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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
73/74

勇者降臨

すみません。 なかなかうまく書けませんでした。




 リユートの町に帰ってきた俺たちは、今後のダンジョン探索を本格的に攻略一本にする為、数日の休暇を取ることにした。


 その間、俺はリユートの町で色々とやらねばならない事があるので別行動となった。


 まずは町の各組合に顔を出し、挨拶まわりをしつつ、現状の聞き取りをしました。


 その後は、マリー商会に赴き、販売に関する様々な情報をもらい、素材の買取り、道具の生産量やらの統計を教えて貰います。


 おおよその見込みと差はなかったのですが、やはり順調とはいえない状況です。


 素材の回収量と、道具アイテムの販売量に変化が起き始めていました。

 これは、あまり良い傾向とは言えません。


 以前であれば、他の町や村へと販売にまわしたり、調整はしてきたのですが、どう見ても道具の販売量が減り、他の町や村への輸出も滞りつつあります。


 これは、リユート村へ多くの人々が流れついた時にも危惧していた事なので、予想はしていたものの、その結果は予想よりも早く、思っていたよりも最悪の事態へと動いているようです。


 明らかに、他の町や村での素材の消費量が減っているし、道具の販売量が軒並み減っていて、リユートの町から離れる程にその傾向が大きくなり数字に表れていました。


 魔物の氾濫によって、失われた村は多いと聞きました。

 そして、多くの人が命を落としたとも承知しています。


 その後にくるであろう、景気後退はしかたがないとはいえ、中央都市の混乱と衰退は思いのほか酷く、景気の悪化はかなり深刻な状況となりつつあると、マリー商会を通じて報告がなされていました。


 中央都市部の支配者層の排除。 豪商たちへの焼打ちなどといった、反体制活動がかなりの悪影響を齎しているそうです。


 各都市間の物流はもとより、それらの仕事を担っていた商会が居なくなった事も影響して、経済活動はほぼなくなった事により、そこに住まう人々の仕事と糧を奪い去りました。


 そんな中央都市群は、今や街ごとスラム街へと変わり果て、機能もしていないそうです。

 もはやこの状況は、国が滅んだといっても過言ではありません。


 そんな中でも、リユートの町に近い町や村には仕事もあって、まだまだ経済的にマシな方とはいえ、近い将来に人口流入の第二派が来るのは、避けられそうにありません。


「うーん、どうしたもんなんでしょう……」

「タツヤさんが、悩む必要はありません。 来たら、追い返せばいいだけです」


 まあ、リユートの町は既に多くの人々を受け入れたし、彼らを追いやった都市の人々を、今更ながら受け入れたとして、皆がうまく受け入れられるとは到底思えません。


「はあ…… まあ、そうなりますよね」

「当然です! 慈善事業ではないんです! 来たら来たらで、金をふんだくるだけです!」


 マリーさんの怒りようは酷いように聞こえますが、流れついた人々のあの有様を見ているからこその言動です。

 自分たちの難民に対する仕打ちを忘れ、いざ自分の番だと虫のいい話はないのが世の常なのです。


 彼らはすでに過ちを犯しました。


 大金を手に入れる為に、命の綱である『回復ポーション』を買い占め、必要とされていた治安維持と、開拓者たちの生活圏を奪ったことによって、すべてを失うことはその罰といってもいいでしょう。


