やっぱり俺の嫁
「何で出来ないんだ!」
スーツ姿の男性受付に詰め寄る。
「ですから、いくらあなたが好きなゲームのキャラでも権利者が許可していない以上受理できません」
このやりとりを一時間繰り返している 役所の一番窓口
二番窓口では
「なんで出来ないのよ!お金払えばだれでもokって」
「たしかにこのメーカーの1対多数の乱戦型ゲームの戦国武将とは出来ますが、あなたが申請したのはゲームメーカーが違います、いや泣いたってどうにもなりません」
それを聞いて泣き崩れ落ちる若い女性
三番窓口
「このキャラ飽たから離婚で」と互いに指さす男女
「・・・キャラではなく現実の婚姻者ですね はい離婚届は受理しました」
「こちらは届け受理だけです、質問苦情は各権利者へおたずねください」
「嫁自慢からの喧嘩が増えています、申請待ちの方はお気おつけください」
架空人物との婚姻を認めた法が月初めに施行された。
が勝手に好きなキャラクターと結婚できるんだ!と思いこむ人が多く、著作権利者から申請されていない婚姻届けが各役所の婚姻・離婚業務を圧迫していた。
架空人物との婚姻は権利者から許可書が省庁に届けられ審査の後、各役所へ通達され
作品の数だけキャラの数だけあるのだ 許可の基準も様々で お金を払えばokなものから、権利者の書類選考による選抜 試験 面接を設けるものまで、様々でその個々の対応にも追われていた。
業務終了後
各窓口担当者が書類整理しつつ
「いや今日も多かったねー」
「宗教系の婚姻増えたねー架空人物といいはる団体と実在すると信じる団体に巻き込まれたて大変だったよー」
「一番最初になんかspらしき人に囲まれたよく見た顔が申請してたけど、このためだけに法案作ったのかな~」
「まさかavまで 犬とか・・・奥が深い」
「次からはゲーム ドラマ 書籍 映像コンテンツ に窓口を分けてみようよ 」
「いや まずは18禁と分けるべきだ」
「法律書の甲とか乙とか丙ってさーいいのかなー」
愚痴とも反省ともとれる会話を聞きながら担当課長が笑いながら書類を縦に持ち机に トン と叩いて
「はい、皆さん 口以上に手を動かしてお仕事片づけてください 帰れませんよ」
といつもの指示を出す
「はい」と不連続で各自返事をし 業務に戻る
彼らは知らないこの架空人物婚姻業務が国の税収を押し上げていると
お読みいただきありがとうございます
頭の中にある文章と実際に書いてみた文章が違うのに愕然
でも楽しいね 皆さんもどうですか書いてみませんか
にょろ~ん