表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/18

五時間目 家庭科3

 ぽろりと、柳瀬の手から玉ねぎが落ちた。まな板の上をゴロゴロと転がって、ボウルにぶつかって止まる。


「柳瀬、気をつけて。玉ねぎ落ちるよ?」


 拾い上げて、柳瀬に手渡そうとする。しかし当の本人は、石原の話を聞いているのかいないのか、呆然とこちらを見ているだけで、動こうとしない。


「おーい?」


 石原は左手を柳瀬の顔の前で、ひらひら振った。

 ようやく柳瀬が異世界から帰ってきた。はっと目を見開くと、眉をハの字にして顔をひくひくさせた。


「俺……仲間選び、間違えたかな?」

「それを俺に聞かれてもね」

「だって、まさか仲間に殺されるとは……」

「まだ殺してない。まだ。今は」

「殺す気満々じゃんか……」


 柳瀬が青い顔で玉ねぎに包丁を入れた。ざくっと軽い音がして、玉ねぎが崩れる。柳瀬が玉ねぎを切り終える間に、石原はジャガイモと人参、椎茸を切り終えていた。今は椎茸に飾り包丁を入れている。


「石原」

「んー?」

「今度の休み、カレーパーティしよう。作り方教えて」

「……もしかしてお前、カレーも作れないの?」


 唖然として柳瀬を見ると、彼は器用に視線を外す。


「前途多難だな」

 ため息とともに吐き出すと、柳瀬が首をかしげた。

「勇者が? それとも、おおつ……リアルが?」


 石原は少し考えて、切り終えた野菜を全てボウルに放り込んだ。大小様々な形の玉ねぎを見つめて、つぶやく。


「その両方、かな」


キーマカレーが好きです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