魔法の訓練色々とミア来訪。
前回マーク兄ちゃんをヒース兄ちゃんと誤入力しました。
現在修正済みです。
ミアはマーク兄ちゃんの娘さんです。
詳しくは氷配り初日の最後を参照です。
父上と母上がまだ帰って来ない………セルジュ達は「ご心配要りませんよ」と言っているが、気にならない訳がない。
とは言っても非力な6歳の俺には取れる手段も特に無く、日々訓練と鍛練に費やしている。
今日は火魔法の訓練である。
「よ……っほ。……ほいさっ!」
「う〜ん、いつ見てもアリューゼ様の魔法は綺麗ですねぇ……」
火魔法に風魔法の応用で酸素濃度の変化による温度と色の変化を試していると、突然横からミアが覗いている。……ビックリしたぁ……おや?マーク兄ちゃん今日も来たのかな?
「あれ?ミアさんいつ来たんですか?……って、先にいらっしゃいが先でしたね」
こう言って内心少しビックリしたのを誤魔化しながら尋ねる。
「あ、はい。お邪魔しております!あの、それと……来たのは今さっきです。お父さんが今日も連れてきてくれました!」
やっぱ今日も来てくれたのか。
ありがたやありがたや。新鮮な野菜は美味しいからねー。
「そして、暇な受け渡しの時間で庭を散策、ですか?」
「う。……意地悪言わないでくださいよ……お屋敷には入れませんし、広いお庭は見てて楽しいんですから」
「あ。ごめんね。別に歩き回ったら駄目って事じゃないんです。ただ、一人で出歩いてて大丈夫なのかな……と」
「それは大丈夫です。お父さんにもセルジュ様にも許可は取ってありますので」
おや。今日は料理長じゃなくてセルジュからの許可か。
……セルジュはこの時間に俺が魔法の訓練してるの知ってるから、話し相手としてミアを寄越した可能性あるな……突付いたら藪蛇になりそうだからあえて突っ込まんとこ。
後で聞かれても誤魔化しちゃる。
そんな事を考えていたので手元の魔法は消えていたが、さっきの火魔法を見ていたミアが質問してくる。
「あの、アリューゼ様。さっきの魔法は火魔法ですよね?」
「ええ、そうですよ。何か気になることでも?」
「はい。確か火魔法って赤色かオレンジ色ですよね?なんでさっきは蒼かったり白かったりしてたんですか?」
おお、そこに気付くか。
んー、でもなぁ……『酸素濃度で燃焼温度を変えると色が変わる』って説明して分かるかな………いや、分からんだろうね。
とりあえずシンプルに説明しよう。
「そうですね……今さっき僕がしていたのは火魔法の温度を強くしていたんですよ。赤色から蒼色。蒼色から白になるほど温度が高くなります」
「……?それで、その『おんど』が高くなるとどうなるんですか?」
あー、そこからか。まあ、分かんないだろうね。
とりあえず実践しようか。
「そうですね……とりあえず、土魔法で壁を作ります」
「おお〜……」
「そして、この壁に火球を当てます」
「あ。穴空いて燃え広がりました!」
「そう。でも、もしこの壁が鉄製だったら?」
そう言って、最近覚えた土魔法からの金属精製で鉄の壁を作る。
「これに向かってさっきの魔法を使うと……」
「あ。燃えないです!」
「そう。でも、もしこの火を白にしたら?」
そう言って白球を投げる。
すると………
「あっ!鉄の壁が溶けてく!!」
「はい、その通りです。つまり火魔法が効き難い相手にもこれだけの破壊力をぶつけられるって事ですね」
すごーい、すごーい!と言って俺の周りをぐるぐる回るミア。仔犬がはしゃいでるみたいでかわいい。
短めのポニーテールの尻尾がより一層わんこっぽさを醸し出している。言わないけどね。
「今日やっていたのは火魔法の威力の向上の研究です。どうです?面白いでしょう?」
「はい!あんな小さな球であんなに大きな壁が溶けちゃうなんて凄いです!」
あや?『面白いか』って聞いたのに『凄い』って返ってきてしまった。
むむむ。これはどういう意味だ?
