プロローグ
季節はすっかり春の終わり際である。
四月下旬。26日。制服や校風にも徐々に慣れたところだ。
教室内も新しい顔ぶれで緊張感も継続したままである。
一時限目。
そろそろ委員会を決めねばと白山教諭の命令に学級は即座に行動し始めた。
委員会と言えば学級委員をはじめ様々な種が行を連ねるのだが学級委員となれば雲の上の存在の奴らがやってくれるのだろうと確信付いていた。
委員会に所属せず目指すは係仕事のみの『無職』。
「はい。相馬くんがいいと思います。」
それは自分の名前だった。ここには相馬はひとりしかいない。
まさか.....。緑の黒板には学級委員の四文字。
「おい!なんで俺に!」
「ん?お前しか適格はいないと思うぜ?」
クラスは満場一致の雰囲気を出しておりただただそれに対し反論しづらい空気であった。
「おれに務まるわけない・・・・。」
この学級にも務めるべき輩は多数存在する。
親しいモッチー。望月隼も学級委員も二回務めている。
この高校一年でまたやるのかとおもったら推薦されたとは・・・。
過去の失態は忘れていない。
一回だけ中学時代にやらかしてしまったことがある。
人にもばらしたくないことだが自分でも思い返したくない。
頭が痛い。
なぜ俺が・・・・。
考えている間拍手は大合唱のままじっとしているしかなかった。
まぁ生活は少し変わって楽しめるだろう。
それは自分の人格をも180度変えることでもあった。