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いざ出発!!の前になんだい?兄上?

さて、そんなこんなで一晩明けて次の日の朝に。

朝食をしっかりと食べて(今回はライ麦パンのような物にハムとトマトとレタスとチーズを挟んだハンバーガーみたいなのだった)これからシシリーを呼んで、父上に言われた事をしに行く旨を伝える。


「ああ、分かった。気を付けていくんだよ。それとこれは道中の飲食代だ。シシリーにもちゃんとあげるようにね?」

「分かっています。それでは行って参ります!」

「あ、あの!旦那様、それでは失礼します!!」


父上に俺とシシリー2人でお辞儀をして外へ向かう。

すると玄関へ行く途中にルシエル兄上が。


「うん?アリューゼかい?それにシシリーも。2人で何処へ行くんだ?」

「はい、実は昨日父様に頼まれ事をされまして領内の街へと。僕1人では危ないからとシシリーを付けてくださったんです」

「おはようございます!ルシエル様!!」


兄上の質問に肝心な部分をぼかしつつ父上に頼まれ事をされたと伝える。シシリーは……あーあー、テンパっちゃって。

まあ、兄上イケメンだしね。同じ年だし気になるのかな?女の子だね〜。と、ちょっとオッサンっぽい事を考えていると兄上に手を引っ張られて階段の下まで連れてかれる。あや?あの冷静な兄上がこんな情熱的に……もしかして、兄上ってばシシリーを意識してるのかね?ゲッへっへ……おっと、ゲスい思考が漏れた。気を付けねば。


兄上は、少し顔を近づけ小声で話しかけて来た。


「で?実際何をしに行くんだ?本来街に出るなら家令のセルジュ辺りとだろう?それなのに何故シシリーとなのだ?確かにシシリーは街育ちだから土地勘はあるだろう。だが、幼い少女と小さな子供のアリューゼだけで街に行くのは不自然だ」


あー、なるほどね。これはあれだ。純粋に俺達2人を心配してるや。すまんね、兄上……下世話な考えしちゃって。


「そ、それに……だな。良かったら、私が付いていっても構わんぞ?お前も心配だが、シシリーは……!?」


シシリーの方をチラッと見て、顔を少し紅潮させる兄上。あ、やっぱり意識してた。

まあ、シシリー可愛いもんね。

同年代が居ないから意識しやすいよねぇ。同い年なら尚更ね。


「と言われましても兄様には父様に言い付けられた訓練と勉強があるではありませんか。付いて来てくださるのは有り難いですが、父様の言い付けを破るのは不味いのでは?」


そう言うと少し冷静になった兄上は


「そうだったな……しかし……お前達2人だけでは……くっ……!!」


と、何やら葛藤してる。いやいや、付いて来たいなら父上に聞けば良いじゃんね?


「あの、それだったら父様に聞いてきては如何でしょうか?」

「!?そう、だな。よし、そうして来る。勝手に出ていくなよ?少し待っていてくれ」


そう言って踵を返し、父上の元へと向かう兄上の背中を見送る。

するとそこへシシリーがやって来た。


「あの、お話はもう済まされましたのでしょうか?」

「うーん、なんか兄様も一緒に付いて来たいらしいんですよね。僕達2人では心配だからって」

「ああ、なるほど。確かに夕暮れ前には帰ってくる段取りでは有りますが、子供の2人歩きでは心配が勝りますよね……」

「?シシリーは僕と2人だけで危ないと思わないの?」


すると苦笑いを浮かべながら


「アハハハ……昨日のアリューゼ様の魔法を見てたら大抵の事はなんとかなるなあって安心しちゃってました」

「ああ、そういえば僕の訓練を最初から見てたんだっけ?それなら確かになぁ。一般人相手ならどうとでもなると思うよ」


不殺でトラブルを抜けるのも容易いだろう。なんだかんだで汎用性高いからなぁ……イメージするだけだし。おっと、兄上が戻って来た……けど、なんか苦虫を噛み潰した様な顔してるな。駄目でしたか、兄上よ……  


「おかえりなさいませ、兄様」

「あ、おかえりなさいませ!ルシエル様!!」

「ああ……待たせたな。しかしすまない。父様からの許可は得られなかった……確かに私はこの領地を継ぐために努力せねばならない。だが、たまの1日ぐらい良いではないか……父様の頭でっかち……」


なんか途中から兄上らしくない泣いてる子供みたいな表情になっててビックリ。そんなに付いてきたかったか……そりゃまあ気になる女の子とデート(コブ付き)はしたかったんだろうなぁ……しゃあない。おっちゃんちょいと一肌脱ぐかな?


