女性の別腹ってほんとどうなってるんだろうね?
今日はこの後友達が来るので先に1話更新しときます。
楽しんでいただければ幸いです!
早速門を出てすぐの橋に着くと姉上が嬉しそうに橋にかぶり付いて流れる川を目をキラキラしながら覗いている。
「うわぁ〜……綺麗だねぇ……♪」
俺も初めて見た時は感動したし、姉上も同じ感想な様だ。
「ええ、僕も初めて見た時は感動しました。こんな綺麗な川が僕らの屋敷を街と隔てていたなんてビックリしましたね」
「あ、お屋敷なのですが、昔は何かの砦だったらしいです。そちらを改修、修繕、増築されたのが今のケイオス邸との事です」
へぇ。川向うにあるってことは何かあるかと思ってたけど、元々街の方は違う国だったのかね?
「よく知ってますね。シシリーは博識ですね」
「あ、いえ、お勤めに入る前にセルジュさんに教わったんですよ」
ちょっと恥ずかしそうに吐露するシシリー。
だといえ、ちゃんと覚えていた事が凄いと俺は思うけどね。前世の俺なら覚えてなかった自信があるね(偉そうに言う事ではない)
「あ。おさかなさん跳ねたよぉ!ウロコが光ってキレイ……」
「ふふ、シャルロット様は外出はお久し振りですし、徒歩だと初めてでしょうから見る物全部新鮮に映るのかもしれませんね」
「うん!前に外に出た時は馬車で隣の領地のパーティーにお兄様とお父様とお母様の4人で行ったのが最後なの」
ああ、先々月くらいに出掛けたのはそれか。
んで、そこで辺境伯に目を付けられた……と。
まあ、辺境伯の目は間違っちゃ居ない。
姉上はとても可愛らしく、とても優しいからね。
そんな相手を伴侶にと望む気持ちは分からんでもない。ただ、分からんでもないだけで認めるかは別問題だがね。
「さあ、姉様。そろそろ街に向かいましょう。僕の用事もありますし、お連れしたいお店も有りますしね」
「あ、アリューゼ様……あのいつもの食堂ですか?お昼ご飯を召し上がったばかりに向かうお店では無いと思うのですが……」
「ふっふっふ。甘いですねシシリー。あそこはデザートも取り扱っているのです。何やら絶品だと話題になってるそうですよ?」
「えっ?そうなのですか?」
「うん、そうらしいんだ。この間行った時、マスターから『今度は食事だけじゃなくて、おやつも食べに来てくんな!』って言われてね。だから今日は2人に付いてきてもらったんだ」
「そうだったのですか……お誘い、ありがとうございます、アリューゼ様」
まあ、シシリーを連れて行くように言ったのは父上ではあるが、例え今日連れていけなくても今度連れて行くのは元々予定だったしね。マスターからも「ちゃんとそのときゃ嬢ちゃんも連れて来いよ」って言われてたし。
「ううん、気にしないで。それで、悪いんだけどそこでデザートを食べてる間、姉様の事をお願いしたいんだ。その間に僕の用事は済ませてくるから」
「あれ?アリューゼ様は食べないんですか?」
「いや、僕はもうお腹いっぱいだから……」
俺は片手でお腹をぽんっと叩く。
実際しっかり食べたからお腹は空いてない。
「分かりました。その間のシャルロット様のお世話はお任せ下さい!」
「うん、頼んだよ」
「2人して何話してるのぉ〜?」
姉上が俺たちのやり取りを気にしている様だ。なので、普通に説明する。それについて姉上は「分かったよぉ〜。シシリーちゃんと仲良くしてるねぇ」と言っていたので大丈夫だろう。
そして歩く事暫く、見る物見る物新鮮に映る姉上があっちの露店を気にしては、その隣のお店を気にしたりと何やら忙しない。
まあ、これはこれで気晴らしになってるかな?
そんなこんなでマスターの店に来るまでそこそこ時間を掛けてしまった。
とりあえず入ってササッと注文しちゃおう。
「こんにちは、お邪魔しますね」
「こんにちは〜。今日はデザートを食べに来ました!」
「こんにちはぁ〜」
すると、カウンターの奥からマスターが出てきて挨拶してくる。
「おう、坊っちゃんに嬢ちゃんに……そちらはシャルロット様かい?ようこそ、こんな食堂ですみませんね。ただ、味には自信があるんでそこは期待してくだせえ」
そう言って、戯けるマスター。
まったく、よく言うよ。『こんな食堂』なんて言うけど、多分普通にこの街1番の腕だと思うんだけどね。
それはともかく、先に注文を伝える。
「マスター、こちらのレディ達にお勧めのデザートを2つ」
戯けて気障ったらしく言うとニカッと笑ったマスターがそのノリに付いてくる。そういうとこだぞ、俺が好きなのは。
「仰せのままに、旦那様……なーんてな。あいよ、お勧めデザート2つな。あいよ!座ってちょっと待っててくんな!」
「さ、そういう事なので、姉様、シシリー。こちらへ」
そう言って、椅子を引く俺。
2人が順番に座るのに合わせて椅子を軽く押す。
そして、備え付けられたピッチャーならレモン水を注いで渡す。
このレモン水は俺からの案だ。今日はそうでも無いが、暑い日に冷たいレモン水は凄く美味しいからね。
日替わりでグレープフルーツだったり、オレンジだったりとアレンジしているのもニクイ。今日はレモン水かと思ったら何やらトロ味がある。これは……匂いはハチミツか?
