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狩りの準備

ブックマーク頂きました。

ありがとうございます。





 サバイバル 15日目


 達也がこの地に転生してから、半月となった。


 あれからもう15日か、けっこう長くも感じていたが、あっという間だったなと思った。


「そうか、もう半月たったんだな。 こんなに忙しくて楽しい日々も、久しぶりだな」


 いま達也は、狩りで得た鹿の皮をなめして、革細工で使う革へと加工している。

 こういった革の加工は、バイト時代で経験していたので、道具や薬品を揃える事ができたのだ。


「職人さんとの交流が、こんな形で役立つとか、やっぱあの会社に就職できたのは運が良かったんだな。 あの場所に社長は居なかったから、生きてるとは思うけど、無事で居てくれてるといいな……」


 鹿の皮をなめしながら、奇しくも革細工の体験をさせてくれた社長のことを思い出して、達也は社長らの無事を願うのだった。



 鹿の皮のなめしが終わった達也は、装備を整え狩りの仕度を始める。


 今回の狩りは、レベル上げが目的である。

 木で作った弓を背負い、腰にはナイフを数本装備し、矢筒に石の矢を詰め込んで出発である。



 森での活動中に、鹿やイノシシに似た獣は確認できていたので、弓と石の矢を装備した後、狩人となり鹿を仕留めたのであった。

 だが、鹿を狩ったのはいいが、その先のことを考えていなかった為に、血抜きやら解体に手間取り、散々な結果となったのである。


 結論として、力が足りないと実感したからだ。


 いかに狩人で仕留めようとも、鹿一頭を解体するには、その獲物を捌いたり動かすのにも、力がまったく足りてない事が明らかであった。


 まあ、一番力のある戦士で無理やり解体(物理)を出来たので何とかなったが、皮が欲しいので改善しないといけないなと思ったのである。


 なので、今回の獲物はゴブリンに決定。

 何故かというと、イノシシとゴブリン達が戦闘していたところを、偶々発見して見ていたからである。


 イノシシを発現したのも、ぎゃあぎゃあと騒ぐ声が森中に響き渡っていたからであった。

 達也は、その騒動を木に登って観戦していたのだが、それはとても酷いものだった。


 どちらも命をかけた戦いなのだが、イノシシが己の身体を武器とし、突進によってゴブリン達を吹っ飛ばず光景をみて、この世界の恐ろしさを初めて実感した。

 イノシシは一頭、対するゴブリン達は何十体いるかも不明な程に、わらわらと集まっていく。

 数の暴力と言っていいほどに集団となったゴブリン達の中を、イノシシが突進していくのだ。


 イノシシの強烈な突進により、ゴブリンの体はあり得ない方向に折れ曲がり、吹き飛んでいく。

 また、その光景を見ても怯まず集まって、イノシシを囲もうとするゴブリン達。

 イノシシが走り回る度に、ゴブリン達から悲鳴があがり、周りのゴブリン達もぎゃあぎゃあと騒ぐので、達也はその光景を黙って見つめる事しか出来ないでいた。

 イノシシが強すぎて、ゴブリン達では勝ち目がないと思った時、ソイツは現れたのである。


『ギャオォォォー!!』


 耳に痛い程の絶叫で竦み上がった達也は、そのまま木から滑り落ちそうになり、必死に手を伸ばしてなんとか枝を掴むことで落下を間逃れた。

 ホッとした達也だったが再度、元の位置にもどり状況を確認したところ、既に決着はついていたのであった。


 そこで達也が見たものは、真っ二つとなったイノシシの身体と、その周りで騒ぐゴブリン達の勝鬨。 そして、大きな剣のようなものを担いだ、巨体のゴブリンの背中だけであった。


 何がどうなったのかは分からなかったが、ゴブリン達がイノシシを足止めしていた事と、巨体のゴブリンがそのイノシシを倒したという事実。

 これが彼らゴブリン達の狩りだと、達也はそう理解するしかなかったのである。


「やべぇ、強すぎだろ。 なにあのデカいゴブリン。 ボスみたいな存在なのか? こえーな、おい……」


 ゴブリン達が、ご馳走と変わり果てたイノシシを担いで去って行くのを木の上から見送り、安全を確認してから達也は地上へと降りる。


 ゴブリンとイノシシが戦っていた場所には、イノシシが倒したゴブリンの死体があるので、達也はその遺体を確認する事にした。


 理由は二つ。 ゴブリン達が着ている布のが気になったのと、今後戦うかも知れない敵の情報が必要だと思ったからだ。


 とくに体の大きさや、何を所持していて、どれ程の戦力があるかは重要であるし、近寄らないと分からない情報は、今しか入手出来ないと判断したからである。


「うわー、くっさいなぁ…… 洗えば何とかなるのかこれ? まあ、無いよりはましかー」


 達也はゴブリン達が着けている布を引き剥がし、そこら辺にあったツタで布を縛って回収し、ゴブリン達の体格や装備品を調べまわった。


「ゴブリンじたいは弱そうだけど、間近でみるとヤバいぞ、これは……」


 達也の視線の先には、くの字に曲がって苦痛に歪む顔でこと切れたゴブリンが横たわっていた。


 現在、布は貴重品なので回収はしたが、遺体から剥ぎ取った事には違いないので、達也はその場で手をあわせ『なんまんだぶ、なんまんだぶ』と、唱えてから立ち去った。



 そして、すべての準備を終えた達也は、ゴブリンの生息地へと向かうのである。



 これが、後の世で語り継がれる、英雄の旅立ちのお話となっていくのだが、それを達也自身が知る機会はなく、かなり先の未来の話である。



 ――――――



 前島 達也(23)

 HP 114/114

 MP 24/24

 職業 狩人 Lv3

 技能 弓術

 魔法 生活魔法Lv2

 装備 木の弓、木の矢筒、石のナイフ×2本、レザーベスト、布のズボン、革の手袋、革の靴、麻の袋

 アイテム 石ころ×20個、石の矢×30本、木の実×12個

 素材 鹿の皮革×6枚、ゴブリンの布×26枚





2000文字に足りてないかも……

次回は、頑張ります。

誤字報告もまだまだ受付中です。

よろしくお願い致します。



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