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セイシとキズ

作者: 東雲 朱四


それは私にとって地獄のはじまり


生きるという絶望を味わう時のはじまり


無の世界から目覚め、有の世界へ


楽の世界から、苦の世界へ




そしてわたしがかんじるもの


「今日も生きてしまうこと」


「生きる」はいやなことの一つ


無の世界ではいくらでも「死ねる」時が来る


だが


有の世界ではいくらでも「生きて」しまう


自分の力では何もできず


昨日の自分をせめる



そして人間に怒りを覚える



一部にではあるが





少し切れただけの傷


そんなものを見せて何になるというのか


慰めて欲しいと言っているようなもの


そんな人間は多く


時に私の内側をえぐるような物になる


一度は中の肉が見えるほどの傷を見せつけてやりたいものだ




一生治ることのない深い深い深い深い



深い傷を



一生ふさがらないのだから


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