 もし、このまま彼らがなんの反省もせずに存在し続けるのであれば、現状を変える事など到底出来ません。


 しかし、状況的に何もしないという訳もいかないので、こちらとしても出来ることはやっておきたいと思います。


「分かりました。 では、生産量は減らすとしても、買取りだけは今後も続けましょう。 まだ資金は足りていますよね?」

「はい、それはもう。 タツヤさんばかりに頼りきりですが、よろしくお願いします」


 その後、翌日に開かれる会議の為に、町長さんのお宅に出向いて会議の打ち合わせをしました。



 ◇◆◇



 次の日の午後、昨日に上がった問題とこれから起こるであろう問題点について、リユートの町の町議会会場にて、対策会議が開かれました。


 出席者は前回と同じく、町長さん、マリーさん、ドワイトさんの組合長。 そして、各組合員から選出された人たち十二名が、今回の会議の出席者と為りました。


 前回よりメンバーが増えたのは、ダンジョン外での業務が増えた事で、輸送関連、派遣関連の事業代表者が初参加となったからです。


 今回の議題は、今後のリユートの町の行方を左右する問題となる可能性が高いので、これまでとは違い、比べようのない程に長時間の会議と為りました。


 まず、昨日判明した問題と現状の報告を皮切りに、その対応策を話し合い、満場一致で現状の維持を可決しました。


 リユートの町は今も拡張工事を続けているので、今しばらくは現状のままで様子を見ようと、町長をはじめ各組合長からの提言が通ったのが理由でした。


 買取り所を運営するマリー商会、そこに多額の資金を投入している俺たち(転生者四人)がバックに居るからこそ、通った提言でもあります。


 次に、今後来るかもしれない難民対策として、近隣の村を対象に投資計画を発表しました。

 これについては賛否両論ありましたが、今後の計画として温めていた事でもあるので、立案者として俺がすべてを説明しました。


 現在、この大陸の北に位置しているリユートの町は、魔界に近い辺境の地にあり、魔の森と呼ばれる森林地帯を含めた危険と隣り合わせの地に、新たな生活圏を構築しました。


 そして、俺たち四人の転生者はこの地に導かれて、ダンジョンを発見した後に、人々は集まり根を張ることを選択したのです。


 これは神の導きによって、我々はこの地に住まい、与えられた試練に打ち勝ち、繁栄してみせよと、仰っているのだと俺は彼らに語り聞かせました。


 勿論、神がそれを口にしてはいないのですが、それを企んでいたのは明らかであり、それが俺に対する嫌がらせである事は間違いないと思います。


 いった側から面倒な事だと思いつつも、俺には選択の余地もなければ、残してきた家族を思えば避けられない事でもあって、新たに抱えた大事な人たちの為にも、敢えて大風呂敷を披露します。


「俺は、ここに『国』を作ろうと思います。 たとえ、それが茨の道で在ろうとも、新たな家族の未来の為に、また『神の使徒』として、この試練に打ち勝つことをここに宣言します!」


 演壇の一段高い場所で、俺は右手を胸の前で握りしめ、新たな決意を発表しました。


「「「うおおおおーー!!」」」


 沈黙の中、一拍遅れた出席者たちの怒号の様な歓声は、町議会会場の外まで聞こえる程の騒ぎとなり、やがて互いの腕をとり抱きあって喜びを表現しだします。


 感情に任せ雄叫びをあげる者。 涙を拭い、喜び泣き続ける者など、会議室は熱気に包まれて行きます。


「お疲れさまでした。 タツヤ殿」

「うんうん。 あんちゃんは、やっぱりスゲえヤツだった!」

「わたしは…… タツヤさんと何処までも一緒について行きます!」


 散々遠回りしてきて、世話になり続けてきた面々に少しやり過ぎたかなと思いつつも、やっと告げられた思いと計画に、俺は彼らに改めて感謝しました。


「すみません。 こんな形となりましたが、やっと決心がつきました。 どうかこれからも、よろしくお願いします」

「いえ、こちらこそ、お願いをする立場なので、どうか頭を上げて下さい」

「うむ。 あんちゃんは、オレらに命令すれば、いいだけだかんな! ガハハハ!」

「そうですよ! 私は、タツヤさんに相応しい妻となる様に…… うふふ、うふふふ……」


 なんか一人だけ違うオーラを発する方が居ますが、もう後には引けぬ空気が、会議室を埋め尽くしていました。



 そして、その翌日の正午。


 町の中央広場において、リユートの町の住民を前にして、昨日行われた宣誓を改めて行う羽目になりました。


 会場となった中央広場に、皆を見下ろす程の高さに組まれた壇上にはあがったが、水を打った様な静けさと、俺の発言を今か今かと待っている気配がヒシヒシと伝わってきます。


 ゴクリと唾を飲み込んだ俺は、意を決して壇上を前に進み、手摺りの前で一礼した後に腹に力を込めました。

 息を目一杯すってから、俺は大声で宣誓の言葉を吐くと同時に、広場に張り詰めていた空気が一気に爆発しましま。


「お、俺はここに『国』をつくろうと――――『『『うおおおおーー!』』』『『『神の使徒さま、万歳ー!!』』』『『『勇者さま、万歳ー!!』』』――――宣言、します……」


 昨日語った文言を演壇の上から語りかけたのだが、途中から集まった人々の声に掻き消されてしまい、ほぼ演説は誰の耳にも聞かせることも無く終わってしまいました。


「うひーっ、何だこれ!?」

「ねえ!? 何が起きてるの? ねえってばあ!?」

「はい!? 何か言いましたか!? よく聞こえませんでしたけど!?」


 とどまる事を知らない町民たちの叫びは、俺が壇上から消えても続き、しばらく治まらない熱狂的な歓声と共に、騒動はリユートの町全体を巻き込んでの、宴へと変わって行きました。


 この瞬間が後世に語り継がれる、この世界で最初の『勇者降臨』の物語となり、最初の一幕となったのです。





何度も書き直したせいか、かなりの日数を費やしてしまいました。

原因は、別作品をちょっと書いてしまったせいだと思います。ごめんなさいm(_ _;)m



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