ、そうですね……(前世でも経験無かったからセーフセーフ)」


そんな風に抱き締められつつ話をする事数刻。後ろから寝息が聴こえてきた。


護衛……なんだけど……まあ、こんな平和な村で何かあるわけでなし。ゆっくり寝てもらおう。父上達が向かった領地まであと2日。そんなに遠くないとはいえ、子供の身体だ。何があるか分からないから俺も寝るとしよう。


おやすみなさい……

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