ハチミツレモン水とはこれはまたマスターってば手の混んだことを。
こう、斜め上に改良していくところ、本当に料理人の鑑だと思う。
もちろん、飲んでいる姉上やシシリーからも「「美味しい!」」と大絶賛。
ハチミツレモン水は美味いよね。俺も飲みたいが……まず先に買い物が先だ。俺はマスターに一言「2人をお願いしますね」っと言って店を後にする。
さて、布を売っているのは確か……斜向かいの衣料店だったか。無かったら雑貨屋にも行ってみよう。
とりあえず、近場の衣料店に入ってみる。
「あの、すみません……布地を探しているのですが……取り扱ってますか?」
すると奥から『へい、いらっしゃいませ!少々おまちくださいねっと……っと!』ガタガタッと何かを蹴飛ばすような音が響いたが気にしない。暫し待っていると奥からまだ20歳前後の兄ちゃんが出てきた。
「はーい、お待たせしましたって、アリューゼ様じゃないですか。先日は氷、ありがとうございます!おかげで先日までの暑さ、乗り切れましたよ〜。んで、本日は如何様で?」
「はい、あのですね…布地を探してるんですよ。取り扱ってますか?」
と聞くと、胸をドンっと叩いて
「へい、色んな色の布地を取り扱ってますぜ。何色のどんな生地をお探しで?」
と言ってくれる。お、これはここで要件は終わるかな?
「はい。黒かグレーかベージュのサテンか木綿の生地を探してるんですが……ありますか?」
と聞くと、「サテン?」とサテンは知らぬ模様。くそう。あの光沢は見てても触っても良いのに。無いとは……ぐぬぬ。
まあ、それは仕方無いね。とりあえず木綿である色を聞くと3種類ともあると言う。なので、3種類共幅が1m程あるらしいので長さは20cm程を頼んだ。料金を渡そうとしたが、それは拒否られた。代わりにまた氷が欲しいそうだ。俺は快諾して店の奥、貯蔵庫の箱の中に氷を満タンにしておく。……1週間前に満タンにしたのに殆ど無かった……どれだけ使ったのやら……と苦笑いを浮かべながら話を聞くと、昼の水や夜の酒にもガンガン氷を使いまくってたらしい。
まあ、暑かったから分からんでもないが……よく腹壊さなかったなぁ。
とにかく、お礼を言って生地を包んでくれた兄ちゃんに挨拶する。さて、マスターのところへ戻るとするかな。
そして、戻ったら………そこはスイーツ天国になってた。
「うわぁ〜♪美味しい♪美味しいよぉ〜♪」
「はい、これはとても美味しいです!あ、マスター!おかわり下さい!」
「あっ、私もぉ!」
「へい、了解でさぁ!少々待っててくんな!」
そう言ってフルーツをカットカットカット!
それを器にキレイに並べたら上に削った氷をガリガリと削り、その上にフルーツソースを掛け、アイスクリームらしきものを上に乗せて最後に上にちょこんとさくらんぼを載せる。
なぁにこれぇ………デザートって言うからフルーツシャーベットとか出来てもプリンくらいかと思ってたのに、まさかアイスクリームまで有るとは……マスター、やるな!!
てか、バニラあったんかこの世界。
にしても手慣れておられる。凄えぜ、マスター!!
しかし、2人の居るテーブルを見ると今食べてるのを省いて3皿ずつあるな……てことはこれ、併せると5皿ずつかい!
流石に食べ過ぎだからマスターに「おかわり要求されてもここでストップで」と伝える。
不満そうな女性陣だが、食べ過ぎはお腹に良くないし、そんなの食べてるの母上に知られたら母上も来るに決まってる。あとトニー兄上も。トニー兄上、なんだかんだとかなりの甘党なのだ。
俺は一心不乱に食べ続ける女性陣を横目にピッチャーからよく冷えたハチミツレモン水を飲む。うん、冷たくて甘くて旨い。
あー……予想以上のデザートだった。
こりゃ、この世界のレベル超えてるじゃないのかね?
もしかして、異世界転生者だったりして。
なーんてね。藪をつついて蛇を出すのも嫌だし、一応聞くのは辞めておこう。マスター、ここでの仕事、楽しそうにしてるし……ね。
俺は、女性陣が食べ終わるのを待ってから店を出るのだった。
ちなみに、デザート一杯500リルだったので10杯で5000リル。レットブルホーンのステーキと同じ値段になった。
まあ、10杯でだからと納得して支払ったが、冷静になったシシリーから平謝りされたのは蛇足だろう。マスターの底しれぬ実力が知れて、女性陣が満足したのだ。
今日の収穫としてはよかったと思う事にするのだった。
如何でしたでしょうか?
マスターが異世界転生者かどうかは謎のままと言うことで(笑)
とりあえず、ここまで!続きは時間があれば書きます。
多分、天辺超えますが、明日にでも読んでいただけると嬉しいです!