「兄様、兄様。ちょっとこちらへ」

「少しくらい私の我儘を聞いてくださっても……?ど、どうしたアリューゼ?」

「いいから、こちらへ!」


ちょっとシシリーと距離を取り、兄上に花を贈ろう。塩だと兄上と敵対しちゃうから花で。正しいかは知らん。花を持たせてあげたかったけど任務上ね、それは無理だしね。


「兄様。あの、僕こっそりシシリーが何が好きか聞いてきますよ?それを今度兄様がプレゼントしてあげれば良いではないですか。女性は贈り物が好きと聞いた事ありますし(今世では聞いてないけどね)」

「本当か!?よし、分かった。私は私の為すべきことする。だからアリューゼよ、その件頼んだぞ。男と男の約束だ!」


おお、この世界にも男と男の約束ってフレーズあんのね。


「勿論ですとも、兄様」

「ああ、この任務はお前にしか出来ない。何卒頼んだぞ!」

「了解です!」


ガッチリと握手をする俺達。

シシリーも、他のメイド達も不思議そうに見てるが気にしない気にしない。

せっかくの兄上の恋路だ。手伝わなきゃ野暮ってもんだろうさ。


では、そろそろ向かうとしますかね。


「それでは兄様、行って参ります」

「ルシエル様、失礼致します」


俺は手を振り、シシリーはお辞儀をして玄関の扉をくぐる。その先に見える門兵の居る鉄扉へとゆっくりと向かうとしますかね。


チラッと振り返れば兄上が小さく手を振っていたのでこちらも笑顔で振り返す。するとそれを確認した兄上は中庭に向かっていった。これから素振りかな?そっちもガンバだよ兄上。


さて、門兵の所まであと僅か。

今日、俺は、初めて街へと出掛ける。

どんな街で、どんな住人がいて、どんな話をしてるのか……ワクワクがMAXだ!


さて、門兵の所まで辿り着いた。

ん?なんて言えばいいんだ?初顔合わせだから何を言えばいいのかわからん。

するとシシリーが一歩前へ出て


「おはようございます、ハンスさん。私達はこれから旦那様のお使いで街へと行かねばならないのですが、開けていただけますか?」


おお、ありがとうシシリー。なるほどね、挨拶に要件。それでいいのか。心にメモメモ。


「おはよう、シシリーちゃん。それとそちらは……アリューゼ様かな?おはようございます、アリューゼ様。俺は門兵をしているハンスです!これからは気軽に話しかけて下さると嬉しいっす!」


ハンスと言う20そこそこの兄ちゃん派少し軽めにそう言って来た。……うん、好きだよ。それっくらいの距離感!


「うん、改めて僕はアリューゼ。これからよろしくね、ハンス」


そっと手を差し出し握手を催促する。

すると彼は右手に持ってた槍を左手に持ち替えて空いた右手でしっかりと握ってくれた。

うん、力強いね。これなら安心だ。


俺はニコッと笑って「それじゃあハンス、よろしく!」と言って門を開けてもらった。

さあ!いざ敷地の外へ!!


「じゃあ、またねハンス!行ってきます!」

「行ってきます、ハンスさん」

「道中気を付けて下さいねー!!行ってらっしゃいませー!」


そうして、俺とシシリーは並んで街へと向かうのだった。

ちょっとルシエル書くのが楽しくて予定より長くなりましたw


本日はあと1話更新しますが、時間も時間なので眠かったら寝て起きてから読んでくださると嬉しいです!!

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