「という訳で、今日は魔法の応用をしていたんです」
「おうよう?……あ。アレンジ?」
「そうそう、アレンジですね」
「えっへへ〜♪私も最近アレンジ派良くしてるので分かりますよ〜♪」
楽しそうにこちらに身を寄せるミア。
ほほう。最近アレンジね……服装をぱっと見るけど服装はいつも通り。
髪型は……あ。横に編込みが追加されてる!
これは見落としそうだったな。
やるな、ミア。
「あ〜……そうですね。その、その編込み、似合ってると思いますよ?」
その言葉を聞いて嬉しそうにはにかむミア。
うーむ、8歳でも女の子、だねぇ。
「あの……よく、気付きましたね?分かりにくいと思ってたんですけど……」
そう言って、嬉しそうに編み込んだ横髪をイジイジ弄る姿がまたかわいらしい。
ここで素直に『ヒントを貰ったから』って言うのは多分アウト。なのでここは……
「いつも見てますからね。それくらいの変化、すぐ気が付きますよ」
するともっと嬉しそうにするミア。よし。正解だった模様。
ニコニコ顔になってご機嫌なミアにちょっとした魔法のショーを見せてあげつつ時間を潰す。
実際アレンジ魔法の経験はいい訓練になるのでこちらとしても観客が居るほうがやる気が出るってモノだしね。
まずは火魔法での色を変えての火文字。
次に水魔法で虹を作る。
そして風魔法でちょっとだけ浮かんでみたり。
最後に氷魔法での雪だ。
やっぱ最後は雪だよね。
全部興奮しながら見てくれたので、ちょっとだけ本気を出していた。
今も舞い散る雪が日光に反射して凄いキラキラ光ってる。
これは今度姉上にも見せてあげよう。
最後……って思ったけど、やっぱり最後はコレにしよう。
土魔法で地質検査し、ガラス成分が有るのを確認。
それを抽出して火魔法で炙り成形。
そして出来たのはガラスの輪っか。
輪っかと言っても純粋な輪っかじゃないけどね。
それをミアの頭にぽすんと乗っけて
「はい、お土産です」
「えっ……?」
「いい顔見せてもらったのでお礼です」
「えっ?えっ?なんです?これ……何を乗せたんですか?」
頭から外して見るミア。
「これ……花冠?」
そう、花冠をガラスで作ってみた。
結構魔力使ったけど、うん、出来は悪くないかな。
「そうです。ほら、前にミアさんに貰ったでしょう?」
「はい、確かに差し上げましたけど……」
「まあ、貰ったのは既に枯れちゃって、今ではドライフラワーにしてリースにして飾ってますけどね」
そう言って、肩を竦める。
うん、日光に反射してキラキラ光ってて質としても上質だろう。
「なので、お返しですよ。貰っていって下さいね」
「あ……ありがとうございます!」
そう言って、また頭に被るミア。
個人の感想だけど、結構似合ってるとも思う。
そして何度も被ったり外したりと落ち着かないミアだったが、ややあって遠くの方から
『ミアー?そろそろ帰るよー?』
というマーク兄ちゃんの声が聴こえてきた。
「あっ……お父さんが呼んでますね……」
「うん。ほら、僕は気にしなくていいから行って」
「はい。……あの!本日はありがとうございました!!色んな魔法をお見せいただいて……更にこんな綺麗な物まで……」
「ううん、気にしなくていいですよ。では、またいつでも来てください」
「はい、また来ますね!」
そう言って、ミアは元気に駆けて行った。
その背中を見ながら1人呟く。
「ガラス製は……危なかったかな?割れなきゃいいんだけど」
そして今日も1日、暮れていくのだった。
ガラスは危ないかなーっと思いつつ、あげられそうなのってガラス製品鹿思い浮かばなかったので。




